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ベース弦を選ぶことの大切さ~弦だけでこれほど音が変わる?

ベースサウンドに大きく影響するのが弦です。太さ・材質・形状・長さに焦点を当てた弦の選び方、交換のタイミング、ベース弦が与える影響について初心者の方にもわかりやすくご紹介します。サウンドの好みによって選ぶ弦や変えるタイミングも異なってきます。お気に入りのサウンドでベースを楽しみましょう。
ベース弦を選ぶことの大切さ~弦だけでこれほど音が変わる?

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

ベースサウンドを決める要素は、本体の木材からピックアップまで実にさまざまです。サウンドにこだわるベーシストであれば、細かい部分にまで気を遣っていることでしょう。

単にベースといっても、定番のジャズベースあるいはプレシジョンベースで、サウンドの傾向は大きく異なります。

さらに、シールドやエフェクターの選択でも音が変わりますから、いろいろと試し、好みのものを探し続けている方も多いのではありませんか?

そんな中、案外見落とされてしまいがちなのが弦です。消耗品ですので、できるだけ安いものを選択しているプレイヤーは少なくありません。

しかし、弦もベースサウンドを決める重要な要素のひとつなのです。プレイアビリティにも大きな影響を与えます。

今回は、ベース弦の種類をはじめ、そのサウンドやプレイアビリティに対して与える影響、交換タイミングについてご紹介します。ベース初心者の方の、弦選びの参考にしてみてくださいね。

ベースの弦にはどんな種類のものがある?

まずはベース弦の種類による違いと、それぞれの特徴についてご紹介しましょう。太さ・材質・形状・長さの4ポイントに焦点を絞り、ベース弦の正しい選び方を解説します。

ベース弦の太さによる違い

ベース弦はギター同様、さまざまな太さ(ゲージ)が用意されています。まずは細かいゲージに振れず、“細い弦”と“太い弦”の違いについてみていきましょう。

細い弦を選ぶメリットは、弦のテンションが弱くなることで押弦が楽になり、初心者の方でも弾きやすく感じられる点です。

また、弦が細い分だけ振動が減衰しにくく、ロングサスティーンが得られる点も大きなメリットといえます。

デメリットはパワー感や音の張り、出力が小さくなりがちなこと。加えて、極端に細い弦の場合、押さえ方によってチューニングが不安定になる欠点もあるのです。

一方、太い弦は音に張りがあり、パワフルなサウンドが得られます。ソフトタッチでも十分な音量が得られますので、繊細なプレイに対するレスポンスも良好です。

しかし、弦が太ければ太いほどテンションも強くなるため、押弦にもそれなりの力が必要となり、弾きにくく感じられるかもしれません。

また、ベースはギターに比べてスケールが長く、ネックにかかるテンションも強いため、極端に太い弦を張ると楽器にダメージを与える恐れがあります。

細い弦と太い弦、それぞれにメリットおよびデメリットがありますから、これらを踏まえた上で、自分の求めるサウンドや弾き心地に合ったものを探してみましょう。

ベース弦の材質による違い

「ベースの弦は全て同じ材質なのでは?」と思われているかもしれせんが、実際は違います。

いくつかの材質の弦が用意されており、当然サウンドにも違いがあるのです。それでは、各材質の特徴とサウンド傾向についてご紹介しましょう。

ニッケル

ベース弦の材質として、最もスタンダードなのがニッケルです。サウンドバランスがよく、さまざまなタイプのベースと音楽ジャンルにマッチします。

ベース弦の基本となる材質でもありますので、まずはニッケルから試してみるといいでしょう。ほぼ全てのメーカーからニッケル弦が販売されていますので、メーカー毎に弾き比べてみるのもおすすめです。

ステンレス

ニッケルに次いで多いのがステンレスのベース弦です。ニッケルに比べ、よりブライトなサウンドを得られるのが特徴になっています。

その反面、販売しているメーカーや弦の太さにより、少し音が細く感じられることがあります。

見方を変えれば“シャープな音”ともいえますが、実際に弾いてみると、その違いがよくわかるはずです。ドンシャリサウンドにも適しており、近代的なスラップを多用するプレイスタイルとマッチします。

コーティング弦

基本的な材質はニッケルおよびステンレスですが、その周りを樹脂などでコーティングした弦も人気です。

ややマイルドなサウンドと感じるプレイヤーが多いものの、ニッケルやステンレスの弦とさほど大きな違いはありません。

また、コーティング弦における最大のメリットは寿命の長さです。金属が直接指や空気に触れませんので、弦のさび付きに繋がる酸化を防ぐことができます。

一般的な弦の数倍以上の寿命を誇るのが、コーティング弦ならではの魅力です。

その分、価格はやや高めとなりますが、弦の交換頻度が大きく減りますので、コストパフォーマンスはいうほど悪くありません。

最近はカラフルな樹脂でコーティングした商品さえ登場していますので、個性をアピールしたいベーシストの方にもおすすめです。

ベース弦の形状による違い

弦の形状もサウンドやプレイアビリティの決め手となります。

代表的なものをいくつかピックアップし、その特徴についてお話しましょう。

ラウンドワウンド

エレキギターの弦において、モットヲ一般的な形状なのがラウンドワウンド。

金属の芯に“断面が円形の細い鉄線”を巻き付けた構造となっており、表面に凹凸があります。

倍音成分を多く含んだサウンドが特徴で、新品の内はギラギラとしたブライトな音ですが、劣化するにつれてマイルドな音に変化していきます。

ベーシストによっては劣化したラウンドワウンド弦をあえて使用するケースもあります。

最も材質や太さの選択肢が多い弦ですので、初心者の方はまずこれから試してみましょう。

フラットワウンド

フラットワウンドは“芯にリボン状の線を巻く”ことで、表面を平らにしているタイプの弦です。

エレキベースの弦としては、それほどメジャーではないものの、コントラバスやフレットレスベースでよく使われます。

倍音をあまり含まず、やや暗めのサウンドが特徴です。

また、表面に凹凸がありませんので、スライドノイズやタッチノイズがでにくくなっています。

一部のプロベーシストはこの特徴を好み、エレキベースに使用しているようですよ。

ハーフラウンド

ラウンドワウンドとフラットワウンドの中間に位置する形状が、このハーフラウンドです。

ラウンドワウンドの弦を研磨やプレスすることで、表面をフラットにしているのが特徴になっています。

基本的な構造はラウンドワウンドと同じですので、サウンドの傾向もブライトかつエレキベース向きです。

しかし、タッチノイズが少ないことから、サウンドの雰囲気や弾き心地は異なります。

弦の長さにも注意しよう!

ギターの場合、特殊なスケールのものを除いて、弦の長さはあまり気にしないものです。

一方でベース弦は「ミディアムスケール」のと「ロングスケール」がありますので、長さも意識しながら選ぶ必要があります。

例えば、フェンダー系のジャズベースやプレシジョンベースはロングスケールにあたり、ミディアムスケールの弦では長さが足りません。

また、最近ではヘヴィロックやミクスチャー等の音楽ジャンルでダウンチューニングが多用されるようになったため、テンションを維持する目的で「エクストラロングスケール」を採用するベースも多くなっています。

その場合、専用弦が必要となることがあるので注意してください。

自身が愛用するベースのスケールをしっかりと把握し、適切な弦を選ぶようにしましょう。

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ベース弦はいつ張り替える?さまざまな疑問を解決!

ベースをはじめた頃は、正しい弦の選び方や張り方、交換タイミングまで、さまざまな疑問を抱くものです。

最後に、ベース初心者の方を悩ませる弦への疑問を解決していきます。

ベース弦交換のタイミングは?

結論からいうと、ベース弦はギターと異なり「弦交換の正しいタイミング」が存在しません。

そもそも、ベース弦は基本的に太く、ギター弦のように切れることがまずないのです。

とはいえ、弦自体は金属でできていますから、時間とともに劣化していきます。

弦が劣化するとサウンドも変わりますので、自身が欲しい音ではなくなる可能性も否定できません。

上述したように、新品の弦はブライトでギラギラとしたサウンドです。

一方、劣化した弦はマイルドかつややダークなサウンドへと変わります。

どちらを好むかは、プレイヤー次第となります。

弦が切れてしまった場合を除いて、好みのサウンドが出なくなったり、チューニングが不安定になった時が交換の頃合いといえます。

ベース弦を張る際の注意点

エレキベースはスケールが長く、テンションも強いことから、張り方によってサウンドが変化します。

特に注意したいのが弦のねじれです。

ねじれた状態で弦を張ってしまうと振動が阻害され、十分なサスティーンを得られなかったり、チューニングも不安定になりやすいものです。

新しい弦に張り替える際には、一度まっすぐに伸ばしてから、ねじれないように注意して巻き付けるようにしましょう。

高級な弦の方が音はいいもの?

ギターとは異なり、ベース弦の価格帯には相当な幅があります。

1弦〜6弦までの1セットで500円という商品があれば、1セット5,000円以上のものもあります。

高価な弦の方が優れているのかといえば、決してそうでもないのです。

もちろん、あまり安すぎる弦は精度が甘く、チューニングが不安定になりやすいものです。

しかし、一定以上の価格のものであれば、プレイ上の問題が起こることがほとんどありません。

サウンドの違いこそあるものの、そこはあくまでも好みですので、高ければいいというわけではないのです。

実際、世界中で活躍するプロベーシストが1,000円前後の弦を使っているケースも珍しくはありません。

値段で弦の良し悪しを決めつけるのではなく、できるだけ多くの弦を実際に試し、好みに合ったもの選ぶのがベストですよ。

3,000円前後の弦を使っているプレイヤーが多い印象ですので、お財布と相談しながら探してみましょう。

自分にとってベストなベース弦を探してみよう

エレキベースは弦の選び方ひとつで、サウンドや弾き心地が異なるものです。

今回ご紹介したように、ベース弦には材質や形状、長さ等のチェックすべきポイントがありますので、これらを念頭に置きながら探してみてください。

どうしてもわからない場合は、楽器屋の店員さんにおすすめを聞くのも手です。

ベース弦は単なる消耗品ではなく、サウンドに影響する重要アイテムといえます。

こちらの記事では初心者にもおすすめのベース弦10選を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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