更新
ホルンとはどんな楽器?種類・特徴・人気メーカー・初心者におすすめモデルも紹介
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
ホルンは意外に種類が多く、値段や重さも色々です。
楽曲に合わせてホルンを使い分ける奏者がいるように、種類やモデルによって音も違います。
本記事では、初心者にもおすすめのホルンも含め、種類ごとにホルンをご紹介します。
目次
ホルンとは?
ホルンは金管楽器の一種です。円を描くようにくねくね曲がった管と大きく広がったラッパ部分(ベル)が、見た目の特徴ではないでしょうか。ホルンの起源は「動物の角」だと言われています。
ホルン(horn)はフランス語では「コール(cor)」、イタリア語では「コルノ(corno)」です。コールやコルノはもともとは角を意味する言葉ですが、「角笛」のこともさしていたようです。現代では複雑な形状をした金管楽器ですが、昔は動物の角を楽器にして角笛として吹いていたとされています。
やわらかい音色を特徴とするホルンは、弦楽器や木管楽器にも合わせやすいだけでなく、トランペットやトロンボーンなどの同じ金管楽器またはホルン同士で合わせても迫力がある魅力的な楽器です。
ホルンの種類は主に3種類
私たち日本人がホルンと呼んでいるのは、フレンチホルンです。
大まかに分けると、ホルンにはシングルホルン・ダブルホルン・トリプルホルンがあります。
この項では、フレンチホルンの種類をご紹介します。
シングルホルン
シングルホルンには、「Fシングルホルン」と「Bb(べー)シングルホルン」などがあります。
ホルンは丸く巻いているのでわかりにくいですが、Fシングルホルンは管の全長が約3.6m、Bbシングルホルンは約2.7mと、管の長さが違うのが特徴です。
ちなみに、管の長いFシングルホルンの方が音域は低く、Bbシングルホルンの方が音域は高くなっています。
Fシングルホルン
Bb(べー)シングルホルン
ダブルホルン
ダブルホルンには「セミダブルホルン」と「フルダブルホルン」があります。セミダブルホルンは「Bb管」に補正管が付いている楽器で、FシングルホルンとBbシングルホルンの両方の音域が出せます。
セミダブルホルンは、フルダブルホルンよりも管が短めです。音に関しては、フルダブルホルンの方が安定しやすいという感想が多いです。
しかし、フルダブルホルンに比べると管が短めな分、楽器本体が軽めなのが魅力でしょう。
ゼミダブルホルン
フルダブルホルン
オーケストラや吹奏楽などで多く使われているのが、フルダブルホルンです。
フルダブルホルンは切り替えレバーを押すことで、「F管」と「Bb管」を切り替えるシステムです。FシングルホルンとBbシングルホルンの両方の音域が出せます。
フルダブルホルンは様々なメーカーが制作しているため、選択の幅が広いのが魅力です。
ヤマハやアレキサンダーなど、有名楽器メーカーのホルンもネットで購入できます。
トリプルホルン
トリプルホルンは、「F管」「Bb管」「High F管」を組み合わせたホルンです。3つの管がある分重いです。
安定して高音域を安定して出すことができるのが魅力で、ホルン奏者の中には、楽曲に合わせてトリプルホルンを使うという方もいるようです。
【番外編】ミニホルン(ポケットホルン)
フルダブルホルンに比べると何倍も小さいホルンです。
とてもコンパクトで可愛いので、ちょっと吹きたい程度ならミニホルンが良いでしょう。
ホルンの管・材質・ベル(ラッパ部分)
ホルンは、巻き方や素材によっても音が変わります。ホルンをよく見てみると、管の巻き方が微妙に違うのがわかるでしょう。
また、ラッパ部分のベルも外せるものと外せないものがあります。違いを説明していきます。
ホルンの巻き方は主に2種類
ホルンの管の巻き方は主に2種類で、「ガイヤー(クノップ)巻き」と「クルスペ巻き」です。それぞれ特徴を見ていきましょう。
ガイヤー(クノップ)巻き
ガイヤー巻き、あるいはクノップ巻きと呼ばれるホルンは、ロータリー(丸いバルブ)が順番通りに1・2・3・4と並んでおり、管の巻き方が緩やかで単純です。
そのため、スムーズな吹奏感が味わえるのが特徴。クルスペ巻きと比較すると、明るい音色が出ます。
ベルが細い(小さい)タイプのホルンに多いのがガイヤー巻きです。
クルスペ巻き
クルスペ巻きのホルンは、4番目のロータリーが、1番ロータリー側にあり、管の巻き方が複雑です。
あえて複雑にすることで、大きく豊かな音色が出せるようにしています。
ベル(ラッパの部分)が大きいものは、一般的にクルスペタイプが多いです。
材質・素材によって音が変わる
ホルンの材質は大きく「イエローブラス」と「ゴールドブラス」があります。
ホルンは基本的に銅と亜鉛の合金であるブラス(真ちゅう)でできていますが、銅の含有率によって音が変わるのです。
イエローブラスは銅の含有率が低めで、明るくハリのある音が特徴です。反対に「ゴールドブラス」は銅の含有率が高めで、柔らかくて豊かな音といえるでしょう。
さらに、ブラスの他に「洋白(ようはく)」と呼ばれる合金も使用されることがあります。洋白のホルンは落ち着いた音色が特徴です。
洋白は銅や亜鉛にニッケルが加わった合金で、白みがかっているため、銀色に見えます。シルバーに近いホルンを見かけたら、洋白が含まれるホルンだと思ってください。
洋白は、ブラス以上に耐蝕性(錆びにくい性質)を持つのが特徴です。
耐摩耗性にも優れているため、クルスペタイプのホルンの管体は、洋白が使用されていることがよくあります。
ベルなどの本体はイエローブラスやゴールドブラスでも、抜差管や吹込管だけには洋白を使うことも多いです。
そのため、金と銀の2色のホルンがよく使われていますので、吹奏楽のコンサートなどでもゆっくり見てみて下さいね。
ベルのタイプ2種類
ベルには、取りはずしができるものとできないものがあります。それぞれの特徴を解説します。
ベルが外せる「ベルカット」
ベルカットの方はベルの付け根に線が入っており、本体からベルを外せます。
ベルカットはコンパクトになるため、ケースの種類も豊富。持ち運びが便利なので、子どもや初心者にもおすすめです。
ベルが外せない「ワンピース」
ワンピースはベルが外せないホルン。持ち運ぶ際にベルの部分がかさばるため、ケースも大きいです。
ベルカットかワンピースかで値段の違いはあまり無く、メーカーによる部分が大きいでしょう。
ホルンのマウスピースの選び方
ホルンはマウスピースの種類によって音の出方が違います。高音が出しやすいマウスピース、低音が出しやすいマウスピース、カップが深いもの、口を当てる所が大きいものや小さいもの等々、実に種類が豊富です。
マウスピースは「アメリカンシャンク」と「ヨーロピアンシャンク」があり、シャンクというのはホルンのマウスピースを差し込む部分のことです。メーカーごとに、ホルンにアメリカンシャンクを採用している楽器メーカーと、ヨーロピアンシャンクを採用しているメーカーがあります。
最初はホルンに付属しているマウスピースで十分
学生はヤマハのホルンを使っている方が多いと思います。最初はホルンに付属しているマウスピースで十分でしょう。
楽天やAmazonで見てもヤマハが多く、次いでティルツなども見られます。ティルツも奏者の中で人気です。
ヤマハのマウスピースはアメリカンシャンク用ですが、ヨーロピアンシャンクにも利用可能となっています。
しかし、ヨーロピアンシャンクのホルンでは不安定といった感想もあるので、確認してから購入すると良いでしょう。
マウスピースの価格は数千円から数万円ほどなので、複数持つのも夢ではありません。
自分に合ったマウスピースに巡り会うためにも、いくつか試してみるのがおすすめです。
アーティストモデルのマウスピースも人気
有名奏者が手がけたアーティストモデルのマウスピースも多数出ています。
アーティストモデルのマウスピースは、奏者が吹きやすいデザインを追求していますので、アーティストモデルを買うのもおすすめですよ。
ホルンの人気メーカーと特徴とおすすめホルン
ホルンを選ぶ際に参考にしていただきたい人気メーカーと特徴をまとました。
YAMAHA
日本が世界に誇る楽器メーカーのヤマハでは、様々な値段のヤマハホルンが販売されています。
吹きやすく、音程も安定しやすいのが特徴なので、たくさんの学生の方やホルン初心者に選ばれています。
YAMAHAのおすすめホルン
吹込管を長くとったヤマハオリジナルの巻き形状。 音程の良さをそのままに、より豊かな響き、スムーズな吹奏感を実現しています。
J.michael
Jマイケルは日本の楽器メーカーで、日本で独自に設計・企画された楽器をアジアで製造することで、長く愛される楽器をお手頃価格で提供しています。
メインが管楽器なのでフレンチホルンも人気で、初心者・プロ問わず多くのミュージシャンから支持されています。
J.michaelのおすすめホルン
FH-850はB♭-F 両方の音域を合わせ持つホルンのスタンダードフルダブルモデルです。ゆるやかな形状は吹奏が快適で、奏者にストレスがかかりにくく、 初めてホルンを吹く人にもおすすめです。
Soleil
コスパの高い楽器メーカー「ソレイユ」です。全体的に廉価なので、高額になりがちな管楽器を含め、初めてホルンを始める方におすすめです。
Soleilのおすすめホルン
バンド全体を包み込むような響き、広がりのある深いサウンドが特徴。F管とB♭管が一体となったフルダブルホルンで、ケース収納時にはベルを取り外し出来るので、携帯性の高いケースでの持ち歩きがラクです。
ホルンのお手入れ道具一覧
ホルンは種類が違っても、お手入れの仕方はあまり変わりません。
長く楽器を保たせるためにも、オイルやスライドグリスといったお手入れ用品が必要です。
購入する場合や長期でレンタルする場合は、ホルン用のお手入れセットを用意しておくと良いでしょう。
- <ホルンのお手入れ道具>
- スライドグリス
- ローターオイル
- ロータースピンドルオイル
- レバーオイル
- ポリシングクロス
- クリーニングスワブ
- マウスピースブラシ
- マウスピースクリーナー
- ラッカーポリッシュ
- ポリシングガーゼ
全部揃える必要はありませんが、楽器を長く使うにはスライドグリスや各種オイルなどは必須です。
最初から、お手入れ道具がセットで付いているホルンを買うのもおすすめですよ。
ホルンの手入れ方法については、こちらでも詳しくご紹介しています。
また、ホルンによっては、おまけでサイレントブラス(音を抑える装置)がついていることも。
サイレントブラスがあれば、自宅などでも練習がしやすいでしょう。
購入前にホルンレンタルを使うのもおすすめ
最初はどのようなホルンが良いのかわからないのが普通です。
ホルンは高価なので、様々なホルンを吹き比べてみて、自分に合ったホルンを選ぶのが理想的でしょう。
もし自分の欲しいホルンが定まっていないのであれば、ReReレンタルで色々なホルンを試してみるのがおすすめです。
ReReレンタルでは、入門用ホルンが6,880円~から借りることができるので、購入するよりもお得にホルンを吹くことができます。
シングルホルンやフルダブルホルンなど幅広く取り扱っているので、購入前のお試しとしても最適です。
ホルン初心者の方は、ホルンの練習方法について解説したこちらも併せて読んでみてください。
自分に合ったホルンを探して、ホルンの演奏を楽しみましょう。
宮乃 かぽり /
ビギナーズ編集部 ライター
フリーライター兼イラストレーター。学生時代は吹奏楽部に所属し、楽器の数などの都合で金管楽器をほぼ経験しました。現在は音楽、ヒーリング、占い、フラワーアレンジなど趣味多彩。チャレンジ精神豊富です!