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カナダ映画『CUBE』のキャスト・ネタバレ・考察を展開!日本版の考察も
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立方体の部屋に閉じ込められ、頭脳を駆使してそこからの脱出を図る、というシンプルな物語構成の映画『CUBE』を見たことはありますか?ストーリーがわかりやすく、1人1人のキャラクター設定にも個性がありますね。
今回は、『CUBE』三部作と菅田将暉主演による日本リメイク映画の考察を展開していきます。
※ストーリーとともに考察していくので、ネタバレありの記事となります。
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カナダ映画『CUBE』(1997年)
まずは、オリジナルのカナダ映画『CUBE』(1997年)のキャストとネタバレを紹介した上で、作品を考察していきますね。
『CUBE』(1997年)のキャストなど
モーリス・ディーン・ウィン | クエンティン役(男性警察官で、子どもが3人いる) |
---|---|
ニコール・デボアー | レヴン役(数学科専攻の女子学生) |
デヴィッド・ヒューレット | ワース役(男性会社員。実は、キューブの図面設計に携わっていた) |
ニッキー・グァダーニ | ハロウェイ役(独身中年女性で精神科医) |
アンドリュー・ミラー | カザン役(障害を持つ男性。レヴンより計算が得意) |
ウェイン・ロブソン | レン役(初老の男性。キューブ脱獄のため冷静に行動するが、最初に死んでしまう) |
ジュリアン・リッチングス | オルダーソン役 |
カナダ映画『CUBE』では、米国デトロイト出身のヴィンチェンゾ・ナタリが監督を務めました。
英国の俳優デヴィッド・ヒューレットはアメリカ映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』や映画『シェイプ・オブ・ウォーター』(R15+)に出演しています。
『CUBE』(1997年)のネタバレ
『CUBE』(1997年)の元ネタは、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督による20分の映画『Elevated』です。
『CUBE』の舞台は最初から最後まで、立方体の部屋です。坊主の男性が目を覚ましてあたりを見回すと、映画『インターステラー』のラスト28分頃から登場するような謎の部屋が出現していました。
その男が部屋にある扉(ハッチ)を開けて隣の部屋に移動すると、なんと彼の体がバラバラになって死んでしまいます。
次のシーンで、5名の男女が1つの立方体に閉じ込められていました。しかしそのメンバーの1人で冷静な男・レンは、他の部屋に移った瞬間死亡します。
さらに、最終的に立方体の部屋が1万7,576室もあることが、数学科の学生・レヴンの計算で明らかになります。
男性警察官クエンティンの暴走などが重なり、立方体からの脱獄者は障害持ちの男性カザン1人のみとなりました。
『CUBE』(1997年)の考察
作品の中盤で、精神科医のハロウェイが「連中の手口よ。誰の仕業か正体を明かさない。親玉は表に出ない」と、立方体を作った人物に対して怒りを燃やします。
最近の韓国サスペンスドラマ『イカゲーム』やサッカー漫画『ブルーロック』、『今際の国のアリス』では、賞金をかけたゲーム、世界一のストライカーを見つけるための青い監獄などを支配する黒幕が誰なのかが作品中で明かされます。
しかし、『CUBE』は障害持ちのカザンが立方体の部屋から抜け出した瞬間に作品が終了するのです。
会社員のワースが立方体の建設に携わったこと以外、見ず知らずの男女が同じ立方体に閉じ込められた理由など、真実はつかめないままです。
この不透明な状態が、ハロウェイの先程のセリフと繋がります。
立方体を支配する親玉はどこの誰というより、「各々が小さな部品を作る。実はそれが地下の”死のマシン”の大事な一部」なのです。
その世界は全く違いますが、学者の落合陽一が『日曜日の初耳学』(TBS系)に出演した際、「政治家は個人ではまともなことを言う。だが、何人か集まると変わったことを言いだす」と言っていたこととリンクするような気がしますね。
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アメリカ映画『CUBE2』(2002年)
次に、アメリカ映画『CUBE2』(2002年)のキャストとネタバレを紹介した上で、考察をしていきます。『CUBE2』は、U-NEXTではPG12指定の作品です。
『CUBE2』(2002年)のキャストなど
ジェラント・ウィン・デイヴィス | サイモン役(自称経営コンサルタント。本当の職業は私立探偵) |
---|---|
カリ・マチェット | ケイト役(金髪女性の心理療法医。正体は武器製造会社の人間だが、最後に銃殺される) |
ニール・クローン | ジェリー役(技術者で、キューブの扉を設計した) |
マシュー・ファーガソン | マックス役(2年前、友人がペンタゴンのメインフレームに侵入した際に手伝った男性。ゲームの開発者) |
バーバラ・ゴードン | ペイリー夫人役(認知症で白髪の女性。武器製造会社の社員で、映画冒頭で死亡した男性の知りあい) |
リンゼイ・コネル | ジュリア役(-1時間4分台に初登場する、女性弁護士※) |
グレース・リン・カン | サーシャ役(盲目の学生で、サングラスをかけている。正体は伝説のハッカーであるアレックス・トラスク) |
ブルース・グレイ | マグワイア大佐役(国防総省所属の男性。キューブ脱出に希望を見いだせず、死んでしまう) |
アンドリュー・スコアラー | ワーグ役(キューブでの初登場時から、首から血を出していた男性) |
※U-NEXTで見たときの時間です。
本作の映画監督は、ポーランド出身のアンジェイ・セクラです。彼はクエンティン・タランティーノ監督の映画『レザボア・ドッグス』(1991年)に撮影担当として携わりました。
『CUBE2』(2002年)のネタバレ
『CUBE2』の舞台は『CUBE』同様、真っ白な立方体の部屋から始まります。女性の心理療法医・ケイトが他の立方体に移ると、ひげを生やした恰幅のいいサイモンがいました。
ある部屋の扉には「60659」という数字が書かれており、立方体に閉じ込められた見知らぬ男女10名は「6万ものキューブがある」と恐れおののきます。
立方体脱出の鍵を握っていそうな国防総省のマグワイア大佐は、無気力のため部屋に取り残され、早くに死んでしまいました。
話が進むにつれて認知症を患うペイリー夫人が「武器製造のアイゾン社の社員であること」が判明し、このキューブの黒幕は天才ハッカーのアレックス・トラスクではないか、とその場に残された人たちは推測します。
こうして、キューブにいる人物全員の知性が高く頭脳派であるゆえ、頭をこねくり回して脱出への糸口を見つけようと必死になるのです。
しかし男性サイモンが私立探偵であることを明かし、自分が探していたという女性ベッキーを殺害します。
作品の終盤ではなんと盲目の女性サーシャが、アレックス・トラスク本人だと判明します!さらに女医ケイトがアイゾン社側の人間であることがわかりますが、彼女は銃殺されてしまいました…。
『CUBE2』(2002年)の考察
『CUBE2』の物語は『CUBE』と同じ真っ白な立方体の中で展開されますが、頭脳派の男女が部屋からの脱出に向けて奮闘するため、映画を見る側も、頭をフル回転させて見る方が楽しいと思います!
筆者はこの作品を見て、ブライアン・シンガー監督のアメリカ映画『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)を思い出しました。
作品の中に登場する5名の容疑者の中で、比較的口数が少ないヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)が凶悪な殺人犯だったからです。
作品中で大人しい役を演じることで、必要以上に自分の情報を出すことを抑制し、正体を明かされないようにする。
そう考えると、『CUBE2』のサーシャ役も『ユージュアル・サスペクツ』のカイザー・ソゼ役も、相当な演技力が必要だっただろう、と思います。
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カナダ映画『CUBE ZERO』(2004年)
シリーズ第三作『CUBE ZERO』(2004年)のキャストやネタバレに基づき、考察を展開していきます。
『CUBE ZERO』(2004年)のキャストなど
ザカリー・ベネット | エリック・ウィン役(CUBEの管理職で、眼鏡をかけている男性) |
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デヴィッド・ヒューバンド | ドッド役(CUBEの管理職で、恰幅のいい男性) |
ステファニー・ムーア | カッサンドラ・レインズ役(CUBEの被験者で、唯一外界の記憶が残っている女性。行方不明の娘を探している) |
マーティン・ローチ | ハスケル役(ひげを生やした黒人男性) |
テリ・ホークス | ジェリコ役 |
リチャード・マクミラン | バートク役(初老でたれ眉の、温厚な男性。作品の前半で死んでしまう) |
マイク・ナグ・ナーギャング | メイヤーホールド役 |
トニー・マンチ | オーウェン役(行方不明になっている男性で、元技師) |
マイケル・ライリー | ジャックス役(右目が義眼で、キューブの中間管理者。男性技師のドッドを殺害してしまう) |
本作の映画監督はアーニー・バーバラッシュです。
『CUBE ZERO』のキャストも、この作品にのみ出演している俳優が多い印象を受けます。
俳優マーティン・ローチは、米アカデミー賞などで受賞歴のある映画『シェイプ・オブ・ウォーター』にも出演していますね。
『CUBE ZERO』(2004年)のネタバレ
シリーズ第三作である『CUBE ZERO』では、『CUBE』『CUBE2』で明かされなかった立方体部屋の秘密が明らかになります。
作品冒頭で1人の男がキューブ脱出を図り体が血まみれの状態で溶けていく様を、キューブの管理者であるウィンとドッドが監視していました。キューブ内部には女性レインズを始め、「被験者」たちがキューブ内部に集まっていました。
ウィンは同僚で元技師のオーウェンが自分のせいで焼却処分されてしまったことを受け、一方的にその場を逃げ出しキューブに入り込みます。
やがてウィンは被験者のハスケルとレインズに、「立方体が人の記憶を消し去る実験施設であり、被験者は極刑を免れたい死刑囚であること」を伝えます。
何とか生き残ったウィンは、キューブの中間管理職・ジャックスの命令で強制的に手術を受けさせられるのです。
その後ウィンは薄暗い緑の部屋にいました。「青い部屋に戻る」とつぶやくウィンを、同じ部屋にいる男女が心配しています。
このウィンは、1997年の映画『CUBE』のカザンと同一人物ではないか、と推測しているブロガーの方もいらっしゃいますね。
『CUBE ZERO』(2004年)の考察
シリーズ第三作である本作は、前の2作とは打って変わってキューブ外部の人間も巻き込んだサスペンス映画です。
キューブを作る人物の心理状態は、どのようなものなのでしょうか。
人をいじめたり罵倒したりする人には、心の暗い闇があるなぁと筆者は思います。
自分の心が弱いから人を批判しないと自分を保てない。もっと言えば、それをしてしまっても心を保てていないとさえ感じます。
強靭な心の持ち主とまでは言いませんが、思いやりのある情感豊かな人間でいたいですね。
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日本映画『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)
最後に、邦画『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)のキャスト・ネタバレ・考察を紹介します。
『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)のキャストなど
菅田将暉 | 後藤裕一役(過去に虐待を受け、自ら命を落とした弟がいる) |
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杏 | 甲斐麻子役(キューブに閉じ込められた中では唯一の女性。実はキューブの仕掛け人) |
岡田将生 | 越智真司役(映画後半で、安東を殺害してしまう) |
柄本時生 | 最初の男役(キューブに1人で入り死亡する) |
田代輝 | 宇野千陽役(体にあざのある男子中学生) |
山時聡真 | 後藤博人役(途中まで生き残るが、千陽の救出を優先したため部屋に取り残されてしまう) |
斎藤工 | 井手寛役(最初にキューブへ靴を投げ入れ、罠の有無を確認して部屋を渡り歩いていた。千陽を救出した際に死亡する) |
吉田鋼太郎 | 安東和正役(会社役員の男性。越智に殺害される) |
2021年には、俳優の菅田将暉主演で日本映画『CUBE』が公開されました。
こちらは人気俳優勢ぞろいな作品で、自由の抑圧されたキューブからの脱出劇を繰り広げている姿から目が離せません。これこそがプロの俳優の演技だと、筆者は感動しました。
『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)のネタバレ
黒と白の立方体部屋に1人、男(柄本時生)が迷い込んでしまいます。彼が他の部屋に移動し呆然とした表情をしていると、突然心臓の部分が立方体の形になってくり抜かれ死亡します。
次のシーンになると、後藤(菅田将暉)を始めとする、性別も年齢もバラバラな男性らが同じキューブにいました。途中から斎藤工や冷徹な表情の杏が登場し、吉田鋼太郎もそれに参加します。
やがて後藤は「素数のついた部屋に罠がある。一番端にある部屋に行けば脱出できる」ことを信じ始めます。
脱出を試みようとするものの、彼らは各ペアで行動することとなり、越智(岡田将生)は安東(吉田鋼太郎)を殺害してしまい…。
甲斐(杏)と千陽は最後まで生き残り、「999」の部屋にたどり着きます。さらに恐ろしいことに、杏演じる甲斐はキューブの仕掛け人だったことが判明するのです。
『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)の考察
日本版『CUBE』のキャストは、芸能界の中でも特に好感度の高い俳優が多いですね!
とにかく美人で歌・料理・語学に堪能な杏や色白で高身長イケメンな岡田将生、真っすぐな生き方に惹かれる菅田将暉など素敵な俳優が、作品ではシリアスな表情で脱出を図ろうとするところに注目してみるとよいでしょう。
前項までに紹介した洋画と同様、日本版の冒頭でもキューブにいる男の体の一部がなくなってしまうことにより、今後の展開で人が死ぬことを予期させています。そして、キューブの仕掛け人が杏であることがわかります。
杏が初登場時から無表情で1人だけ雰囲気が違う気がして、キューブという自分が死んでしまうかもしれない密室に対してあまり動揺していないなと筆者は少し思いました。
先に紹介した洋画『CUBE』と『CUBE2』では誰がキューブの設計者または仕掛け人で、誰がどの人に暴力を振るってしまうかがわからなかったので、「誰が黒幕か」最後まではらはらさせられる演出にしてほしかったですね…。
とはいえ杏も含め筆者の大好きな俳優が勢ぞろいなので、この作品を見られてよかったです。
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まとめ
今回は、カナダ映画『CUBE』を始めとする三部作と日本リメイク映画『CUBE 一度入ったら、最後』の考察をおこないました。
色々な方の考察を読みながら『CUBE』を見てみるのも楽しいと思います!
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碧 /
ビギナーズ編集部 ライター
好奇心が旺盛なエンタメ系ウェブライター。いらすとやのアイコンが目印の「チョコミントブログ」も運営中。