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将棋の初心者が上手になるためにはどんなトレーニングが必要?

最年少棋士の活躍も話題になり、にわかにブームが起きつつある将棋。初心者向けの教室も増えているなど、裾野が広がりつつあります。初心者でもすぐに上達して、将棋を好きになれるおすすめトレーニング法について詳しく説明していきます。
将棋の初心者が上手になるためにはどんなトレーニングが必要?

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「子どもに習わせたい習い事ランキング」の上位にも入っている将棋は、今や子どもから大人まで幅広く楽しめるボードゲームとして、定着しています。

「将棋は面白そうだけど、ルールが難しそうだしとっつきにくい」という初心者の方のために、将棋のエッセンスを短期間でつかめる簡単なトレーニング方法について、詳しく紹介していきます。

将棋を一生の趣味にして、人生をより豊かにしましょう。

将棋初心者がまず覚えたいこと

将棋にはたくさんの戦法がありますが、大まかに二つの戦法に分けられます。将棋の初心者はまず、この二つの戦法を覚えることで「攻撃の基本」を身につけられ、定跡に沿った闘い方ができるようになります。

将棋の代表的な攻め方である「居飛車」と「振り飛車」について、基本的な部分を初心者向けにお伝えしていきます。

初心者向きの居飛車

居飛車は、将棋の基本戦術の一つです。飛車をもとの位置からなるべく動かさずに、攻めの陣形を整えていくパターンで、序盤の陣形があまり複雑にならないため、初心者にも覚えやすいといわれています。

居飛車と相性のよい戦法としては、棒銀、一手損角換わり、穴熊などがあり、相手の出方を見て戦法を組み替えられるメリットがあります。

序盤の展開がわかりやすい振り飛車

振り飛車とは、序盤の段階で飛車を盤上の左側に移動させ、左辺から攻めていく戦法です。振り飛車は比較的ダイナミックな戦いになりやすく、合わせ技がうまく決まれば、早い段階で相手の陣地を壊滅させられます。

飛車をどの筋に寄せるかによって呼び方が変わり、先手番で7筋に寄せれば三間飛車、6筋であれば四間飛車、5筋なら中飛車戦法と呼ばれます。振り飛車では攻めが主体になりやすいため、「守りよりも攻めのほうが覚えやすい」という方に向いているといえます。

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将棋初心者は囲いをきちんと作ろう

「攻撃は最大の防御」とはいいますが、将棋では攻めと同時に守備(囲い)も重要です。将棋初心者でも覚えやすい、二つの基本的な囲いについて具体的に見ていきましょう。囲いの基本をきっちりとおさえることで、将棋をよりスピーディに覚えられます。

定番の美濃囲い

金2枚と銀1枚をアルファベットの「Ⅴ」に似たかたちに並べ、銀の横に玉を置くのが美濃囲いです。美濃囲いは、玉が銀と金の2枚に隔てられる形になるため、横からの攻撃に強いという特徴があります。また、飛車に深く成り込まれて横から攻められても、耐久性を保てます。

美濃囲いには高美濃囲い、左美濃、銀冠、天守閣美濃などのバリエーションがあり、相手の攻撃形に合わせて、臨機応変に組み替えることがポイントです。

居飛車で使う矢倉囲い

居飛車と相性がよい囲いとして、矢倉囲いを覚えておきましょう。金2枚、銀1枚を逆側のL字のように配置し、上部の守りを強化する狙いがあります。矢倉はどちらかというと、縦からの攻めに強いため、相手も居飛車の陣形を採用した場合に、効果が高まるとされています。

プロの世界では「矢倉は将棋の純文学」などといわれており、中盤から終盤にかけて陣形が複雑化しやすく、タイトル戦で矢倉囲いを指しこなせれば、一人前とされているようです。

将棋初心者は手筋を覚えることが大切

自分なりの戦法を研究することも楽しみの一つですが、基本的な手筋を覚えることで、将棋のセンスをひと通り身につけられます。将棋の上達に役に立つ基礎的な手筋や戦法、攻め方のパターンについて、ひとつずつ解説していきます。

必勝パターンの王手飛車

将棋の基本的なルールとして、「王手をかけられたら、必ず玉のほうを逃がさなくてはならない」というものがあります。たとえば、「飛車と玉、次に手番がくればどっちも取れますよ」という位置に角などを置けば、「王手飛車」となり、飛車をほぼ無条件で取れるので圧倒的に有利になります。

ただし、飛車を取る一手の間はどうしてもスキになってしまいます。また、上級者になると王手飛車をかけられることを見越して、反撃の一手を用意しているパターンもあります。そのため、王手飛車を発見したからといって、油断しないようにしましょう。

歩を強くする垂れ歩

将棋では、金と玉以外の駒は、敵の陣地内(3段目以降)に入ると裏返り、成駒としてパワーアップできます。歩をあえて、いきなり敵の陣地内に打ち込まずに、4段目にひかえて打ち、次の手番でいつでも成れるようにしておくことを「歩を垂らす」、あるいは「垂れ歩」といいます。

ただちに敵の陣地を攻められるわけではありませんが、効果的な垂れ歩によって、と金(歩の成駒)を何枚もつくれれば強力な戦力となり、相手にとっても非常に怖い存在となります。

歩はと金になると、金と同じ能力をもちますが、取った時点でただの歩に戻ってしまいます。そのため、攻める側にとっては取られてもほぼノーリスクですし、相手から見れば取ってもほとんど得しないということになります。

香車で田楽刺し

香車の持ち味は、縦方向の攻撃力です。この能力を利用し、たとえば角と飛車が一直線に並んでいる筋に、香車を打って「田楽刺し」を成立させることも可能です。複数の駒が、まるで田楽の具になって串刺しにされたように見えることから「田楽刺し」と呼ばれ、初心者同士の対局ではよく見られる必勝パターンといえます。

田楽刺しの応用編として、「歩をたてつづけに打って、飛車の横の逃げ道をふさいだところで香車を1枚打つ」という戦法もあります。こうなると飛車は逃げ道を失い、取られることを待つしかなくなります。

桂馬のふんどし

駒が動ける範囲内に、相手の駒が入っていることを「利きに入っている」といい、同時に複数の駒が利きに入っている状態を「両取り」と呼びます。

変則的な動き方が特徴の桂馬は、両取りの名手であり、桂馬1枚で両取りをかけることを「桂馬のふんどし」といいます。桂馬の利きがふんどしのひものように見えることから、この呼び方になりました。

銀の割り打ち

銀は角と玉を除いては、左右の斜め後ろに下がれる唯一の駒です。この性質を利用し、斜め後ろに利きのない飛車や金の間に銀を打ち込み、両取りをかけることを「銀の割り打ち」といいます。

割り打ちでは、いわゆるタダ取りになるパターンは少ないのですが、相手の重要な守備を確実にはがせるので、ぜひとも覚えておきたいテクニックです。

将棋初心者が上達するポイント

基本の手筋を丸暗記するだけでは、将棋のテクニックを磨いたことにはなりません。初心者が上達するうえで、試しておきたいトレーニング法について解説していきます。

将棋の格言から学ぶ

将棋の格言には、先人たちの知恵や教えが詰め込まれています。たとえば、「桂馬は動ける範囲が限られているため、不用意に動かすべきではない」といわれます。しかし、理屈で

理解するよりも「桂馬の高飛び歩のえじき」と語呂合わせのようにして覚えたほうが、はるかに身につきやすく、実戦でも知識として役に立ちます。

  • 「遠見の角」
  • 「両取り逃げるべからず」
  • 「歩のない将棋は負け将棋」
  • 「馬は自陣に引け」
  • 「2枚換えなら歩ともせよ」
  • 「金底の歩岩より固し」
  • 「へぼ将棋、王より飛車をかわいがり」

等々、初心者も参考にできるユーモラスな格言はほかにもたくさんあるので、格言だけを集めた入門書をバイブルにすることも、面白いかもしれません。

指し手を相手の分も考える

現在も、第一線で活躍するトップ棋士は、修業時代に研究会などで将棋を指す際に、中盤になると先手と後手をそっくり入れ替え、立場を逆転させて対局を続けたそうです。

また、対局中も手詰まり状態になると、相手の側に回り込み、盤上を反対の立場から見たうえで、次の指し手を考えるというプロ棋士も少なくありません。

相手の指し手まで考えることこそが、つまり「手を読む」ということであり、初心者の人はまず3手先を読むことを目標にすることによって、先を読む力が向上します。

定跡を覚える

将棋には、何百年という歴史のなかで積み重ねられた、定跡が用意されています。居飛車、振り飛車、穴熊など、戦型別に膨大な量の定跡がストックされています。自分のスタイルに合った定跡を中心に、勉強することで確実に棋力が向上し、「勝ちたい」というモチベーションが高まります。

将棋専門サイトにアクセスすれば、あらゆる定跡やプロ棋士の棋譜が自由に閲覧できます。本格的な対局に移る前に定跡を予習したり、自分の棋譜を定跡と照らし合わせてみたりと、自分なりに試行錯誤を繰り返すことで、知識のストックを増やしていきましょう。

1手詰めから始めていく

将棋の楽しみは、対局ばかりではありません。一流のプロ棋士ほど、基本となる詰将棋トレーニングを大切にしています。

3手詰でも充分にシンプルなのですが、将棋を始めたばかりの方には、1手詰もおすすめです。1手詰を徹底的に解いていくことで「勝ち方の基本形」が身につき、初心者が実践でやりがちな「1手詰をうっかり見逃して負ける」というミスを減らせます。

自分のレベルに合わせた本を読む

初心者の人ほど上達をあせって、いきなり上級レベルの解説書に手を伸ばしてしまうものです。ただ、初心者が上級レベルの本をいきなり読んだところで、前提となる知識が乏しいです。結果、なかなか理解できずに、結局短期間で挫折して終わるというパターンになりがちです。

初心者のうちは基礎基本を大切にし、入門編の解説書から読みはじめると理解しやすく、「自分がどこを理解できていないか」ということを把握できるようになります。入門書を、ページがボロボロになるまで読み込んだら、次のレベルの本を買うというペースで、ちょうどよいのかもしれません。

感想戦をする

プロの対局でも、勝敗がついたあとは「感想戦」といって、対局を最初から振り返り、指し手の分岐点などを検討します。アマチュア同士でも、対局後に感想戦をすることによって、負けた側は「どの手が良くなかったのか」を学べます。また、勝った側にとっても、よりよい指し手を見つけられるという効果があります。

「100時間の実戦より1時間の感想戦」ともいわれるように、感想戦は特に初心者の上達にとって有効で、初対面と相手とのコミュニケーションを広げるチャンスでもあります。

将棋初心者の内は基礎を押さえた練習法が大事

まったくの将棋の初心者でも、基本をしっかりとおさえて地道にトレーニングを続けていけば、着実に上達できます。

実戦、詰将棋、定跡研究。将棋の上達パターンはひとつではありません。まずは将棋に触れてみて、楽しんで、もっと強くなりたいと感じたら、自分に合った方法で一歩ずつトレーニングを続けていきましょう。

ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

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