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PCゲームの保存先はどうする?HDD・SSDの基礎知識を解説
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ゲーミングPCを選ぶ上で、ゲームデータの保存先となるストレージ選びが重要となっています。驚くほどPCゲームのデータ容量が増加している今、ストレージ選びがゲーム体験に大きな影響を及ぼすのです。
そこで今回は、PCゲームの保存先について様々な視点から解説します。HDD・SSDの基礎知識や選び方、どのようなPCゲームの保存に最適なのか、詳しく見ていきましょう。
目次
PCゲームの保存先はどちらがおすすめ?HDDとSSDの違い
PCゲームはデータ容量が大きく、数GB〜数百GBにおよぶタイトルも珍しくありません。
とりわけPS5などと同時に発売された最新タイトルは、驚くほどストレージ容量を使用します。そのため、1台のPCに複数個のストレージをつける人も増えました。
ストレージにはHDDやSSDの種類があります。あらためて、各パーツの特徴とゲーミングPC搭載時にメリット・デメリットを解説します。
HDDの特徴
HDD(ハードディスクドライブ)は、電磁的にデータの書き込み・読み取りをおこなう記憶装置のことです。パソコンやゲーム機、レコーダー、外部記憶装置など、幅広い電子機器で使用されています。
HDDの特徴として、大容量かつ容量あたりの単価が安いことが挙げられます。そのため、コストを抑えて大量のデータを保存したいなら、HDDがベスト選択になるでしょう。
ただし、後述するSSDに比べると読み書き速度が遅いのが難点です。
2023年8月現在、おすすめのHDDは「Western Digital」の「WD Blueシリーズ」です。8TBという超大容量のHDDで、容量あたりの価格が安価なコストパフォーマンスに優れるモデルですね。
SSDの特徴
「SSD」(Solid State Drive)は、データを記録するストレージデバイスで、HDDと同じような用途で使用されます。ただし、その構造や仕組み、特徴は大きく異なります。
SSDは記憶領域として「NAND型フラッシュメモリ」を搭載しています。これはUSBメモリやSDカードと同じような半導体メモリです。高速でデータの読み書きをおこなえる特徴があり、その処理速度はHDDと比になりません。
スピーディーな読み書き速度や耐久性などのメリットから、SSDはゲーミングPCや高性能なノートパソコンでの使用が増えています。
おすすめのモデルは多岐にわたりますが、「Crucial」のSSDはコストパフォーマンスと品質のバランスに優れます。原則、有名メーカーの定番モデルを選べば間違いありません。
HDDのメリット・デメリット
HDDはSSDと比べてコストパフォーマンスに優れており、大容量のデータを扱う場合に適しています。
特に、動画や音楽などのメディアファイルはデータ処理のスピードがあまりに求められない、容量あたりの価格が安いHDDで保存するといいでしょう。
ゲーミングPCにおいては、SSDをメインストレージ、HDDを追加ストレージとして使い分けるのがおすすめです。
高速な読み書き性能を持つSSDでゲームのロード時間を短縮し、大容量でコストパフォーマンスに優れたHDDでその他のデータを保存しましょう。
デメリットとしては、ゲームデータをHDDに保存するとロード時間が極端に長くなることが挙げられます。頻繁にローディングがあるゲームではストレスを感じるため、基本的にはSSDに保存・インストールしてください。
SSDのメリット・デメリット
SSDをゲーミングPCに採用することで、ゲームのロード時間が短縮されたり、アプリケーションの起動が速くなったりします。明確にパフォーマンスが向上するため、ストレスなくPCゲームを楽しめるでしょう。
また、回転するディスクや磁気ヘッドなどの機械的な部品がないため、衝撃に強く、データの喪失リスクが低いとされます。大事なデータを保存するストレージとしても、SSDは優秀です。
SSDは衝撃・振動に強く、デバイスとしての寿命も長いため、ゲーミングPCでの使用に適しています。ただし、HDDに比べると容量あたりの価格が割高です。
ただ、ゲーミングPCは何よりもパフォーマンスを重視します。多少割高であっても、メインストレージにはSSDを使うのがおすすめです。
注意点として、SSDにはM.2タイプや2.5インチタイプなど、様々な形状があります。ゲーミングPCにSSDを取りるける際は、マザーボードやケースとの互換性を確認してください。
HDD・SSDを選ぶポイント
ここでは、ゲーミングPCでの使用を前提にHDD・SSDを選ぶポイントを解説します。
読み書き速度
HDD・SSDを選ぶ際、最初にチェックすべきは読み書き速度でしょう。ゲーミングPCでは、高速な読み書き速度を持つSSDが主流で、HDDよりもSSDを採用するのが一般的です。
一般的なHDDの読み書き速度は、平均200MB/sです。これは1秒あたり200MBの読み書きが可能であることを意味します。
これに対して、SSDの読み書き速度は、SATA SSDで平均500MB/s、新しい接続端子の「PCle(NVMe)」 SSDでは平均1,000MB/s以上です。
1秒あたり500MBから1,000MBの読み書きができるため、HDDとは歴然の差があります。
近年発売された大型タイトルは、データ容量が非常に大きく、ローディング頻度も高い傾向にあります。SSDでなければローディング時間が極端に延びたり、なかなか画面が切り替わらなかったりするでしょう。
寿命・耐久性
HDDとSSDの選び方において、耐久性は非常に重要なポイントです。
HDDはディスクを物理的に回転させてデータの読み書きをおこないます。これは「ディスクの回転数に応じて劣化する」ともいえます。平均的な寿命は3~4年、時間にすると約26,000~35,000時間です。
SSDの耐久性は、書き込まれた「TBW(テラバイトライト)」や、保証期間内にドライブ全体を毎日何回書き込めるかを示す「DWPD(ドライブライト)」などの指標で測定されます。これらの指標は、SSDの寿命を予測するのに役立ちます。
また、SSDの耐久性を向上させるために、高度なウェアレベリング機能が採用されています。これにより、全てのメモリセルの消去回数が均等になり、過度な使用による早期消耗を防げます。
耐久性を重視する場合、信頼性の高いメーカーからの製品を選ぶことがおすすめです。製品のスペックや保証期間を確認し、自分の用途に適したHDD・SSDを選びましょう。
静音性・耐熱性
HDDは、磁気ディスクを高速回転させてデータを読み書きするため、消費電力が高く、熱を発生しやすいです。
一方、SSDは、物理的な動きがないことで耐衝撃性・耐熱性に優れます。故障リスクが低さでいうと、SSDに軍配が上がるでしょう。
そもそもHDDの利点は、大容量かつコストパフォーマンスがいいことです。大量のデータを保存する必要がある場合や、容量あたりに価格を重視する場合は、HDDがいいでしょう。
しかし、HDDは衝撃に弱く、磁気ヘッドが故障しやすいため、ノートパソコンなどで持ち運びが多い場合は故障リスクが高まります。
ゲーミングPCは基本的に据え置きですが、パフォーマンスの維持・向上の観点からやはり、SSDをおすすめします。
価格
上記の通り、HDDは基本的にストレージ容量が大きく、容量あたりの単価が安いことが特徴です。これに対して、SSDは総合的に性能が高いものの、容量あたりの単価が割高といえます。
ただ、近年はSSDの価格は徐々に下がってきており、一部のモデルではHDDと価格差が縮まっているケースも見られます。
とはいえ、一般的にはまだHDDが安価であるため、大容量が必要でコストを抑えたい場合、一考の余地はあるでしょう。
HDD・SSDを併用する「デュアルストレージ構成」とは?
ゲーミングPCにおいては、HDD・SSDを併用する「デュアルストレージ構成」が望ましいとされます。それぞれの特性を理解して使い分けるのが、もっとも合理的かつコストパフォーマンスに優れます。
考え方はシンプルで、音楽・動画などのメディアファイルはHDDに、OS(オペレーションシステム)やゲームデータはSSDに保存・インストールします。
読み書き速度を重視しないデータをHDDで管理し、SSDのストレージに余裕を持たせることで、ゲーミングPCのパフォーマンスを最大限に引き出せるのです。
PCゲームのおすすめの保存先は?
ここでは、HDD・SSDそれぞれの保存に適したPCゲームの特徴やタイトルをご紹介します。
HDDへの保存がおすすめのタイトル
大容量のストレージが不要で、ロード時間が重要でないゲームが適しています。たとえば、アクションなら2Dグラフィックの横スクロールゲームである「Terraria」や、3Dの「Minecraft」などが最適でしょう。
また、パズルゲームやシミュレーションゲームなど、ローディング頻度が少ないゲームもおすすめです。読み書き速度が重視されないため、HDDにインストールしてもプレイフィールが悪化するケースは少ないでしょう。
反対に、オンラインマルチプレイ機能があるゲームや、オープンワールドのように一度に大量のデータをローディングするゲームは、HDDに不向きです。ローディングのために時間がかかり、ストレスにつながります。
SSDへの保存がおすすめのタイトル
HDDに適したPCゲーム以外は、基本的にSSDへのインストールをおすすめします。
参考として、以下に人気PC ゲームのタイトルとそれぞれの必要最低ストレージ容量を記載します。
- Apex Legends: 22GB以上
- ファイナルファンタジーXIV: 60GB以上
- Fortnite: 30GB以上
- 原神: 50GB以上
- サイバーパンク2077: 70GB以上
上記からわかるように、人気タイトルのインストールには数十GBのストレージ容量が求められます。なお、「ARK: Survival Evolved」をはじめとするAAA級タイトルは、ゲームの本体だけで200GB以上必要です。
PCゲームの最低必要ストレージ容量から考えると、最低でも1TBのストレージ容量は欲しいところです。
まとめ
PCゲームのストレージにはHDDとSSD、2つの選択肢があります。HDDは大容量かつ容量あたりの単価が安いため、大量のデータを保存するのに適していますが、読み書き速度が遅いのが難点です。
一方、SSDは高速な読み書き速度が特徴で、ゲームのロード時間の短縮が期待できます。パフォーマンス重視のゲーミングPCでは、もっとも適したストレージといえるでしょう。ぜひ参考にしてください。
その他、ビギナーズではゲーミングPCの性能や入手方法を徹底解説している記事や、おすすめのゲーミングモニターを紹介している記事もあります。こちらも、ぜひチェックしてくださいね。
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ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター
ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター