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初心者でもわかりやすく囲碁の基本ルールや上達方法を解説
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
囲碁は簡単にいうと陣取りゲームですが、昔の有名な武将たちが戦略を練るためにたしなんできた奥の深いゲームです。盤面も広く、一手が大きくゲームの流れを変えてしまいます。
しかし奥が深い分、いきなり始めるには難しい印象もあります。最初の頃はゲームを観戦していても、どちらが勝ちどちらが負けているのかさえわからないかもしれません。
「囲碁って面白そう」「どんなゲームなんだろう?」と少しでも興味を持ったら、それは囲碁の世界への入り口です。まずはルールを知るところから始めてみてください。
少しでもルールを覚えれば、人と対戦できます。そして実際対戦することにより、囲碁の面白さを知っていくことができるでしょう。この記事では、囲碁の初心者を卒業するまでに必要な基本情報をお伝えします。
目次
囲碁の道具と基本のルール
まずは、囲碁の基本のルールと囲碁に使われる道具の種類を紹介します。
囲碁に使われる道具の種類
囲碁をするにあたって必要なものは、碁盤、碁石、碁笥(碁石を収納する器)です。囲碁の大会になると、持ち時間を計るための対局時計も必要になります。
プロや上級者が使用する正式な碁盤は19路盤といい、縦に19本、横に19本の線が引かれています。その交差する361の点に、白と黒の碁石を打ちます。
初心者に19路盤はあまりに広すぎて、勝っているのか負けているのかわからないことも少なくありません。そのために碁盤は9路盤、13路盤、15路盤、19路盤の4種類があります。
9路盤の9は、縦に9本、橫に9本の線の数のことです。13路盤、15路盤も同様です。最初は9路盤から始めて、ルールがわかってきたら少しずつ碁盤を変えていくとよいです。
囲碁を始めるからといって、最初から足つき碁盤などの高額な道具をそろえる必要はありません。
折りたためる碁盤は手頃な価格で手に入れることができ、ルールを学ぶまではインターネット上の無料囲碁ゲームなどを試すこともできます。
囲碁は陣地の広さで決着
囲碁は簡単にいうと「陣取りゲーム」です。白と黒の碁石を交互においていき、お互いの陣地の広さがハッキリしたらゲームが終了となります。
お互いの陣地は「地(じ)」と呼ばれ、終局した後は整地をして、地を数えやすいように碁石の場所を移動します。そして自分の陣地の広さを計算します。
陣地の広さは自分の陣地の中にある線と線の交点の数を数えます。この交点ひとつを「一目(いちもく)」といいます。
たとえば黒の目が31目、白の目が30目の場合、黒の1目勝ちです。
石は相手に囲まれると取られる
どのように陣地を広げていったらよいかというと、一つは相手の石を取る方法があります。例えば白石が一つ置かれていたとして、その四方を黒石で囲めば真ん中に置かれている白石を取ることができます。
「石のまわりを囲ったら取ることができる」というのは、囲碁を始めたらまず最初に覚えたいルールです。
取った相手の石は「アゲハマ」といい、最後に整地をして地を数えるときに相手の地に置いて埋めることができます。つまり相手の地を一つ減らすために使えます。
わかりやすく石一つの取り方を例に挙げましたが、実際は地の取り合いになります。自分の陣地が囲まれそうになったら、「呼吸点」という石に囲まれていないところを作り出さなければいけません。
呼吸点が残っている石は「生きている」と表現され、自分の陣地として確保することができます。
石を打てる場所のルール
基本的に碁盤の交点に、好きなように碁石を打つことができます。しかし石を打つことができない場所が発生することがあります。石を打てる場所のルールを覚えておいて下さい。
覚えておきたいのは以下の2点です。
- 石を打ったときに1個以上の呼吸点があれば、打つことが出来る
- 呼吸点がない場合でも、石を打つことにより相手の石を取れるのなら打つことができる
呼吸点というのは、石に囲まれていないところのことです。たとえば黒石が、四方の交点を白で囲まれて取られてしまったとします。
その四方を白で囲まれた交点に、再び黒石を置くことができるでしょうか。そこには呼吸点がありません。だから置くことができないのです。
またコウのルールというものを覚えておく必要があります。これは石を取られたときに、同じ形ですぐに取り返してはいけないというものです。
なぜなら取られた石を同じように取り返していたら、無限に同じ形が続いてしまい勝負がつかないからです。
コウになってしまった場合には、別の場所に石を打ってから再度コウ争いをします。このように一手他の場所に打ってからコウを取ることを、コウダテといいます。
マナーを守って対局をする
人と対局するには、マナーはとても大切です。囲碁は昔から「棋道」と呼ばれ、品位や礼儀を尊んできました。
初心者がまず身につけるべき対局中のマナーは、下記の通りです。
- 対局の始めと終わりに挨拶をする
- 「待った」はしない
- 対局中のおしゃべりは避ける
- 碁石は中指と人差し指で挟むように打ち、碁笥から石を取る時はできるだけ音を立てない
マナーというのは、相手に不愉快な気持ちをさせないためにあります。そのため相手の思考を妨害するためにわざと不作法な音を出したり、観戦中に橫から口出ししたりすることもマナー違反にあたります。
対局中は相手に対してフェアな勝負をしましょう。
囲碁の初心者がルールを覚えるコツ
囲碁を始めようと思ったら、覚えなければならないことがたくさんあります。それらのルールを覚えるのにどのような近道があるのかみていきます。
入門書や日本棋院の公式サイト
何事でもまず学ぼうと思ったら、王道から入るのが近道です。まずは入門書や日本棋院の公式サイトを眺めてみてください。
囲碁の入門書もたくさん出ているので迷うかもしれませんが、日本棋院が出版しているものなら間違いはないでしょう。ルールやマナーから解説されているものが、初心者向けにはベストです。
入門書や日本棋院の公式サイトから学ぶ利点は、自分のペースで知りたいことをピンポイントで調べられることです。
「何も知らないまま、囲碁教室やゲームするのは難しい」と思ったら、必要な知識をまず書籍などから手に入れましょう。
囲碁教室に通って教えてもらう
知識を手に入れる他に、対局を楽しみたいと考えるのなら囲碁教室に通うとよいです。基本的なルールを知ることができる他に、有段者から指導を受けたり同レベルの人たちと打つことを楽しんだり出来ます。
囲碁教室も教室によってさまざまです。個人で教室を開いているものや、日本棋院の各支部が開いているものがあります。
中には通わない月は月謝が0円の教室もあります。教室によってレベルや指導の仕方が異なるので、もしも無料体験等があるのならば自分に合っているか試してみることをおすすめします。
囲碁のゲームでルールを覚える
「ヘボすぎて、人と打つのはまだ恥ずかしい」「対戦相手に迷惑をかけそう」。対局してみたいけれどそんな不安があるのなら、囲碁のゲームでルールを覚えてみてはいかがでしょうか。
アプリやブラウザを使った囲碁のゲームは、初心者から有段者向けまで幅広くあります。初心者の場合、まずは9路盤など小さいサイズの盤から始めることをおすすめします。
日本棋院からも、無料で楽しめる「囲碁アイランド」や、ストーリー性のあるゲームでルールから学べる「張栩の黒猫のヨンロ」などが出ています。日本棋院のスマホアプリは日本棋院が普及のために力を入れているものなので、入門者から気軽に使うことができます。
これらで大まかなルールを覚えたら幽玄の間アプリでネット対局をして実力をつけていきましょう
囲碁の初心者から中級者を目指すには
マナーやルールを覚えるという初心者の段階を卒業し、その次のレベルに進むにはどうしたらよいのでしょうか。戦略の立て方や定石についてみていきます。
布石を使いながら戦略を立てる
9路盤からスタートした初心者も、ルールを覚えて行くにつれ13路盤、15路盤、19路盤と広い盤面を使いこなせるようになってきます。
どの場所で陣地を広げたいのか、盤面が広がるほど考えながら布石を打つ必要が出てきます。安全安心をとって陣地を狭くしてしまうと中盤以降苦しく、逆に広げすぎると相手にその隙をつかれてしまいます。
実際の石の取り合いを始めるのは、中盤以降です。それまでに中央を目指して少しずつ地を広げられるように石を打っていきましょう。
囲碁の定石を覚える
対局するようになってなかなか勝てない場合、悪手をついつい打ってしまっていることがあります。もしもそれをいったん見直したいのなら、定石を覚えるとよいです。
定石を覚えることには良い点と悪い点があります。良い点としては、一つの形を覚えることで一カ所で始まった戦いがどのように進み、どちらか勝つのか読みやすくなることです。また悪手が減ります。
逆に悪い点としては、定石に縛られてしまうことが考えられます。
初心者の段階なら、定石を覚えておくと勝ちやすいです。しかし実力が上がるにつれて、定石に縛られない打ち方を心がけていきましょう。
実力に合った練習問題を解いていく
相手の石を取ることができると、「囲碁って楽しい」と感じることができると思います。しかし、囲碁は石を一つ取ったから勝負に勝てるわけではありません。
その石がおとりで後でごっそりと石をとられてしまうことがあります。だからこそ戦略的に勝つことができておもしろいのです。
詰め碁というのは、ある局面を切り取ったパズルのようなもので、必ず勝てる必勝法があります。そしてそれを見つけ出すことにより実力がつきます。
問題は日本棋院の公式ホームページや本のほか、新聞などでも詰め碁が掲載されています。初心者用のものからスタートして徐々に難しい問題に挑戦していって下さい。
囲碁の実力を判断する方法とは
「自分はどのくらいの実力なの?」と囲碁を学び始めてしばらく経つと思うかもしれません。そんなときに実力を判断する方法をみていきます。
日本棋院が発行する免状を取得する
通信講座やネットでの認定試験、日本棋院主催の大会の成績などで免状を所得することができます。アマチュアは25~1級、初段~8段まで分かれています。
また日本棋院の会員で初段以上を持っていると、日本棋院普及指導員の資格を得られます。これを所得していると、入門初級者等へ指導することが可能です。
免状の申請書は日本棋院の公式ホームページからダウンロードできますが、詳細は日本棋院へ問い合わせる必要があります。
実際に対局を繰り返す
アマチュアが自称している級や段位は、実際の実力と違う場合があります。なぜなら碁会所でもハンデの目安のために級や段位をつけるところがあるからです。
そのためAの碁会所では5段、Bの碁会所では7段、そしてネット碁では初段もないといわれることが起きるのです。このように免状の段位と、ネット上などでの評価に乖離の可能性があることを頭に入れておいて下さい。
もしも大会などに出る際に棋力を伝える必要があるのなら、碁会所などで囲碁大会に出場している人に「○○の大会に出たいのですが、何級で申請したらいいですかね?」というように聞いてみるのが一番です。
自分の実力を知るためにも、実際にいろいろな人と対局するとよいです。
初めは誰でも初心者だから囲碁を楽しもう
囲碁のプロもはじめは初心者です。将棋よりも盤面が広いため、打つことができる石の形はそれこそ無限に近いほどあります。
まずはマナーやルールを覚え、先生から指導碁を受けたり同レベルの人との対戦を繰り返してみてください。最初はうまくいかずに負けてばかりかもしれませんが、詰め碁などの問題を解くなど自分が上達していくのを感じることができます。
いまではネットを通せば全世界の人と対局できます。囲碁を楽しむ気持ちを大切に、どんどん対局をしてみましょう。
ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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