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ジャズ音楽で使用される楽器とは?種類や演奏方法まとめ
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カフェやバーで流れているイメージの強いジャズミュージックですが、どのようにして誕生した音楽ジャンルかご存じでしょうか?
19世紀頃のアメリカの情勢が色濃く反映されているジャズには、当時の人々の苦しみや悲しみが取り入れられた「主張曲」としても有名です。
今回はそんな歴史深いジャズミュージックに注目してみたいと思います。
「ジャズの音色を奏でているあの楽器は何?」という楽器の種類の説明はもちろん、良い音色を出すことができる演奏テクニックについてもご紹介します。
そもそも「ジャズ」ってどんな音楽?
ジャズと一言でいっても、メインで使用する楽器によってさまざまな特色を見せてくれることから、つかみどころのない音楽というイメージもあります。
流れるようなリズムに安心感のある低音、そしてどこか色っぽくもあり悲しそうでもある楽器の音色は、ジャズを代表するリズム感といっても過言ではないでしょう。
ジャズはアメリカが発祥と言われていますが、現在では日本をはじめ世界中で演奏されています。
ジャズの音色に欠かすことのできない「トランペット」「サックス」「ピアノ」などの楽器は、クラシックミュージックなどジャズ以外の音楽ジャンルでも一般的に使用されることの多いものばかり。
同じ楽器であるのにも関わらず、なぜジャズミュージックは特有の音色やリズムを持つのでしょうか?
それはジャズ特有の楽器の演奏方法や演奏スタイルにあり、特にジャズミュージックにおける「アドリブ演奏」はジャズならではの雰囲気を作るのに役立っています。
カフェやバーなどでもBGMとして流れることの多いジャズは、今や世界的な音楽ジャンルとして広く知られています。
ジャズの歴史
19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカ合衆国南部にあるニューオリンズで誕生したといわれているジャズミュージック。
ジャズミュージックの発祥には幾つか説がありますが、確実にいえることは「ニューオリンズにはさまざまな人種が集まっていた」ということです。
欧州から移住した人々に黒人・さらに奴隷としてアフリカから強制連行された人々が集まっていたことから、当時のニューオリンズでは「新しい文化が生まれやすい環境」であったことが伺えます。
そのころのアメリカでは、過酷な労働を強いられていた人々の主張の場として音楽が奏でられ、やがてブルースへと発展していきます。
それに加え、ニューオリンズに住んでいたアフリカ系アメリカ人の独特のリズム感覚と彼らの民俗音楽が合体し、ニューオリンズでは西洋楽器を用いて街頭演奏を行うバンドが急増!
ジャズが誕生した歴史的背景には、こうしたニューオリンズの多種多様な人種や文化が融合していると考えられています。
ジャズにはどこか悲しそうに聞こえるパートも少なくありませんが、アメリカ社会の黒人差別や過酷労働がジャズの誕生につながっていることが少なからず関係しているのかもしれません。
歴史に名を刻むような有名ジャズ音楽家たちの顔ぶれを見てみると、黒人が目立つことからも、ニューオリンズとジャズの関係性が深いと想像することができます。
名だたる演奏者も「差別と闘いながら演奏してきた」という事実に想いをはせてみると、いつもとは違った目線でジャズミュージックを感じることができるのではないでしょうか。
ジャズで使われる楽器の種類や演奏方法は?
ここでは、ジャズミュージックにおいて欠かすことのできない楽器の種類や演奏方法についてまとめています。
トランペット
トランペットの迫力あるサウンドは、聞いた途端に「トランペットだ」と気がつくほど印象的な音色を持っています。
金管楽器の中でも存在感ある高音を出すことができるトランペットは、ジャズには欠かすことができないメイン楽器といっても過言ではないでしょう。
「ジャズの歴史はトランペット演奏者が作り上げてきた」と言われることもあるほどに、ジャズミュージックにおいてトランペットの立ち位置は重要なものになっています。
トランペットは、自分の唇を振動させることによって音を出します。
息の出し方によって音の高さが変わるため、初心者にはマウスピースのみを使用した練習方法が度々紹介されることも。
息の通り道を変える「ピストンバブル」はトランペットの音色を出すのに欠かせない重要パーツで、ボタンの組み合わせによってさまざまな音を作ります。
サックス
サックスは、1840年、ベルギーの「アドルフ・サックス」が発明した楽器。
ジャズといえば、真っ先にサックスが思い浮かぶという人も少なくありません。
それほどサックスはジャズミュージックの花形楽器であり、最もジャズらしい楽器といえるでしょう。
サックスの種類には「ソプラノ」「アルト」「テナー」「バトリン」の4つがあり、特にテナーとアルトはジャズらしい音色を出すのに欠かすことができません。
アルトサックスの音色は女性の声色に近いといわれていて、すっと耳に入ってくるのが特徴的。
低音がセクシーなテナーはジャズの雰囲気を出しやすく、耳に残りやすい重厚感と安定感を演出してくれます。
演奏方法によってクラシック寄りになったりジャズっぽくになったりするため、ジャズ感を出すためには「裏拍(1・2・3・4とリズムを取る中の2・4)を強調すること」「音の終わりを舌で止める」などといった演奏のポイントをしっかりとおさえておく必要があるでしょう。
ピアノ
ジャズミュージックだけに限らず、多方面のジャンルで活躍しているピアノ。
「小さなオーケストラ」と呼ばれることもあるピアノは、あらゆるジャンルの音楽性を奏でることができるオールマイティーな万能楽器です。
ピアノが主役となるジャズミュージックもあれば、トランペットやサックスなどの脇役として活躍することもでき、リズムを主導することによってジャズらしいサウンドに仕上げてくれる楽器です。
演奏方法はご存知の方も多いと思いますが、鍵盤をリズミカルに叩くことでジャズ特有の美しい音色を奏でることができます。
その他のジャンルでは「楽譜を見ながら演奏する」ことがほとんどですが、ジャズシーンにおいては基本的に「楽譜なし」で演奏するのがジャズピアノ。
ジャズピアノは、メロディーとコードが記してある基本的な楽譜だけを見て、それをベースにして適当にアレンジすることも珍しくありません。
即興的に演奏をするのが特徴的なジャズピアノの演奏ポイントは、最初の音色を優しく引きずって弾くことでしょう。
これは「スイング」とも呼ばれている弾き方で、楽譜に書かれている8分音符を全てスイングさせて弾くことでジャズっぽさが出ます。
ウッドベース
ジャズミュージックの要ともいわれている「低音サウンド」には、ウッドベースの存在が絶対的に必要です。
ロックやポップスなどで使用されるエレキベースとは異なり、ジャズのウッドベースは弓を使用したり弦を指で弾いたりとさまざまな弾き方ができます。
弓を使って演奏する「アルコ奏法」は雄大な音が魅力的ですし、指で弦を弾く「ピチカート奏法」はジャズらしい滑らかな音色や低音を堪能することができる演奏方法ともいえます。
ウッドベースは楽器自体が大きいため、ベーシストの体格によっては弾きにくさを感じることもあるでしょう。
スキルアップを目指しているのであれば、自分の手の大きさに合わせたウッドベースのチョイスが大切になってきます。
ドラム
音楽にリズム感を与えてくれるドラムは、楽器の中で特別な存在感を持っています。
ジャズドラムの面白いところは、ドラムが指揮者に代わってテンポを定めているところ。
指揮者のいないジャズミュージックでは、ドラムのビートやテンポを頼りにして、他の楽器が音を合わせています。
こうしてジャズ演奏が成り立つことからも、ジャズミュージックにおいてドラムの立ち位置は中心的なものとも言えるでしょう。
そしてジャズで主に活躍するのが、1番低い音を出すことができる「バスドラム」、リズムをリードする「スネア」、シンバルの「ハイハット」など。
ロックやポップスではスネアやバスドラムなどの音色が中心になりやすいのですが、ジャズドラムはシンバル系がメインとなって音色を作ります。
ジャズドラムの基本的な演奏方法は、曲の拍には合わせず「2拍と4拍の裏刻み」に加えて、ハイハットの音をしっかりと出すことが重要です。
「基本の音源を抑えつつ、あとは楽譜にないアドリブ演奏で自由に音を奏でる。」これはドラムだけではなく、さまざまなジャズ楽器の演奏方法として共通している特徴ともいえるでしょう。
ジャズで使用される楽器を試してみよう!
いかがでしたでしょうか?
ジャズが誕生した歴史的背景には、人種差別や過労働などの問題が隠されていたなんて驚きですよね。
今でこそおしゃれな音楽ジャンルとして定着しているジャズミュージックですが、昔は生活の中で感じる悲しみや苦しみを表現する一つの手段として利用されてきたジャズ演奏。
現在のジャズミュージックでは「こうあるべき」と決められた演奏方法ではなく、ジャズの基本的なリズムやルールをベースに、楽器同士のアレンジ演奏を楽しむことができる音楽へと変化しています。
「ジャズに挑戦してみたい!」という人も少なくありませんが、実際は演奏方法が難しそうという理由から断念してしまう人も少なくありません。しかし、そういった時はもう少しジャズに触れてみると気持ちが変わるかもしれませんよ。
こちらの記事ではジャズの名曲7選を紹介しています。ぜひ聞いてみてくださいね。
白根 鮎美 /
ビギナーズ編集部 ライター
独学で英語を勉強後、オーストラリアでは幼児教育の専門学校で勉強。帰国後は子ども英会話教室にて1歳から高校生への英会話を指導していました。また、サーフィン歴は10年以上、海を愛する2児のママサーファー。