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望みの音色が出せる!ホルンの3つの選び方
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ホルンと一言でいっても、実は色々な種類があります。素材によって音色が変わるのも特徴です。
素材による変化は奏者にも感じられるほどで、「イエローブラスからゴールドブラスに変えたら自分好みの音色になって嬉しい」といった感想も出ています。
今回はホルンの素材や選び方についてまとめました。「とりあえずホルンを買ってしまったが、用途に合わなくてショック」……という悲劇を避けるためにも、素材による違いなどを知っておくとよいでしょう。
ホルンの素材による違い
この章ではホルンの素材についてご紹介します。ホルンはそもそも耐久性の高い真鍮(しんちゅう、英語でブラス)で作られています。その真鍮を形成している素材の比率を変えることで音色を変えているのです。
最近はプラスチック製のホルンもありますが、主流は真鍮製のホルンです。真鍮よりも更に耐久性の高い洋白(ようはく)と組み合わせているホルンも増えました。
値段的には真鍮や洋白のホルンが高く、プラスチック製は安い傾向があります。
イエローブラス
音色 明るい音色、張りのある音色
材質 銅70%・亜鉛30%
ハリのある音色が好きな人におすすめです。屋外コンサートやマーチングといった、音が通った方がよいシーンで活躍します。
ゴールドブラス
音色 豊かな音色、柔らかい音色、暖かみのある音色
材質 銅85%・亜鉛15%
非常に優しい金色です。見た目通りに柔らかい音色が表現できます。室内でのアンサンブルなどにピッタリです。
洋白
音色 重厚な音色
材質 洋白(銅+亜鉛+ニッケルの合金)
洋白は摩耗に強く、錆(さび)にも強いです。そのため、ゴールドブラスやイエローブラスのホルンでも、抜差管などの劣化しやすい部分には洋白が使われることが多くなりました。そのため、銀色と金色が混じっているホルンを見かけると思います。
たまに全て洋白で作られた「シルバーホルン」も見かけますが、全体が銀色で美しいです。他の材質よりも重厚な音が出ます。
プラスチック
音色 軽い音色
材質 プラスチック
近年、プラスチック製のホルンが誕生しました。ロータリー部分が堅いことがありますが、「軽い」という魅力があります。プラスチック製なので10万円以下で手に入ることや、丸洗いできることもポイントでしょう(水抜き等の手入れは必須)。
音色は軽いです。豊かな音色や重厚な音色が好きな人には物足りないかも知れません。
ホルンの選び方
ホルンの選び方には、いくつか基準があります。先ほどお伝えしたように、材質によって音色が違いますので、材質で選ぶのも一つの手です。その他にも金額などの選択基準がありますので、いくつか選び方の基準をご紹介します。
自分が所属したい楽団に合わせる
学校のブラスバンド部や市民楽団など、初心者歓迎の楽団は多いです。吹奏楽の主流はF/Bbフルダブルホルンですが、音楽グループによってはシングルホルンを主に使っている場合もあるでしょう。
先輩方のホルンに合わせておけば、話が合います。購入する前に所属したいブラスバンドや楽団に相談してから同じタイプのホルンを買うと安心です。
「初心者ですがどのホルンがいいですか?」と聞くと、ほとんどの場合YAMAHA(ヤマハ)のホルンを進められます。音程がとりやすく、扱いやすいからです。特にヤマハのYHR-567は初心者向けで値段も30万円程度なのもあり、人気モデルとなっています。
金額で選ぶ
「音色で選びたくとも、高すぎて買えない……」ということもありますよね。金額は大事です。この項目ではホルンを値段別にご紹介します。
10万円未満のホルン
プラスチック製ホルンはほぼ10万円以下です。少々扱いにくく、音が軽いというネックがありますが、本体が軽いのが魅力的です。
しかし、プラスチック製以外にも10万円以下のホルンはあります。真鍮製のホルンが主流ですので、後々は本格的にホルンをやって行きたいなら真鍮製の方がよいでしょう。
最近は楽器の制作技術も向上しているため、低価格ホルンでも驚くほど音が良いですよ。
10万円~20万円未満のホルン
10万円台になるとホルンの作りもしっかりしてきます。ケースやお手入れ道具などがおまけでつくことが増えるのも嬉しいですね。ケースはセミハードケースがおすすめです。
10万円を超えると選択の幅が広がります。ヤマハのホルンも中古なら10万円台で買えることもありますよ。
20万円~30万円未満のホルン
JohnPacker(ジョンパッカー社)などのフルダブルホルンが20万円台で買えます。シングルホルンならHolton(ホルトン)やヤマハも20万円台で購入可能です。
先ほどご紹介した初心者向けでもある人気モデルYHR-567もギリギリ20万円台で買えることがあります。
30万円~40万円未満のホルン
ヤマハの大人気モデルYHR-567とYHR-567Dが30万円台に並びます。ちなみにYHR-567とYHR-567Dの違いは、YHR-567Dはベルの部分が外れるデタッチャブルというだけです。
ジュピターなどの楽器ブランドのホルンも、この金額帯なら買えることがあります。
50万円~60万円未満
50万円以上の予算があれば、ヤマハのシルバーホルンやHolton(ホルトン)のフルダブルホルンが購入できます。
高級感あふれるホルン本体は美しいですし、音も重厚さや豊かさに溢れています。
60万円~100万円未満
高級ホルンが並ぶ世界です。カスタム系のホルンが購入できます。ヴェンツェルマインルのホルンはレバーの調整ができますし、プロのリペリアン(専門職人)による調整も付きます。
ヤマハもこのレベルになるとカスタムホルンとなり、一つ一つのパーツにこだわりが光ります。音はもちろん「素晴らしい」の一言。初心者向けではなく、中級者から上級者向けのホルンです。
この金額になるとトリプルホルン(「F(エフ)管」「B♭(ベー)管」「High F管」の全てが一つになったホルン)が多いです。受注生産式となり、限られた人しか使わない領域となります。音色は最高レベル。ただし扱いやすいわけではないので、初心者向けではありません。
まとめ
今回ご紹介したホルンの選び方の基準は以下の3つです。
- 素材
- 所属楽団
- 金額
高級なホルンはパーツごとに繊細に作られており、素晴らしい音色が出るようになっています。しかし、初心者が最初に高級ホルンを買っても、その良さが引き出せるわけではありません。
ヤマハのYHR-567やYHR-567Dのような扱いやすいホルンの方が初心者は良い音が出る可能性が高いです。
素材や金額を考慮しながら、ベストのホルンをお選びください。
ホルンを収納するケースをこちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
宮乃 かぽり /
ビギナーズ編集部 ライター
フリーライター兼イラストレーター。学生時代は吹奏楽部に所属し、楽器の数などの都合で金管楽器をほぼ経験しました。現在は音楽、ヒーリング、占い、フラワーアレンジなど趣味多彩。チャレンジ精神豊富です!