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ボクシングのルールと勝敗判定とは?|初心者にもわかりやすく解説
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格闘技の世界、その中でもボクシングはとくに人気の格闘技です。
テレビでも試合が放送されているので、目にする機会もあるのではないでしょうか。
しかし、実際の経験者でない場合、きちんとしたルールを把握していないという人もいるかと思います。
この記事では、そんなボクシングをもっと楽しむために、試合のルールについて解説していきます。
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- ボクシングの基本的なルール
- ボクシングの勝利の判定方法と採点方法
- ファウル(禁止行為)に関するルール
目次
ボクシングの基本的なルール
まず、ボクシングの基本的ルールとはどんなものなのか、試合や階級についてなど、詳しく説明します。
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階級
ボクシングには、ミニマム級、ライト級、ヘビー級など、公平に選手同士が戦うための「階級」というものがあります。
できるだけ同じくらいの体重の選手同士が戦うことが、ルールとして定められているのです。
相手を拳のみで攻撃するスポーツ
ボクシングでは、左右の拳以外で相手を攻撃してはいけません。
キックなど脚を使ってはいけないのは有名だと思いますが、上に挙げた拳だけというルールに加えて、攻撃してよい範囲も定められています。
狭い範囲の中で急所をどう攻撃するかが肝なのです。
顔周りだと、目、眉間、鼻、アゴ、こめかみ、身体だと喉や心臓、みぞおちなどが急所として挙げられます。
勝利を勝ち取るためには、それらを的確に打つことが求められます。
他の格闘技は全身を使ってよいのに比べて、ボクシングはとても制限の多い格闘技といえます。
だからこそ、高い技術を持った選手の攻撃とその攻防など、ボクシングの試合には見るべき箇所がたくさんあって面白いのです。
ラウンドについての基礎知識
ボクシングは、ランク、また選手の年齢と性別でも、戦うセット数「ラウンド」が違います。
ボクサーの実力に応じて6回戦、8回戦、10回戦と上がり、日本タイトルマッチの場合は10回戦あります。
東洋太平洋(OPBF)、WBOアジアパシフィックや世界タイトルマッチ(WBA、WBC、IBF、WBO)に関しては12回戦も行われます。
1ラウンドは3分で、各ラウンドの間に1分間のインターバルが入るルールです。それを4セット行う試合を4回戦と呼びます。
女子ボクシングの場合、1ラウンド2分、インターバル1分というルールに乗っ取って試合が行われます。
世界タイトルマッチ(WBA、WBC、IBF、WBO)は10回戦で、それ以外は男子とほぼ同じルールです。
ジャッジについて
勝敗の決定方法は大きく分けて、判定決着へ持ち込まれるか、相手が倒れるKO(ノックアウト)の2つです。
試合中にKOが出なかった場合は、判定決着となります。
リングサイドにいる3人のジャッジが、ラウンドごとに10点満点の減点法で両者にポイントを振り分けて、多数決により勝敗を決定します。
試合の出場基準がある
プロのボクサーとして試合に出るには、ライセンスを取得する必要があります。
資格の取得ができるのは17才以上、36才までという決まりがあり、37歳になるとその取得したライセンスは自動的に失効されます。
ただし、日本タイトル以上の王座保持経験者、世界挑戦経験者、JBCが認める団体(OPBF、WBA、WBC)のランキングが15位以内の選手は、ドクターの診断によっては37歳以上でも試合に出場することができます。
身体能力でいうと、視力においてボクサーは裸眼で0.3以上、新人ボクサーの場合は0.6以上が必要です。
素早いパンチから体を防御し、また自身も的確なパンチを繰り出して相手を攻撃するにあたって、一定以上の視力はとても重要なのです。
加えて外見的な面に関しても、日本ボクシングコミッションの公式ルールによると、「試合の進行の妨げとなる恐れのある負傷、長髪、髭及びその他の観客に不快の念を与える風体の者は、試合に出場できない」と記されています。
ボクシングの勝利の判定方法と採点方法
勝利の判定とその判定における採点は、どのように行われているのか、その基準と方法について説明します。
KOで判定
パンチを受けた相手が、倒れてから10カウント以内に立ち上がることができない場合、これをKOと呼びます。
昨今は、倒された選手が10カウント以内に試合の続行を希望したとしても、レフェリーにダメージが深刻であると判断された場合は、試合をストップする場合が多く見られます。
現代では、選手の安全が重要視されているのです。
TKOになった場合
TKOとは、「テクニカルノックアウト」を意味する言葉です。
レフェリーやドクターが試合の続行が不可能と判断して、勝敗が決まることをこう呼びます。
ボクサーが負傷して試合を続けることができなくなったり、片方のボクサーが一方的に攻撃を受け、レフェリーがこれ以上続けると危険であると判断した場合は、TKOとなり試合は終了です。
最近はボクサーの健康状態を考えて、レフェリーが早めに試合を止めることが増えたため、TKOによる決着が増えています。
ファウル(禁止行為)があった場合
危険を伴う競技だからこそ、とても厳しいルールが細かく定められているのがボクシングです。
特に相手の致命的な怪我につながる行為や、ルール外のずるい打撃行為などは反則となり、レフェリーから警告を受けます。
プロボクシングでは、警告を受けることは「減点」の対象となります。
警告を受けたにも関わらずやり続けた場合や、そのほかの理由などにより「悪質である」と判断された場合は、失格負けとなることもあるのです。
試合が台無しになってしまったり、今後の選手生命にも関わる怪我などを避けるため、ボクシングではしっかりしたルールと、レフェリーの判断が求められます。
禁止行為の具体例については後述します。
ジャッジの判定で決める
ジャッジの判定は次の通りです。
両選手の差がない場合
判定は3人のジャッジが各ラウンドで採点を行います。
10点満点の減点方式です。差がない場合は10対10で引き分けとなります。
どちらかが有利の場合
どちらかが有利だった場合は、10対9で得点の多い選手の勝利になります。
ダウンした場合の判定
試合中、相手の攻撃により足の裏以外を地面につけてしまう状態を、「ダウン」と呼びます。
そして、その「ダウン」も判定に大きく関わります。
1度ダウンをした場合は、10対8となります。
2度のダウン、またはKO寸前の場合は10対7と判定され、もちろん得点の多い10ポイントの選手が勝ちとなります。
WBAでは3度ダウンした場合「3ノックダウン制」の制度により、その時点でKO負けが決まります。
また、他の団体の「フリーノックダウン制」でも、3度のダウンが起きるような一方的な試合が展開されている場合、大抵はレフェリーの判断によりTKOとなり、試合は終了となります。
引き分け
ジャッジの判定によって両選手の試合内容が互角とみなされた場合は引き分けです。3人の判定内容によって、その引き分けにも3種類あります。
1つ目は、3人のジャッジの採点がすべて引き分けだった場合です。
全員一致のドロー「ユナニマスドロー」となります。
2つ目は、判定が1−0で、1人のジャッジが一方の選手を優勢と判断していても、他の2人が引き分けと判定した場合です。
過半数のドロー「マジョリティードロー」となり、こちらも引き分けです。
3つ目は、2人の採点で別々の選手が優勢と判定された1−1の場合です。
残り1人の判定が引き分けと判定したときも引き分けです。「スプリットドロー」と呼ばれます。
判定の基準
では、レフェリーは何を基準に判定しているのでしょうか。
採点基準は一番わかりにくく、曖昧な部分でもありますが、大きく分けて4つのポイントがあります。
深いダメージを与えたか
一番重要視されるのは、パンチで相手にどれだけ大きなダメージを与えられていたかという点です。
有効なパンチをどれだけ相手に繰り出せたかということになります。
攻撃的な戦いをしたか
いかに攻撃的な戦いをしていたか、という点も評価の基準となります。
有効なパンチを繰り出す際に、いかに積極的に攻撃を仕掛けられたかが、重要な判定のポイントとなるのです。
しかし、パンチを伴わないただの前進は、積極的には見えるかもしれませんが、評価されません。
ディフェンスの技術が高かったか
どれだけ自分のディフェンス技術を駆使して、相手からの攻撃を防いでいたかも評価の基準となります。
しかし、防御が自分の攻撃に結びついていない場合は評価されないので、ディフェンスをどうにか攻撃につなげることが重要となります。
試合態度と主導権
試合中の態度も判定に関わってきます。
リングジェネラルシップといって、どちらの試合態度が堂々としていたか、戦術的に優勢であったかを見られます。
試合運びなど、試合の主導権をどちらが握っていたかという点も、忘れてはいけない判定のポイントとなっています。
ボクシングの階級
先述しましたが、ボクシングには階級があります。その階級について説明します。
男子の階級について
現在、階級は体重別、17個に分かれています。
男子の場合、一番軽いミニマム級は47.62キロより軽く、一番重いヘビー級は90.72キロ以上の選手と決まっています。
日本人男子の選手は、スーパー・バンタム級(55.34キロ)、フェザー級(57.15キロ)、スーパー・フェザー級(58.97キロ)の3階級に属する選手が多いです。
女子の階級について
女子ボクシングも、同じ17個の階級に分かれて試合をしています。
一番軽いのはアトム級で46.26キロ以下です。
一番重いのはヘビー級の、79.38キロ以上と定められているクラスです。このクラスにも、男子と同じく体重の上限はありません。
日本人女子の選手は軽量級の選手が比較的多く、アトム級からスーパー・フライ級(52.16キロ)までのクラスの選手が多いようです。
ファウル(禁止行為)に関するルール
細かいルールが定められているボクシングですが、禁止行為とは一体どのようなものなのでしょうか。詳しく説明していきます。
決められている場所以外への攻撃は禁止
ボクシングでは、身体はトランクスの“ベルトライン”と呼ばれる部分より上への攻撃、つまり上半身は許されます。
ベルトライン以下のへ攻撃は反則です。
この反則は「ローブロー」と呼び、数ある反則の中でも比較的多く見られます。
頭部への攻撃が許されているのは、前頭部と側頭部のみです。
後頭部を打ってしまうと反則になり、この攻撃は「ラビットパンチ」と呼ばれます。
グローブの垂直部分での攻撃をする「ナックル」や、手の甲での攻撃、体を回転させながら攻撃する「ピボットブロー」も反則です。
ダウン中に関する反則も定められています。
ダウンしている相手を追加で攻撃したり、相手の選手がダウンから完全に立ち上がるのを待たずに攻撃をすると、これは反則と捉えられます。
ダウンした選手やダウンから立ち上がろうとする選手は無防備です。
そこへの間髪入れない追撃は、危険行為と捉えられ、悪質な反則だと見なされているので、注意が必要です。
同じく悪質なものとして、相手の目をグローブの親指の部分で突く、サミングという反則攻撃もあります。
この反則は、視力が選手生命に直結するボクシングにおいて、最も悪質な反則行為の1つといえるでしょう。
レスリング等の行為は禁止
ボクシングでは、限られた範囲での攻撃が求められることは説明しました。
レスリングの試合で行われるような、タックルやキックをしたり、相手に抱きついて投げ飛ばす投げ技をかけること、体を引き倒す行為も、もちろん禁止されています。
試合態度での反則
反則は、暴力など相手選手に直接的な危害を加えるものだけではありません。
試合中の態度に関する反則も定められています。
自分から寝転んで、故意にダウンをしたり、また無気力に見える態度で試合に臨むこと、試合中に相手やレフェリーに向かって暴言を吐いたりすることがそれに当たり、悪質な場合は失格となります。
ルールを守ることは、お互いに尊敬し合って試合に臨むことを示します。
どんなに有名な選手同士の試合でも、尊敬のない反則行為で試合が台無しになってしまうこともあり、その際には、しっかりとしたレフェリーの審判がとても重要です。
ルールを覚えてより楽しく観戦しよう
ボクシングは1対1で相手を倒す、というとてもシンプルなスポーツですが、そのルールはとても細かく複雑であることを理解頂けたかと思います。
ボクシングというスポーツは、ルールを把握せずとも、選手を応援することでとても盛り上がれます。
これが1つのボクシングの楽しみ方であるのは確かです。応援するだけでもスリルを味わえます。
しかし、ルールを把握しながら観戦すると、それぞれの選手の戦略や攻撃パターンなど、「ボクシング」をまた違った観点から楽しむことができるようになってきます。
何も知らないで観戦するのとでは楽しみ方が変わってくるのです。これはボクシングの魅力の1つといえます。
ハラハラドキドキさせてくれるボクシング、刺激的なスポーツですが、知識を片手にまず観戦してみませんか。
ボクシング観戦には、会場に行って臨場感を味わうのも楽しいですが、WOWOWなどのオンデマンドでも観戦できます。
ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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