更新
オーボエの基礎練習は?プロも欠かさず行う基礎練習は、上達の近道!
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
様々な有名曲で、ソロやメロディを奏でるオーボエ。オーボエを始めた方は、皆さんソロやメロディに憧れ、「早く吹けるようになりたい」と思うことでしょう。
しかし、いきなり曲の練習をするのはNGです!オーボエを上手に演奏するためには、基礎練習が欠かせません。
今回は、基礎練習が必要な理由や、オーボエの基礎練習方法についてまとめてみました。
オーボエも他の楽器やスポーツと同様に、コツコツ基礎を固めることが重要です。面倒に感じるかもしれませんが、実は上達への最強の近道なんですよ。
憧れの先輩やプロの演奏者も、必ずやっている基礎練習。ぜひ頑張ってみましょう!
目次
曲の練習の前に、基礎練習が必要な理由
いきなり曲を練習するのではなく、先に基礎を固めるのには理由があります。
音色、音程、舌の動かし方、運指など、曲にはいろいろな要素が含まれています。基礎を固める前に曲を練習してしまうと、様々な問題が絡まった糸のようにグチャグチャに。
そして、「なんだかわからないけど、うまく吹けない。どうしたらいいかわからない」という状態になってしまいます。野球に例えるなら、キャッチボールや素振りもできないのに、試合をするようなものです。
オーボエが曲を存分に演奏するために必要な技術を、ひとつひとつ分解し、攻略していくのが基礎練習。
地道な練習が、美しいソロにつながっていくのです。もちろん気分転換に曲を吹いてみるのは問題なし!
でも、決して基礎練習をないがしろにしないでくださいね。
メトロノームとチューナーを用意しよう!
楽器の他にも基礎練習のときに、メトロノームとチューナーは用意しておきましょう。
メトロノームは正しいテンポを、チューナーは正しい音程を教えてくれます。
楽器店、楽譜を扱うお店、ネットショップなどで手に入るほか、メトロノームやチューナーのスマホアプリもあるので、練習前に揃えておきましょう。
以下におすすめのチューナー・メトロノームとアプリを紹介していますので、参考にしてみて下さい。
チューナー & メトロノーム
好みに合わせて選んでみてくださいね。
オーボエのお手入れ用品
美しい音色を保つためには、日々のお手入れが重要。
基本的なお手入れ用品を備えて、必要に応じてケアをしましょう。
スワブ
楽器の中の水分を拭き取ります。練習後は必ず使いましょう。
大羽根
大羽根も、楽器の中の水分を拭き取るのに使用できます。
小羽根
デリケートなリードの表面や内部を掃除するには、小羽根を使用します。
コルクグリス
楽器を組み立てる際に、コルク部分に塗って滑りを良くします。
クリーニングペーパー
タンポ(楽器の穴を塞いでいる部分)の水分や汚れを拭き取ります。ちなみに、ティッシュやあぶらとり紙で代用しようとしてもイマイチうまくいきません。クリーニングペーパーを使うのがおすすめです。
クリーニングクロス>
楽器表面の金属部分の汚れを拭き取ります。
キイオイル
キイのサビや摩耗を防ぐために、ときどき油をさしましょう。
オーボエ用お手入れセット
必要なお手入れ用品が全て揃っている便利なセットです。最初はセットを購入し、なくなったら単品で買って補充するとラクですよ。
オーボエを練習するときに重要なテクニック
楽器を練習するとき、テクニックを意識して練習するだけで上達の速度がより速くなります。
ここではオーボエの大切なテクニックについて紹介します。
アンブシュア
アンブシュアとは、楽器を吹く際の口の形や役割のことです。野球でも、ボールを投げるときやバットでボールを打つときの手の形がとっても重要ですよね。
スポーツのフォームを口に置き換えたものがアンブシュアです。このように言われると、楽器演奏におけるアンブシュアの重要さが伝わるのではないでしょうか。
オーボエはダブルリード楽器で、口の形が全てダイレクトにリードに伝わるので、正しいアンブシュアが特に重要な楽器なんです。
口をラクにして「う」の形にし、歯がリードに当たらないように軽く唇を巻き込むのが基本のアンブシュア。顎は張る人と丸める人がいるようですが、頬を膨らませて吹いたり、唇が潰れるほど口を横に引いたり力を入れたりはしません。
アンブシュアは文章で説明するのは大変難しいうえに、口の形や筋肉などは人によって違うので、できれば先輩や先生に見ていただくのがベストです。
それが難しい場合は、オーボエの演奏や練習方法の解説動画を見てみましょう。いろんな人のアンブシュアを真似して試してみてください。
オーボエを吹き始めたばかりの頃は、アンブシュアの練習だけでも口の周りが疲れて少しキツイと思います。楽器はつけず、リードだけで良いので、正しいアンブシュアで安定した音が出せるようにしましょう。
口の筋肉は練習をしないとすぐに元に戻ってしまうので、忙しい日はリードでアンブシュアの練習だけでもしておくのがおすすめですよ!
ロングトーン
リードだけで安定して音が出せるようになったら、今度は楽器を付けてロングトーンの練習をしましょう。ロングトーンとは、その名の通り音を長く吹く練習です。
メトロノームの60のテンポで、8拍のばして吹いて、4拍休む(=2小節吹いて1小節休む)練習を、「ドー、レー、ミー、ファー、ソー、ラー、シー、ドー」と順番に続けていきます。
「それだけ!?」と思うかもしれませんが、ロングトーンは気を付ける場所がたくさんあります。以下に重要なポイントをまとめてみました。
- テンポに合わせて正確に音を出す
- 音量や音程がぶれないように音を伸ばす
- ずっと同じ音を保つ
8拍吹き終わっても、オーボエは使う息の量が少ない楽器なので、息が余るかもしれません。
その場合は、4拍休む間にしっかりと息を吐ききって、また新たに息を吸い込みます。美しく安定した音が出せるようにがんばりましょう。
タンギング
リードをくわえて息を吹き込んでも、舌がリードに当たっていれば音は出ません。舌をリードから離すと音が鳴り始めます。
このような舌を使った奏法を「タンギング」と呼びます。
タンギングの「タン」は「舌」の意味ですね。正しくタンギングをすることで、音の出始めが明瞭になったり、「タタタタタタタ……」と短い音を連続して出すことができるようになります。
ポイントは舌全体を動かすのではなく、力まず舌の先の方だけを使います。
4分音符で「ドー、ドー、ドー、ドー、レー、レー、レー、レー……」と一音ずつ上がっていく練習を繰り返します。
テンポ60から始めて、できるようになったらテンポを上げていきましょう。
ロングトーンと同じように、音の始まり、伸ばしている間、音の終わりを、美しく安定させることを意識してください。それがマスターできたらテンポを上げて、速さに挑戦していきましょう。
スケール(音階)
音階のことをスケールと言います。スケール練習とはその名の通り、音階を吹く練習です。
4分音符で「ドレミファソラシドレドシラソファミレドー」(最後の音だけ4拍のばす)と音階を吹く練習を行います。
テンポ60くらいから始めて、様々な音階でやってみましょう。初心者の方には音階が難しいと思いますので、スケール練習からは教則本を使うのがおすすめです。
指がスムーズに動くことはもちろん重要ですが、スケール練習でも、ロングトーンなどと同じように、均等な音色が出せるよう意識してください。
楽器の構造上、出しにくい音やピッチが合わせにくい音があります。そんな音でも、得意な音と同じように美しく聞こえるように、自分の音をよく聞きながら練習してみましょう。
どうしても難しい場所は、「ドーレードーレードー」「ドレードレードー」「ドーレドーレドー」と2音ずつ集中的に練習してみてください。
コツコツ練習すれば、確実に上達しますよ!
エチュード(練習曲)
エチュードとは、練習曲のことです。演奏を目的とした曲ではなく、練習を目的とした曲なので、曲ごとに「今回は速い指の動きをマスターする!」などのテーマが決まっています。
気ままになんとなく吹くのではなく、メトロノームを使いながら譜面通りに正確に吹く練習をしましょう。楽器によって重点的に練習するべき箇所が違いますので、必ずオーボエ用の楽譜を使用すること。
おすすめの教則本を紹介しておきます。
スタンダードとして長く愛されている教則本で、プロの演奏者も愛用しています。
基礎練習は、一度マスターしたらもうしなくていい?
アンブシュア、ロングトーン、タンギング、スケール、エチュードといった基礎練習は、いつまで続ければいいのでしょうか。
一度マスターしたら、もうしなくてもいいのでしょうか?
答えはNOです!
基礎練習をマスターして、曲を練習するようになっても、基礎練習は続けてください。
プロアスリートも、筋トレやランニング、フォームのチェックなどはどんなに上達しても続けていますよね。プロの演奏者も、地道に基礎練習を続けています。
大好きな曲を思い通りに演奏するために、基礎練習を続けてくださいね。
曲練習で躓いたら、基礎練習で攻略しよう
曲の練習中に「どうしてもうまくいかない、苦手だな」という場所があったら、基礎練習で攻略してみましょう。
音をのばすときに音色や音程がブレるときは、アンブシュアやロングトーン。音によって音色が変わる、運指が難しい、といった場合は、スケール、といった具合です。
基礎練習の意味を理解していれば、曲の練習で躓いたときも、どんな基礎練習で攻略できるかわかるはずですよ。
基礎練習は、最強の近道!
「基礎練習は単調、面倒、退屈、無意味!早く曲の練習がしたい!」と思っていた方は、この記事を読んで考え方が変わったのではないでしょうか。
基礎練習は、上達への最強の近道です。コツコツ続ければ、必ず曲の演奏もレベルアップします。
ひとつひとつの練習の目的を意識して、日々の練習に励んでくださいね。応援しています!
樋口千春 /
ビギナーズ編集部 ライター
映画とアートと焼餃子(皮厚め)を愛するライター兼イラストレーター。写真も少し撮る。激務な会社員時代を経て、出産後フリーに。意外となんとかなるもんだ。乙女な娘&すぐに尻を出す息子と笑い転げる日々。