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知らないと損する!自分でできるトランペットのメンテナンス
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大切に扱っているのになんだか最近綺麗な音が出ていない気がする…。そのモヤモヤ、気のせいではありません!
トランペットは定期的にメンテナンスをしないと管の様々な部分に汚れが溜まってしまい、綺麗な音が出づらくなったり、吹きづらくなったりします。
買ったばかりの時のような曇りのない音をいつでも出したいと思っている方へ、自分で簡単にできる基本的なトランペットのお手入れから、月に1回、半年に1回行いたい、セルフメンテナンス方法をお教えします!
目次
トランペットのパーツ名称をおさらい
トランペットの隅々の汚れを取るには、トランペットを丸洗いする必要があります。
複雑な構造のトランペットを正しくお手入れするために、まずはメンテナンスで必要なトランペットパーツの名称をおさらいをしましょう。
ピストンバルブはマウスピース側から1番2番3番と番号が決まっています。そして、それぞれのピストンにつながっている管を第1スライド、第2スライド、第3スライドといいます。このピストンとスライドを抜いてメンテナンスをするので覚えておいてください。
また、トランペットで一番大きい管をチューニングスライド(主管)といいます。ここにはどの音を出すときも息が通りますので、定期的にお手入れをしたいですよね。
トランペットを演奏していると溜まっていく水分を抜く、ウォーターキー(つば抜き)も汚れが溜まりやすいパーツです。定期的にお手入れすることで吹きやすくなります。
お手入れグッズとお手入れ方法をご紹介
トランペットのお手入れは演奏後だけではありません。演奏前もトランペットを吹きやすくする工夫があります。
自分でお手入れを行うために必要なグッズとお手入れ方法をご紹介します。
さらに、お手入れ方法をわかりやすく動画で説明もしていますので、動画も参考にしてみてください。
毎日のお手入れ:演奏前編
演奏前のお手入れは2つあります。トランペットの演奏には欠かせないお手入れになるので、演奏前には必ず行ってください。
ピストンバルブにバルブオイルを注す
ピストンにバルブオイルという専用のオイルを注すことで、ピストンの滑りがよくなり、演奏が楽になります。演奏前に1度それぞれのピストンに注しましょう。
【バルブオイルの注し方】
- 1.バルブケーシングの笠ねじ(ピストンの下部分)を回して緩める
- 2.ピストン自体は回さず、ゆっくりと抜く
- 3.途中まで抜いたところでバルブオイルを数滴注す
- 4.ピストンを数回バルブケーシングの中へ上下に動かし、オイルを馴染ませる
- 5.ピストンに刻印されている番号をマウスピース側に向けて戻し、バルブケーシングの笠ねじを絞める
【注意するべきポイント】
ポイントは2つあります。
1つ目は、ピストンの順番です。ピストンはマウスピースの方向から1番2番3番と決まっています。この番号はピストンに刻印されています。オイルを注したあとに順番を間違えていないか確認してください。
2つ目は、ピストンを戻す向きです。まず1つ目のポイント通り、オイルを注した後、ピストンの番号を確認します。その後ピストンを戻す際、穴がマウスピースの方を向いているか確認してください。決まった方向に戻さないと、トランペットの中に空気が通らず、音が出ません。
スライドにスライドグリスを塗る
各スライドにはスライドグリスという潤滑油を塗ります。金属の摩擦をできるだけ和らるためのメンテナンスです。
グリスを塗る箇所はチューニングスライド(主管)と第1スライド、第2スライド、第3スライドになります。
【グリスの塗り方】
- 1.スライドを対応しているピストンを押しながら抜く
- 2.グリスを薄く塗る
- 3.スライドを何度か動かしてグリスを馴染ませる
【注意するべきポイント】
こちらもポイントは2つです。
1つ目は、スライドの抜き方です。チューニングスライドを抜きたいときは、対応するピストンを押しながら抜きます。例えばチューニングスライドを抜きたいときは、1番ピストンを押しながら抜いてください。
また、スライドの戻し方も抜き方と同様で、対応するピストンを押しながらスライドを動かしてください。
2つ目は、グリスを塗る量です。塗りすぎてしまうと埃が付着してしまうので薄く塗ってください。少し付けて、指で伸ばしてもいいです。
毎日のお手入れ:演奏後編
演奏後のお手入れは3つあります。演奏後のお手入れは、必ず行う習慣をつけましょう。トランペットの管内に水分が溜まっていると金属が腐食したり、故障やカビの原因になります。
トランペット管内の溜まった水分を抜く
演奏後は管内に水分が溜まっています。少しでも演奏した後はしっかりと水分を抜いて、保管をしましょう。
水分を綺麗に取り除くには、トランペット専用のスワブを使います。このスワブは汚れや水分から金属を守り、楽器自体を長持ちさせてくれます。
【管内の水分の抜き方】
- 1.ウォーターキーを押さえながら、マウスパイプから息を吹き込み、水分を抜く
- 2.スワブを通してマウスパイプの中の水分を取り除く
- 3.各ピストンを押さえながらスライドを抜き、中の水分を取り除く
楽器表面を拭く
最後の仕上げとして、表面を専用クロスで拭きましょう。埃や手垢などがトランペットの表面に付着していると、表面塗装が剥がれる要因となります。
直接音の質には関わりませんが、大切なトランペットを綺麗に保つためにはやっておきたいお手入れです。
お手入れ方法を動画で確認
毎日のお手入れの方法は動画でも確認できます。大事なポイントやコツなどの解説もある動画なので、お手入れをする前に見てみてください。
週に1度のお手入れ
毎日のお手入れの他に、週に1度は細かなお手入れをしましょう。
トランペット管内の水分や汚れを取り除く
クリーニングロッドという道具を使います。先端にガーゼを巻いて管内などに通すことでお手入れができます。長さは様々ありますが、マウスパイプやスライドにはS、バルブケーシングにはMSが適しています。
【管内の水分・汚れの取り除き方】
- 1.クリーニングロッドの先端の穴にガーゼを通し、クリーニングロッド全体に巻きつける
- 2.ガーゼを巻いたロッドをゆっくり回しながら、管に差し込む
【注意するべきポイント】
ご紹介した方法でトランペットのあらゆる管内をお手入れすることができますが、バルブケーシング側のスライドのお手入れは必ずピストンを抜いてから行いましょう。無理矢理引っ張ってしまうと故障してしまいます。
マウスピースのクリーニングをする
マウスピースは一番口に近いパーツなので練習後に洗う以外にも、専用ブラシとブラスソープを使うことで、より清潔に保つことができます。
【マウスピースのクリーニングの仕方】
- 1.マウスピースブラシを水で濡らす
- 2.マウスピースブラシにブラスソープの水溶液を含ませる
- 3.スロートにブラシを何度か通して、汚れを掻き出す
- 4.水でよくすすぐ
1ヶ月に1回のお手入れ
月に1度のお手入れで、通常だと取りきれない汚れを落としましょう。日ごろからしっかりお手入れを行っていても、意外と汚れが溜まっているのでびっくりすると思います。
ピストンとケーシングの水分と汚れを取る
毎回の練習前にオイルを注すバルブケーシングも、月に1度は汚れやオイルを拭き取りましょう。必要な道具はクリーニングロッドとガーゼです。
【ピストンとケーシングの水分・汚れの取り除き方】
- 1.クリーニングロッドの先端の穴にガーゼを通し、クリーニングロッド全体に巻きつける
- 2.ケーシングの内側の汚れ、オイルを拭き取る
- 3.ピストンの汚れ、オイルを拭き取る
楽器表面の細部の汚れを取る
楽器表面の汚れなどは専用クロスで拭き取れますが、ピストンの間のように狭い部分はなかなかお手入れができません。このように狭い部分はトーンホールクリーナーを使って汚れを拭き取りましょう。
【トーンホールクリーナーを使った汚れの取り除き方】
- 1.トーンホールクリーナーにガーゼを巻きつける
- 2.ケーシングとケーシングの間やスライドの間などに差し込む
半年に1度のお手入れ
半年に1度のお手入れでは、トランペットの管内をまるっと水洗いするのをおすすめします。トランペットは金属なので正しい方法で行えば自分で水洗いができてしまいます。必要な道具は、フレキシブルクリーナーとクリーニングロッド、ブラスソープ、ガーゼ、スワブです。
【管内洗浄の仕方】
- 1.トランペットの全てのスライドとピストンを抜き、オイルとグリスをクリーニングロッドとガーゼで拭き取る
- 2.フレキシブルクリーナーの先端にブラスソープの水溶液を含ませる
- 3.管内にフレキシブルクリーナーを通して洗う
- 4.管内を水で洗い流す
- 5.スワブやガーゼでしっかりと水分を拭き取る
【注意するべきポイント】
洗浄の際に気をつけたいポイントは2つあります。
1つ目は、洗浄するタイミングです。トランペットの管内から汚れが無くなると、吹奏感が変わることがあります。吹奏感が変わると困る、演奏会やコンクールなどの前の洗浄は避けましょう。
2つ目は、洗浄の際に手を滑らさないということです。楽器を落としてしまうと故障の原因になります。十分注意して洗浄を行ってください。
トランペットの保管方法
トランペットは金属でできており、水洗いもできてしまうので、比較的強い楽器です。しかし、振動や衝撃にはデリケートです。専用ケースに入れて保管すると衝撃から守ってくれるので安全です。
ケースにはソフトケースやハードケースがありますが、持ち運びが多く衝撃を与えてしまう可能性が高い場合はハードケースをおすすめします。反対に、ソフトケースは軽量なので持ち運びやすいですが、ケースごとぶつけてしまうとトランペットが歪んでしまうこともあります。自宅で保管する場合など、衝撃を与えにくい場所での保管に向いています。
自分がどのような場所や頻度でトランペットを練習、演奏するかを想像して専用ケースを選びましょう。基本的にはハードケースで保管する方が安全なのでおすすめです。
修理について|修理内容・期間・料金表を調査
もしトランペットを壊してしまったら、自分で直そうとせず、迷わず修理に出してください。専門の方に見ていただき、相談するということが修復までの一番の近道です。
ただ、気になるのが修理にかかる費用や期間ですよね。今回はよくある修理内容の費用相場と日数について調査しました。もちろん楽器屋さんや修理業者によって相場や日数は変わりますので、修理したい場合はまず、楽器屋さんや修理業者に問い合わせてください。
内容 | 費用相場 | 修理期間 |
---|---|---|
ピストン調整 | 4,000円前後 | 10~14日間 |
スライド調整 | 5,000円前後 | 7~14日間 |
管体修正 | 3,000~20,000円前後 | 7~21日間 |
管内洗浄 | 15,000円前後 | 7~10日間 |
日ごろ自分でメンナンスをしていても、最低でも1年に1度は専門の方に調整してもらうことをおすすめします。また、管内洗浄は自分でもできるとご紹介しましたが、不安な方は依頼することもできます。管体修正は故障などの内容によって大きく見積もりが変化します。まずは、状況を楽器屋さんや修理業者に伝え、どのように修理するか相談して決めましょう。
修理中の代替楽器|トランペットのレンタルサービスを活用
楽器の修理はいつ必要になるかわかりません。大事な発表会やコンテストの前にどうしても修理しなければいけないときもあります。
そんなときはトランペットのレンタルサービスを利用してみましょう。レンタルという選択をすれば、必要なときに必要な日数だけ使うことができるので、お金をかけて新しいトランペットを購入する必要がありません。
まとめ
トランペットの基本的なお手入れから、少しこだわったメンテナンス方法までをご紹介しました。日ごろの小まめなお手入れは楽器を良い状態のままキープすることができます。さらに、故障した場合も、影響が少なく済む可能性が高いです。
良い音を出して、素敵な演奏をするのは練習だけではないです。お手入れした分だけ音に現れてきますので、可能な範囲で実施してみてはいかがでしょうか。
ビギナーズ編集部 /
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