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ベースアンプの使い方や音作りをマスターするのに必要な知識
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エレキベースを演奏する上で、ベースアンプの使い方をマスターすることは必ず必要です。
また、バンドの中で音を出すには抜けを良くしたり、ベースとしての役割を失わずにアンサンブルをグルーブさせたりするのにイコライザーを中心とした音作りも必須です。
こちらの記事ではゲインやボリューム、イコライザー、端子類の説明、実際の使い方、おすすめの音作りについて解説します。
目次
ベースアンプのつまみの種類
ベースアンプには多くのつまみ(コントロール)が搭載されています。これらの機能を理解してこそ、正しい使い方ができるはずです。
ゲイン、ボリューム
ゲインとボリュームはアンプによっては単純に音量という解釈で間違いがない場合があります。特にボリュームについては文字通りです。
アンプによって、ゲインは入力するベースの出力レベルを適切に調整する役割を持ちます。そのため、適切な設定にしなければ音が小さすぎる、ノイズが出る、意図せず歪んでしまう、などといった問題が生じる可能性があります。
特にゲインとボリュームが別れている場合には、まずはゲインを適切に設定してください。その場合音量はボリュームによって決定します。
イコライザー
イコライザーとは、特定の周波数帯域の強弱を調整するものです。多くのアンプにおいては3バンドのイコライザーを搭載しており、Bass(低音域)、Middle(中音域)、Treble(高音域)の3つの帯域を調整できます。
アンプによっては4バンド、5バンドとさらに細かな調整が可能なタイプも存在します。また、それらがつまみではなくフェーダーになっているタイプも存在し、それはグラフィックイコライザーと呼ばれます。
その他
アンプによってはコンプレッサー(音の大小を均一にまとめる機能)、オーバードライブ(音を歪ませる機能)、オクターバー(オクターブ違いの音を出す機能)などのエフェクトが搭載されていることがあります。
劇的にサウンドを変えるタイプのエフェクトの場合、オンオフスイッチが別途用意されていることもあります。
ライン出力を搭載したアンプには、ラインレベルの調整のためのつまみを搭載したものもあります。ライブやレコーディングでこの機能を使う場合、担当してくれるエンジニアの方とよく相談をして調整しましょう。
端子類
ベースアンプは単体では使用せず、ほとんどの場合はベースやスピーカーを接続します。接続のためにはケーブルを使用しますが、ケーブルを接続するためのパーツが一般的には端子、ジャック、と呼ばれます。
インプット
ほとんどの場合、ベースアンプの正面左側に用意されているのがインプットです。ここにはベースをシールドケーブルによって接続します。(中にはバランスケーブルで接続が可能なものもあります)
ベースアンプによってはHiとLoに別れているものがあります。これはハイゲインとローゲイン、もしくはハイインピーダンスとローインピーダンスを意味することがほとんどです。
もしもパッシブベースを直接ベースアンプに入力するのであれば、Hi側、アクティブベースを使用していたり、エフェクターを使用していたりする場合には基本的にはLo側を使用します。
前述した選び方はあくまで標準的なものです。HiとLoでは出てくる音が異なるので、それらを比較して最適な方を選びましょう。
センド/リターン端子
センド/リターン端子とは、アンプの特定のセクションの間にあるもので外部のエフェクターなどの音響機器を介入させるための端子です。
例えば、アンプで音を歪ませて合わせてリバーブをかけようとした場合、インプットよりも前でリバーブをかけると「リバーブをかけた音を歪ませる」ことになります。
一方、歪ませるセクションの後にあるセンドリターンを使用することで「歪ませた音にリバーブをかける」ことができます。当然ながら両者は音が大きく違います。
特性上センド/リターン端子はプリアンプ(音作りのセクション)とパワーアンプ(スピーカーを駆動するために音を大きくするセクション)の間に入ることがほとんどです。
それを利用して、リターンに入力することでベースアンプのパワーアンプだけを使用することも可能です。
ただし、アンプによってはセンドリターンがプリアンプよりも前に設置されていることもあるので、用途によっては内容をよく確認する必要があります。
その他
そのほかの端子類としては信号を外部に流すためのラインアウト、信号をバランス出力するためのバランスアウト、ヘッドホンで音を聴くためのヘッドホンアウトなどが搭載されることがあります。
もしも自分のベースアンプを購入しようとするときは、必要な端子類が含まれているかどうかもよく考えましょう。
ベースアンプの使い方
ベースアンプを使用する上でまず注意して欲しいのは、壊さないことです。そのために、電源ケーブルを刺す時は電源スイッチがオフであることを確認してからにしてください。
電源スイッチをオンにする時は、ボリューム、ゲインが0になっていることを確認してからにしましょう。
また、アンプのスイッチを入れてボリュームを上げたままベースからシールドケーブルを引き抜くことは絶対にやめてください。
上記の内容を守らなければベースアンプ本体が壊れてしまったり、ベースアンプに接続しているスピーカーが壊れてしまったりすることがあります。
音作りの基本
音作りをするべき点で最も重要なのはズバリイコライザーの設定です。基本的に極端なセッティングは避けるのがセオリーなので、ベース、ミドル、トレブルのつまみは真ん中(5)からスタートしましょう。
ベースは低音域をコントロールすることでベース全体の広がり感を調整します。不足しても過多になってもアンサンブルは機能しなくなるので、慎重に調整します。
ミドルは中音域をコントロールすることでベースの聴こえやすさ、締まり感を調整します。大きくすると耳には聴こえやすくなりますが、大きくしすぎると悪目立ちします。
小さくすると低音がクリアで締まったように聴こえますが、小さくしすぎると存在感がなくなります。
トレブルは高音域をコントロールすることでアタック感やきらびやかさを調整します。大きくするとベースの音の出始めがよく聴こえるのでアタッキーでリズミカルになりますが、大きくしすぎるとフレットに当たる音やノイズが目立ちます。
イコライザーと同じくらい大事なのが、音量とアンプの向き、立ち位置です。抜けが悪いのは単純に音量が小さいなどが原因になることがあります。アンプの向きや自分の立ち位置によっては自分には大きな音量に聴こえるのにメンバーには音量が小さい、などの問題が起こります。
単体で聴いて気持ちいい音を作るのも大事ですが、アンサンブルの中でバランスの良い音を作ることも同じく大事です。なので、自分が好きな音を単体で作った後にはバンドの音を聴きながら微調整を繰り返してください。
オススメのセッティング
イコライザーのセッティングは「これがベスト」だと一概に言えるものはありませんが、傾向はあります。こちらではおすすめのセッティングを紹介するので、参考にして自分のベースや使うベースアンプに合わせて微調整してみてください。
モダンでアグレッシブなサウンド
- ベース=6
- ミドル=3
- トレブル=7
ミドルを下げめにすることで低音をクリアにして、トレブルは少し上げめにして派手な音色にします。単体で聴くと締まったクリアなベースサウンドが得られると思います。アンサンブルの中で音が抜けない時はミドルをあげるか音量を上げて、その上で低域がボワついたらベースを下げてみてください。
オールドでウォームなサウンド
- ベース=5
- ミドル=6
- トレブル=4
昔のベースアンプは今よりもレンジ感の狭いものが多く、また求められるサウンドとしても丸くてウォームなものが多くありました。そうしたものを模すために、トレブルは少し下げめの設定にします。
その上でベースの音像がよく見えるサウンドにするためにミドルは少しだけ上げても良いと思います。特に中音域から高音域についてはスピーカーによってサウンドが大きく変わるので、実際に音を聴きながら微調整を繰り返すことが必要ですね。
まとめ
ベースアンプの基本的な使い方から、音作りの部分までをこちらの記事では解説しました。記事内でも触れていますが、単体で聴いてかっこいい音を作ることと同じくらい、アンサンブルのバランスを取ることは大事です。
自分だけで判断はせず、周りのメンバーの意見をもらいながら、自分にとってもメンバーにとっても、そして聴いてもらえるリスナーの方にとっても美しい音作りを心がけてみてください。
嵯峨駿介 /
ビギナーズ編集部 ライター
23歳でベース専門店Geek IN Boxを立ち上げ。海外ブランドとの取引経験が豊富でアメリカ、ヨーロッパ、中国などの主要ギターショウに参加。ベースマガジンなどの専門誌や、ウェブメディアなどへの寄稿多数。※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しております。所属するベーシック株式会社及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません。