更新

トスバッティングとはどんな練習メニュー?やり方やコツを伝授!

トスバッティングとはどのようなメニューなのか。なんのために行うのか。この記事では、打撃練習メニューとしても試合前のアップとしてもポピュラーなトスバッティングについて目的ややり方をご紹介します。
トスバッティングとはどんな練習メニュー?やり方やコツを伝授!

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

高校約野球の試合前などに、キャッチボールと一緒にトスバッティングを行うチームは多いですよね。

ただ、トスバッティングとはなんのために行うのか正しく理解できていますか?この記事では、トスバッティングの目的やコツについて分かりやすく解説します。

トスバッティングとは?基本事項を整理しよう

トスバッティングとはどのような目的で行うのでしょう。効果を理解して取り組むか、なんとなく取り組むかで効果は大きく違ってくるのです。まずは、トスバッティングとはどんなメニューなのか基本事項を整理しておきましょう。

トスバッティングとは?ティーバッティングとの違い

トスバッティングとは、ピッチャーが投げた球をワンバウンドで打ち返す打撃練習方法のこと。「トス」という言葉から、軽くトスしたボールを打ち返すティーバッティングと混同されることが多いのですが、両者は全く別の練習メニューです。

基本的なトスバッティングのやり方

トスバッティングは基本的に2人1組で行い、投手役と捕手役に分かれます。投手役は正面からストライクゾーンへ山なりのボールを投げ、打者はワンバウンドで打ち返します。

強い打球を打ちたい気持ちを堪えて、しっかりとワンバウンドで打ち返すことに徹してください。

black friday banner

トスバッティングって意味あるの?練習の目的とは

「トスバッティングなんて意味ないんじゃないの?」ゆるいボールを打つトスバッティングと違って、試合では投手が本気のボールを打ち返さねばなりません。また、バッター側もワンバウンドで返すのではなく、本気で打ち返しますよね。

しかし、トスバッティングにはいくつものメリットがあるのです。トスバッティングに取り組む意味をしっかりと理解して、練習効果を最大限に高めましょう。

試合・練習前のウォーミングアップになる

中学や高校の試合前には、キャッチボールの後にトスバッティングをする学校がほとんど。これは、技術の向上というよりも「ボールへ目慣らし」という意味合いが大きいです。

いきなり打席に入って全力投球に立ち向かうよりもスローボールでも見ておくことで、打席へスムーズに入れるようになるはず。

バットコントロールの基礎が身に付く

投手の球を打ち返すには、左右に打ち分けられるバットコントロールが大切。速球をジャストミートしても野手の正面ではアウトになってしまいますし、逆に野手の間を抜いてしまえばゴロでもヒットにできるからです。

そのバットコントロールを養えるのがトスバッティングなのです。

「溜め」を身に付けられる

時折、「速い球は得意だけど遅い球は苦手」というバッターがいるのですが、打つ際に溜めをつくれていないことが原因のケースが多いです。

金属バットの場合、投球のコースに合わせてバットを出せば反発力でボールが飛びますが、遅い球の場合はそうはいきません。

ボールをしっかりと呼びこんで、自分のタイミングで振ることが出来なければ飛ばないからです。その「溜める」感覚を身に付けるためにはトスバッティングは非常に有効な練習なのです。

投手役の練習にもなる

トスバッティングでは2人組の片方が投手役を務めますが、投手役にとっても良い練習になります。狙ったところに投げるにはリリースポイントを一定させる必要がありますので、送球の安定につながります。

また、ボールを打ち返されたらしっかりと構えてキャッチすることで、守備力向上にもつながるのです。

少人数・狭い場所でもできる

バッティング練習は通常、広い場所や守備の人数が必要となりますよね。その点、トスバッティングは最少2名からできますし、直線10mほどの距離があればできます。部活の練習以外にも友人や親子で気軽に取り組めるのが、トスバッティングの魅力の一つです。

プロ野球ではトスバッティングをしない?

少年野球から高校野球までの試合では、キャッチボールやノックと共にトスバッティングをするのが定番となっていますが、プロ野球では試合前にトスバッティングをするシーンは見かけられませんよね。

トスバッティング自体に意味がないからしないのではありません。プロのバッターにとって、どんなボール(明らかに外れたボール以外)でもワンバウンドで投手に打ち返すのは当たり前。「トスバッティングくらい完璧にできて当たり前」だからしないのです。

トスバッティングのコツとは

トスバッティングでは、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここからは、トスバッティングに取り組む際にチェックすべきポイントをお伝えします。

グリップで打ちにいく感覚で

トスバッティングでは肘を折りたたんで「インサイドアウト」の感覚で打つことで投手に対して真っすぐ返せるようになります。

バットの面をボールにぶつけにいくよりも、グリップを当てに行くイメージで振り始めて、最後にバットの芯をぶつけるイメージを持つとよいでしょう。

バットを最短距離で出す

トスバッティングでは、バットを最短距離で出してボールの芯に当てることが大切。特にインコースに来た投球をワンバウンドで返すには、バットの軌道が遠回りしてしまうとファウルになってしまうことも。

バットは短く持っても大丈夫ですので「最短距離でバットを出す」ことに意識を集中させて取り組みましょう。

インパクト後に振りぬくイメージを持つ

トスバッティングではフルスイングをしてしまうとワンバウンドとはいえ、投手が危険に晒されます。ゆっくりと振り始め、バットとボールが当たる「インパクト」後に振りぬくようなイメージを持つことです。

投手の少し手前に着弾させる意識で打つ

完璧なトスバッティングを目指すのなら、投手へワンバウンドで返すのはもちろん、投手がほとんど動かずに捕れるような打球を打つのが理想。

同じ軌跡の打球を打つためには、投手の少し前に狙うポイントを定めて、必ずそのポイントを狙うようにしてください。

バックスピンの打球を打つ

トスバッティングで速い打球を放つと、投手にとって非常に危険。かといってゆっくり振って弱い打球を打つことを意識しすぎると「練習のための練習」になりかねません。

そこでおすすめなのが、ボールの下部を打ってバックスピンの打球を放つこと。

初速が速い打球でもバックスピンをかけることで減速し、投手に安全に返せるようになるのです。

打つポイントが限定される分難易度は上がりますので、技術向上にもつながるとあってまさに一石二鳥といえますね。

腕だけで振らない

トスバッティングでは強い打球を打ってはならないので、つい腕だけで振ってしまいそうですが、俗にいう「手打ち」の癖がつくのを防ぐためにも腰を使って振ることも意識しましょう。

腰を回した勢いで自然とバットが出てくるようにするのが理想形です。

打球の回転を意識する

バットとボールがどの角度で当たると、どのような打球が飛ぶのか──野球におけるもっとも基本的な感覚を身に付けられるのが、トスバッティング。

斜め上から叩けばゴロになりますし、逆に下から当てればフライになります。投手にワンバウンドで返すにはどの角度で当てるべきなのか。追求することで打撃力向上につながるはずです。

【上級者向け】トスバッティング応用編

ここでご紹介するのは、通常のトスバッティングとはちょっと違う、応用メニュー。トスバッティングを単なるウォーミングアップとしてではなく、レベルアップするための練習にできるかもしれません。

後ろから投げてもらうトスバッティング

後ろから投じられたボールを打つトスバッティング。視界の外から現れるボールを打つためには。バットを最短距離で出さなければ、打球が左右にずれてしまって投手へ真っすぐ返せません。

肘を折りたたんでバットを内から外に出す「インサイドアウト」の感覚を養うのに適した練習方法です。

横から投げてもらうトスバッティング

真横から飛んでくるボールを打ち返すトスバッティング。インコースに食い込んでくるボールを捌く練習になります。

インコースに来る前に打とうとすると身体が開いてしまいますので、しっかりと自分のミートポイントに呼びこんでから打つことを意識してください。

守備をつけてトスバッティング

トスバッティングは基本的に投手へワンバウンドで打ち返す練習ですが、複数名で行う場合は、守備をつけて狙ったところに打ち返すのもおすすめ。打つ前に狙う守備位置を宣言して、ワンバウンドで届くように打ちましょう。

まとめ

野球における基礎中の基礎を確認する練習・ウオーミングアップメニューであるトスバッティング。プロはもちろん、高校野球でも強豪校となると、ほとんどミスはしなくなります。

逆に、弱小校では投手が暴投してしまったり、投手へ上手く打ち返せなかったりというシーンが見られます。

試合開始前から相手チームに見下されないためにも繰り返し練習して「出来て当たり前」というレベルまでトスバッティングの精度を高めていきましょう。

また、野球初心者向けの効率的な練習方法をポジション別に解説している記事も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

タカ /
ビギナーズ編集部 ライター

ホワイト企業を退職後、世界一周の旅に。アフリカや中南米、中東などを巡る。帰国後は雑誌社勤務を経て、フリーのライターとして活動中。

ビギナーズTOPページ