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ベースのロータリー奏法のコツや練習におすすめの曲

ベースのロータリー奏法のコツや練習におすすめの曲

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ベースの奏法の中で、スラップ奏法は非常に派手で注目を集める奏法です。ロータリー奏法とはスラップ奏法の一種で、細かなリズムがスピーディーに出せるのが特徴的です。

高度なテクニックのため習得は簡単ではありませんが、これを習得したらあなたのベースプレイが一段階レベルアップすることは間違いありません。

本記事では、ロータリー奏法の概要や弾き方、コツ、練習方法、参考にするべき曲について紹介・解説します。

ベースのロータリー奏法とは

”ロータリー”とは、回転するという意味です。なぜスラップのロータリー奏法に個の名がつけられているのかというと、右手がまるで回転しているかのように動き、機会的に音を出すからです。

具体的には、サムネダウン、サムアップ、プル、この3つの動きを連続的にする奏法がロータリー奏法です。非常にスピードが出るので、速いBPMでの3連譜や、6連譜、また派手なフィルインなどに活用ができます。

このテクニックにダブルプルなどを取り入れることで、さらに複雑なリズムを作ることも可能です。

ベースのロータリー奏法の基本的な弾き方

ベースのロータリー奏法においては、サムダウン、サムアップ、プルをいかに機会的に連続させられるかが大事になります。

また、この流れが決まっている以上サムダウンはサムアップのために、サムアップはプルのために、それぞれ流れるように動かす必要があります。

サムダウンは弦を親指で高音弦側に弾いて、サムアップは振り下ろした指をそのまま振り上げるように弦を弾き、プルは最小限の動きで弦を弾き上げます。

ベースのロータリー奏法のコツ

ひとつ目のコツは、次の音がすぐ出せるような指の位置づけです。サムダウンをした時に親指は弦のすぐ下に止めましょう。次のサムアップの時には弦を上に弾き上げなくてはなりません。

そのため、右手全体を動かせばすぐに弦が弾ける位置に親指をサムダウンと同時に置くことが大事なのです。

同様に、サムアップをした時にはすでにプルをするための指が弦の下に潜り込んでいる必要があります。このように連続した動きのなかで次の音のための準備が常にできているようにフォームを作るのがコツです。

ふたつ目のコツは、右手の形自体はほとんど固定して、その右手をぐるぐると回すようなフォームを作ることです。これが高速でロータリー奏法を行うためには必須です。

サムダウンも、サムアップも、プルも、全てを右腕前腕全体の動きで行うのが理想です。つまり、指先の動きはなくすということです。これには指を最も効率の良い位置に固定するのが必須で、こればかりは何度も繰り返し練習するしかありません。

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ベースのロータリー奏法にはベースの調整が大事

ロータリー奏法をする上で、弦はできるだけ自由に振動させやすいセッティングにすることも非常に重要です。演奏しづらいベースでは、どう頑張ってもロータリー奏法のようなテクニックは発揮しづらいのが正直なところです。

実際に、演奏しづらいベースで練習をして難しいと感じ、その奏法の習得を諦めてしまう方やベースの演奏自体をやめてしまう方が残念ながらいます。しかし、それは非常にもったいないことです。

ロータリー奏法などの高度なテクニックを操るプロのミュージシャンも、状態の悪いベースでは十分な力は発揮できません。新しいテクニックを取得するからこそ、ベースの状態は万全にするべきです。

具体的には、少しネックは真っ直ぐめ、弦高は1弦の12フレットで1.5mm、4弦の12フレットで2.0mm程度まで下げてみてください。これはほとんどの場合は難しいと思うので、可能であればプロのリペアマンがいる楽器店に依頼してください。

このセッティングにすると、びりつきが出ることも少なくないと思います。しかし、演奏性とびりつき、音などはどちらかを立てればどちらかが立たないのが正直なところで、大事なのは適切な公約数を探すことです。

もしもロータリー奏法を習得したいのであれば、まずはそれが習得しやすいセッティングにするのは非常に有効な手です。

ベースのロータリー奏法には弦のゲージも重要な要素

しっかりとした調整の上で、弦のゲージ(太さ)をよく考えるのも非常におすすめです。弦のゲージは太くすればするほど張りは強くなります。逆に、細くすると張りは弱くなります。

まだフォームが出来上がっていない時期は、少し細めのゲージ指が負けないようにすることは非常に有効だと思います。具体的には、45-65-85-105が一般的なゲージですが、ここを、40-60-80-100などに変更してみてください。

人によってはこのゲージ変更であっさりコツをつかめるかもしれません。プロのベーシストたちもゲージにはこだわりを持っており、また常に研究をしています。

調整やゲージといった環境は演奏に大きな影響を及ぼすので、常に考慮の上でベースを演奏していただきたいです。これ次第でサウンドや演奏性は大きく変わり、上達具合も全く変わってくるはずです。

ベースのロータリー奏法の練習方法

では実際に、ロータリー奏法の練習方法として、具体的にどのような練習法が望ましいのか解説していきます。

まずは3つ動きをマスター

ベースのロータリー奏法にはサムダウン、サムアップ、プルの3つの動きがあります。まずはそれらを単体でできるようになりましょう。具体的にはBPM70程度でそれぞれ4分音符が正確に連続して出せるようになりましょう。

サムダウンとサムアップ

次は、サムダウンとサムアップの繰り返しを同じBPMで、8分音符で出せるように練習しましょう。このコンビネーションが非常に難しいと思います。

3連譜での繰り返し

サムダウンとサムアップのコンビネーションがある程度身に付いたら、そこにプルを合わせます。同じくBPM70程度でサムダウン、サムアップ、プルの3つの連続した音を3連譜にして演奏してみてください。

人によってはサムダウンとサムアップの繰り返しよりも、難易度が低く感じるかもしれません。慣れてきたらこれを6連譜にしてもいいです。

ロータリー奏法は、速いBPMで使われることが多く、また連続した動きのためにおそいBPMで正確なリズムを掴むのが難しいです。しかし、そこを使いこなしてこそのベーシストだと思うので、さまざまなBPMで練習してみてください。

ロータリー奏法を得意とするベーシスト

ベースのロータリー奏法を練習する上で、参考にするべきベーシストを紹介します。

ぴんはげ

ロックバンド、プルモライト脱退後YouTube上で頭角を表し、現在では新しい世代のベースヒーローとして注目を集めるのがぴんはげさんです。

Mayones、Alusonicといったモダンベースを使用して繰り広げる高度なテクニックは多くのミュージシャンに賞賛されています。彼が最も得意とする奏法のひとつがスラップで、もちろん多くのロータリー奏法を取り入れています。

彼はYouTube上に多くのビデオを発表しているので、それらをよく観察してみてください。最も効率的で美しいフォームをもつベーシストの一人なので、参考にするべきて点は多くあります。

Victor Wooten

世界で最も高度なテクニックを持つベーシストとして、多くのミュージシャンの賞賛を集めるのがVictor Wootenです。

彼はBéla Anton Leoš FleckのサポートやSMVとして活動、ソロ活動など多くの仕事を行いますがその中で見せるテクニックはどれもが一級品。まるでベースが自分の体かのように自在に操ります。

中でもロータリー奏法を組み込んだスラップ奏法は、随一のハイテクニックな内容です。一時代を築きあげた彼のベースプレイを見ずして現代のベースは語れません。

ベースのロータリー奏法が使われている曲

ロータリー奏法を習得する上で、ぜひ参考にして欲しい曲を紹介します。

You can’t hold no groove / VICTOR WOOTEN

ほとんど全てが、ベースのスラップによって演奏される曲です。全てをコピーすることは難しいのですが、部分的にでも習得を目指して練習してみてください。また、彼のフォームは非常に美しいので、指や腕の形だけでも真似てみましょう。

RED ZONE / IKUO

ハイテクニックとジャズのフィーリングを持ち合わせた日本でも有数のファーストコールベーシスト、IKUOさんのソロアルバムに収録されているのがこちらの曲です。

高度なテクニックを利用して激しく演奏されるスラップサウンドは、情熱的でスリリングです。この中にはロータリー奏法も積極的に取り入れられています。

YouTube上には本人による解説の動画もあるので、そちらを合わせて参考にすると非常にわかりやすいのではないでしょうか。

まとめ

本記事ではベースのロータリー奏法について、その概要や弾き方、コツ、練習方法、参考にするべきベーシストと曲を紹介しました。

正直なところ、一般的なベースとしての役割とはほど遠く、ほとんどの曲では使用することがないテクニックです。しかし、ワンポイントでも使いこなせたらとてもクールに効果的に響くのは事実です。

高度なスラップテクニックは美しく、また練習するのも楽しいものだと思います。ぜひロータリー奏法も使いこなして、クールなベースサウンドを奏でてください。

また、ベース初心者の方向けにピッキングやスラップの基礎練習について詳しく解説した記事もあるので、ぜひチェックしてみてください。

嵯峨駿介 /
ビギナーズ編集部 ライター

23歳でベース専門店Geek IN Boxを立ち上げ。海外ブランドとの取引経験が豊富でアメリカ、ヨーロッパ、中国などの主要ギターショウに参加。ベースマガジンなどの専門誌や、ウェブメディアなどへの寄稿多数。※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しております。所属するベーシック株式会社及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません。

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