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辻村深月のおすすめ小説20選!作品の選び方や読む順番も解説
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
辻村深月さんは、2004年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。
作品は映画やドラマとしてメディアミックスされることも多く、小説を読んだことはなくても名前は知っているかもしれません。
様々な作品を発表しているので、どの小説から読めばよいか悩んでしまいますよね。
そこで今回は、辻村深月作品の選び方とおすすめの小説を紹介します。あわせて、メディアミックス作品について解説します。
作品を読む順番についても紹介しているため、あわせてチェックしてみてください。
辻村深月とは
辻村深月さんはデビュー作以外に、2011年の『ツナグ』では吉川英治文学新人賞を受賞し、2012年の『鍵のない夢を見る』では直木賞を受賞しています。
さらに、2018年の 『かがみの孤城』は第15回本屋大賞を受賞しており、広く認知されている作家です。
辻村深月さんの作品は心揺さぶられるものが多く、映像化作品も豊富。「ツナグ」や「朝が来る」が映画化・ドラマ化されました。
「ドラえもん」や「パーマン」といった藤子・F・不二雄作品が好きなことでも知られ、2019年に公開された映画「ドラえもん のび太の月面探査記」では脚本を担当しています。
『凍りのくじら』では、各章にドラえもんのひみつ道具の名前がつけられました。
辻村深月作品の選び方
辻村深月作品を選ぶときのポイントを3つ紹介します。
文学賞の受賞作・候補作から選ぶ
直木賞や本屋大賞といった文学賞を受賞しているだけではなく、候補作として様々な文学賞にノミネートされています。文学的な観点から高い評価を得ている作品を読みたい人は、以下の小説から読んでみてください。
2022年1月現在の文学賞受賞・候補作は以下のとおりです。
- 『冷たい校舎の時は止まる』
- 『ツナグ』
- 『鍵のない夢を見る』
- 『かがみの孤城』
- 『傲慢と善良』
- 『凍りのくじら』
- 『ぼくのメジャースプーン』
- 『名前探しの放課後』
- 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
- 『芹葉大学の夢と殺人』
- 『本日は大安なり』
- 『オーダーメイド殺人クラブ』
- 『水底フェスタ』
- 『島はぼくらと』
- 『ハケンアニメ!』
- 『朝が来る』
- 『青空と逃げる』
こちらの記事では、辻村深月作品を含めた本屋大賞の歴代ノミネート作品とおすすめの本をまとめています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
メディアミックス作品から選ぶ
辻村深月さんの作品には、映画化やドラマ化などを果たしたメディアミックス作品が多くみられます。小説を読む前に、映像などで作品を楽しみたい人におすすめ。
映画化された作品は、以下のとおりです。
- ツナグ(主演:松坂桃李さん)
- 太陽の坐る場所(主演:水川あさみさん)
- ドラえもん のび太の月面探査記
- 朝が来る(主演:永作博美さん)
- ハケンアニメ!(2022年5月公開予定・主演:吉岡里帆さん)
さらに漫画化や舞台化された作品もあるので、チェックしてみてください。
短編集から選ぶ
順番を気にせず読みたい人や、手軽に楽しみたい人には短編集がおすすめです。
辻村深月さんは短編集も多く手がけています。
直木賞を受賞した『鍵のない夢を見る』をはじめとして、『ロードムービー』『ふちなしのかがみ』『光待つ場所へ』『ツナグ』『嚙みあわない会話と、ある過去について』などが短編集です。
辻村深月のおすすめ小説20選
辻村深月さんのおすすめ小説を長編・短編に分けて、あわせて20作品を紹介します。なお、小説は時系列に並べて紹介しています。
辻村深月さんの作品は、読む順番を意識するのもおすすめ。作品間で、登場人物がリンクしているためです。
辻村深月さんの本の帯にも書かれているとおり、以下の順番で読むとより楽しめます。
- 『凍りのくじら』
- 『スロウハイツの神様』
- 『冷たい校舎の時は止まる』
- 『子どもたちは夜と遊ぶ』
- 『ぼくのメジャースプーン』
- 『名前探しの放課後』
- 『ロードムービー』
- 『光待つ場所へ』
- 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
登場人物がリンクしている作品
登場人物がリンクしている作品を紹介します。
凍りのくじら(2005年)
「ドラえもん」の作者として知られる、藤子・F・不二雄を敬愛していた写真家の父親。彼の娘で、フォトグラファーの芦沢理帆子の高校時代を追ったストーリーです。
各章のタイトルが、「ひみつ道具」から採られているのも魅力。
ドラえもんが好きな人はもちろん、「少し不思議」な世界観を楽しみたい人にぴったりです。
スロウハイツの神様(2007年)
人気脚本家・赤羽環がオーナーで、クリエイターを志す者が集うアパート「スロウハイツ」。共同生活を送る、個性豊かな住民によって繰り広げられる青春群像劇です。夢を語り合い切磋琢磨していた6人の物語が、新たな入居者によって大きく動き出します。
ワクワクしたい人や、ミステリーが好きな人にもおすすめです。
冷たい校舎の時は止まる(2004年)
雪が降る中、8人の高校3年生が人のいない校舎に閉じ込められます。そんな中で自殺した同級生を思い出し、次第に疑心暗鬼になっていく物語。
第31回メフィスト賞を受賞した著者のデビュー作で、2008年には『月刊少年マガジン』にて漫画化されました。ミステリーが好きな人や、不思議な世界観に浸りたい人は候補に入れてみてはいかがでしょうか。
子どもたちは夜と遊ぶ(2005年)
大学受験を控えている高校3年生が、突如失踪します。世間で話題となる中で、D大学工学部の院生・木村浅葱だけは真相を掴んでいました。
孤独に包まれた子どもたちが引き起こす事件は、さらなる悲劇を呼んでいきます。
ボリューミーで読み応えのある作品を読みたい人や、切なさを感じたい人におすすめです。
ぼくのメジャースプーン(2006年)
第60回日本推理作家協会賞長編・連作短編部門にノミネートされた作品です。
小学4年生になった主人公「ぼく」の学校で、大学生によってうさぎの命が奪われる事件が発生します。「ぼく」が、代々受け継がれている特殊能力を使って復讐に挑む物語です。
悪意や命について考えたい人は、手に取ってみてください。
名前探しの放課後(2007年)
「依田いつか」は撤去されたはずの看板を見つけて動揺し、タイムスリップしたことに気付きます。さらに、いつかは高校のクラスメートが自殺することはわかるものの、それが誰かはわかりませんでした。坂崎あすなに相談し、2人で「誰か」を探す学園ミステリーです。
伏線回収を楽しみたい人は、チェックしてみてください。
ロードムービー(2008年)
運動ができて人気者のトシと、友達が少なく気弱なワタルは小学5年生。クラス替えで仲良くなった2人は孤立しはじめ、家出を決意します。表題作の「ロードムービー」と、どこか懐かしい雰囲気の漂うほか4編を収録。
昔抱いていた気持ちを思い出したい人は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
光待つ場所へ(2010年)
絵描きとして生きていく自信のあった大学生・清水あやめは、ある人物の作品を見て衝撃を受けます。清水あやめは、『冷たい校舎の時は止まる』に登場。
書下ろし1編を含んだ5編の短編集で、スピンオフが含まれているため長編小説を先に読むとより深く楽しめます。
前向きになりたい人におすすめです。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(2009年)
直木賞・吉川英治文学新人賞候補作となり、注目を集めた作品です。
みずほの幼なじみ・チエミが母親を殺してしまった事件から半年。失踪し指名手配中のチエミの行方を、みずほが追います。
リアルな心理描写や人間模様が描かれた作品や、ミステリーが好きな人におすすめです。
長編小説9選
辻村深月さんのおすすめの長編小説9作品を紹介します。
本日は大安なり(2011年)
山本周五郎賞候補作となり、2012年にはテレビドラマ化され話題を呼んだ小説です。
大安日に同じ結婚式場で式を挙げる4組の夫妻を描いた物語。クレーマー夫妻や、企みをもった双子新婦など個性豊かです。
ハッピーエンドが好きな人は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ハケンアニメ!(2014年)
アニメの制作現場を舞台に、プロデューサー・監督・声優・アニメーターが活躍するお仕事小説です。
女性週刊誌『an・an』で2012年から連載されていました。第12回本屋大賞にノミネートされ、2022年5月には吉岡里帆さん主演の映画が公開予定です。
アニメ業界に興味がある人はもちろん、刺激を受けたい人にもおすすめします。
朝が来る(2015年)
長い不妊治療を経て養子縁組を選択した夫婦と、中学生で出産し子ども手放した少女による葛藤を描いた作品。成長した子どもと平穏に暮らしていた夫婦のもとに、「返してほしい」という電話がきます。
2016年にテレビドラマ化され、2020年には永作博美さん主演で映画が公開されました。
社会派ミステリーや、メディアミックスを楽しみたい人にぴったりです。
東京會舘とわたし(2016年)
大正11年に丸の内で創業した「東京會舘」を舞台とした、大河小説です。
東京會舘は客や従業員に寄り添いながら、震災や空襲を経て人々を見守ってきました。辻村深月さんは、そんな東京會舘で結婚式を挙げ、その後に直木賞の受賞会見も行っています。
実在する建物に想いを馳せたい人にうってつけです。
かがみの孤城(2017年)
2018年に本屋大賞を受賞し、大ヒットを記録した学園ファンタジーです。
主人公はあることがきっかけで不登校になり、家に引きこもる生活を送っていました。突如、部屋の鏡が光り不思議な世界へと導かれ、同じ境遇の中学生たちと出会い冒険していく物語です。
生きづらさを感じている人や、学園小説が好きな人におすすめします。
小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記(2019年)
辻村深月さんは、2019年に公開された「映画ドラえもん のび太の月面探査記」の脚本を担当していました。
誰もいないはずの月面に、探査機が白い影を捉えるとたちまち大ニュースになります。のび太は「月のウサギだ!」といいますが、みんなに笑われてしまうのでした。そこでドラえもんの道具を使い、月の裏側に「うさぎ王国」を作る計画を企てます。
「ドラえもん」好きだけではなく、壮大な世界観に浸りたい人は手に取ってみてはいかがでしょうか。
傲慢と善良(2019年)
西澤架は、突如として姿を消した婚約者の坂庭真実を探します。人は誰しも傲慢さと善良さを抱えていることに気付かされる物語です。
男女それぞれの視点で描かれた、リアリティのある描写が共感を誘います。
今まさに婚活や恋愛をしている人や、結婚したときを思い出したい人におすすめです。
琥珀の夏(2021年)
カルト集団の施設「ミライの学校」があった敷地から、白骨遺体が発見されます。30年前にその学校へ通っていた主人公の弁護士・法子は、遺体が当時の友人ではないかと疑います。幼少期の記憶を巡らせながら、そこで起きた事件の真相を紐解いていく物語です。
ノスタルジックな気持ちになりたい人や、ミステリー好きにぴったりです。
闇祓(2021年)
クラスで浮いている転校生の要が気になり、親切に接する委員長の澪。次第に要の不可解な行動が目立つようになり、澪は不信感を募らせていきます。章を追うごとに恐怖が増していき、最後に各話がつながります。
ゾクゾクしたい人や、ホラーミステリーを堪能したい人にもってこいです。
短編小説2選
辻村深月さんのおすすめの短編小説2作品を紹介します。
鍵のない夢を見る(2012年)
第147回直木賞を受賞し、2013年にはドラマ化されました。
普通の女性5人が起こした窃盗や放火などの犯罪がテーマ。どこか共感できる、リアリティのある心理描写が魅力の短編集です。
日常の中に潜む恐怖に触れたい人は、チェックしてみてください。
嚙みあわない会話と、ある過去について(2018年)
大学時代のコーラス部で仲のよかった男友達・ナベちゃんが結婚するとのこと。しかし、紹介された婚約者は、どこか価値観がズレていたのでした。「ナベちゃんのヨメ」をはじめとした、過去の思い出に向き合う人たちを描いた短編集です。
自分自身と向き合いたい人におすすめします。
ブックライブで『嚙みあわない会話と、ある過去について』を読む
まとめ
辻村深月作品の選び方や、おすすめの小説を紹介しました。
メディアミックス作品が多く、様々な視点から楽しめるのが辻村作品の魅力です。
気になる作品はもちろん、読む順番も意識しつつ、手にとってみてくださいね。
こちらの記事では、名作小説おすすめ30選をまとめています。辻村深月作品以外にも興味がある方は参考にしてみてください。
ヒロキタナカ /
ビギナーズ編集部 ライター
大学院を修了後、IT業界を経て独立。選書サービスやWebメディアを運営する傍ら、ライターとしても活動しています。趣味は読書やサウナです。