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『君たちはどう生きるか』を徹底考察!あらすじも簡単にネタバレ解説
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
『君たちはどう生きるか』は、宮﨑駿監督が手掛けたスタジオジブリの最新作です。大ヒットした本作ですが、不思議な世界観とストーリーで疑問に感じている部分も多いでしょう。
そこで本記事では、『君たちはどう生きるか』の謎や疑問を徹底考察しました。
『君たちはどう生きるか』で何を伝えたかったのか、気になるシーンや人物の言動の意図はなんだったのかが気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事ではストーリー内容に触れており、ネタバレが記載されています。
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目次
『君たちはどう生きるか』とは?あらすじを簡単に解説
『君たちはどう生きるか』は、義母を助けようと奮闘する少年の成長を描いた作品です。
母親を失った眞人は、父と父の子を妊娠していた母の妹・夏子との生活が始まりました。ただ、眞人は夏子を母親だと認められません。
そんなある日、眞人は自ら傷をつけたことによる夏子の言動をキッカケに、少し距離を縮めます。しかし、夏子はどこかへ失踪してしまいます。
近くにいたアオサギが夏子の居場所を知っていることを聞いて、眞人は夏子を探しにアオサギが連れ行く異世界へ向かうのでした。
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『君たちはどう生きるか』の考察【動物関連】
『君たちはどう生きるか』では、様々な鳥が登場します。しかし、鳥たちのことについては、劇内であまり触れられていません。
ここでは、『君たちはどう生きるか』に登場する鳥や動物に関する考察をまとめています。
アオサギの正体
『君たちはどう生きるか』のポスターにもなったアオサギは、引っ越した先で眞人が目にした重要キャラクターです。
そんなアオサギの正体は異世界の住人で、大きい鼻が特徴的なハゲ頭の中年男性でした。彼は異世界の王・大おじの命令で、眞人を異世界へ連れていくことを目的に接触していたのです。
しかし、彼の正体やアオサギの格好をしていた理由は明かされていません。ただ、巷では、眞人の心を具現化したものだと考察されています。
彼は眞人に噓をつき、危険に晒したものの、最終的には助けて仲良くなっています。眞人もまた、学校になじめず現実から逃げ出したいなど、様々な気持ちを抱えていました。
見た目と性格などの二面性が見られるアオサギですが、眞人の心を満たすよう動いていたのは事実です。この描写から、アオサギは眞人の心を具現化したものだと考えられますね。
ペリカンの正体
ペリカンは、眞人が初めて異世界に足を踏み入れたときに登場します。眞人に飛びかかってきたり、人間の元を食べたりと、かなり横暴な行動をとっていました。
そんなペリカンの正体は、異世界を作った眞人の大おじに連れてこられた存在です。
大おじが原因で、ペリカンたちは意思で行動できず、生きるために仕方がなく人間の元を食べていました。そして、ペリカンたちも火によって殺される運命には抵抗できません。
『君たちはどう生きるか』は、第二次世界大戦中の世界です。もしかしたら、ペリカンたちは戦争に駆り出される兵士で、戦争を繰り返す悪循環を表現していたのではないでしょうか。
インコの正体
インコは地下にある建物内に住み、インコ大王を中心に役割をこなしながら暮らしていました。眞人を食べようとするほど貪欲で、本作だと“主人公の敵”に該当しますね。
そんなインコの正体は、ファンが持つ負の面を比喩したものだと考察されています。
本作では様々な場面でジブリ作品のオマージュらしきシーンが見られます。この描写は、異世界はジブリ作品だと表現しているのではないでしょうか。
そして、本作のインコたちは食料を食いつぶして生きやすいよう異世界を支配しようとした結果、世界崩壊に至ります。
つまり、ファンの批判的な声や意見をジブリ作品に反映させようとして、ジブリ文化の崩壊を形にしているのだと考えられます。
先祖を見てインコが泣いたのは、昔のジブリを求めるファンを表現したのかもしれませんね。
ワラワラの正体
劇内では、下の世界に風船のような生き物「ワラワラ」が生息していました。かわいらしい見た目で、ペリカンの餌として食べられています。
そんなワラワラの正体の正体は不明ですが、おそらく人間の魂だと考えられます。
下の世界は「地獄」「あの世」に近い場所だとキリコが発言しており、ワラワラは下の世界から逃げるようにらせん状に上空へ浮かんでいく描写がありました。
下の世界があの世、上の世界が現実世界だと考えると、ワラワラは現実世界で生まれ変わろうとして向かうように上空へ向かっていったのではないでしょうか。
ペリカンに食べられず上の世界へたどり着けたワラワラは、人間の魂として赤ちゃんに生まれ変わるのかもしれません。
また、本作は第二次世界大戦が舞台です。キリコは泣きながら「お腹がいっぱいになってよかった」とワラワラのことを想っているような発言をしています。
この描写から、ワラワラは第二次世界大戦で餓死した人間の魂で、それを知っているキリコがワラワラに対して涙を流したとも見て取れますね。
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『君たちはどう生きるか』の考察【人間関連】
ここでは、『君たちはどう生きるか』の人間関連の考察をまとめています。
夏子が塔へ行った理由
眞人の義母である夏子は、異世界である塔へ行き、産屋で出産することを決意した様子が描かれていました。ただ、夏子が塔へ行った理由は不明です。
つわりが酷い状況にもかかわらず、夏子が塔へ行ったのは、眞人を別世界から守りたいからだと考察できます。
産屋まで探してきた眞人を怒鳴った描写から、夏子はおそらく塔の真実を知っていたのでしょう。眞人の頭の傷を見た夏子は、もしかしたらアオサギに襲われたのだと考えたのかもしれません。
「眞人をこれ以上傷付けたくない」という親心から、塔へ行く決断をしたのではないでしょうか。そして、お腹の子どもを跡継ぎに差し出そうとしたのだと考えられますね。
夏子が「大嫌い」と言った理由
眞人が塔まで探しにきたとき、夏子は「大嫌い」と口にしていました。
わざわざ探しにきてくれた眞人に対して酷い言葉ですが、夏子は眞人を守りたい一心で発言したのではないかと考えられます。
夏子がいた塔の産屋は、立ち入り禁止としていた異世界でした。そんな世界に、守りたい存在がやってきたら、どんな形だろうと遠ざけたいものでしょう。
実際、夏子はやってきた眞人に対して、先に「なぜここに来たの!帰りなさい!」と発言しています。本心で嫌っているのであれば、こんな言葉は出ないはずです。
そのため、夏子は眞人を守るために「大嫌い」と言ったのでしょう。
眞人が「大嫌い」という発言から「夏子お母さん」と初めて口にしたのは、もしかしたら眞人を想う夏子の気持ちが伝わったのかもしれませんね。
キリコに眞人と同じ傷がある理由
夏子のお手伝いさんとして働くキリコには、眞人と同じ傷がついています。
本人いわくヌマガシラにやられたそうですが、眞人と同じ場所にあるのは違和感を覚えます。
劇内で詳しい解説はなかったものの、おそらくキリコにも弱い心や嘘があることを表現しているのでしょう。
眞人の傷は、弱い心や噓、罪悪感の象徴です。同じ傷があるということは、キリコにも同様の本心が隠されていると考察できます。
大叔父が下の世界を作った理由
眞人がアオサギに連れてこられた異世界、通称“下の世界”は、大叔父が創造しました。
大叔父が下の世界を作った理由は、平和かつ自由な世界を求めていたからだと考察できます。
現実世界では第二次世界大戦が勃発中でした。そんな現状に絶望した大叔父は、石の力で理不尽な死がない自由で平和な世界を求めて下の世界を創造したのではないでしょうか。
実際、劇内でも「下の世界では殺生ができない」との説明があり、食物連鎖のような死は存在しています。
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『君たちはどう生きるか』の考察【ストーリー関連】
ここでは、『君たちはどう生きるか』のストーリー関連の考察をまとめています。
ヒミとナツコは別の出口から出て行った理由
本作のラストシーンで、下の世界にいたヒミとナツコは眞人と別の出口を使って出ていきました。
詳しい理由は解説されていませんが、ヒミとナツコは眞人と違う時代からだと考察できます。
そう考えると、ヒミの正体は眞人の母で間違いないでしょう。ナツコが下の世界に行ったときに姿が消えたのも違う時代のナツコがいたとなれば、納得できますね。
眞人が塔の中の記憶を保持していた理由
眞人の母が突然失踪し、下の世界から戻ってきたときには記憶が一切ありません。ところが、眞人は戻ってきても塔の中の記憶を保持しており、アオサギが驚いていました。
眞人が塔の中の記憶を保持していた理由は、若い頃のキリコにもらった人形のお守りと、丘で拾った“積み木の石”を持ち帰ったからです。
持ち帰ったものに記憶が残っていたので、眞人も塔の中のことを覚えていたのでしょう。アオサギも眞人の状況に驚いていたものの、「すぐに忘れる」と口にして飛んでいきました。
石と木の意味
眞人が大叔父の力をもたらした石に、13個の積み木など、石や気が劇内で登場しますが、具体的な説明は一切されません。
考察として多くの人が口にしているのは、「木=気(気持ち)」「石=意思」というものです。
大叔父は眞人に、13個の積み木を3日に1個積むことを継がせようとしていました。そのとき、眞人は「積み木ではなく石だ、悪意がある」と発言しています。
これを言い換えると、大叔父は今まで積んできた気持ちを託そうとしたのだと考えられます。そして眞人は「気持ちではなく意思だ、そして悪意がある」と口にしたのです。
また、空中に巨大な岩が浮いているシーンで、眞人は「墓と同じ石(悪意)だから積み石を引き継げない」と公言しています。
このように解釈すると、眞人が大叔父の跡継ぎを拒んだ理由もなんとなく理解できますね。
もしかしたら、宮崎駿監督は「どれだけ善意の気持ちがあった行為でも人の手に渡らせようとすると悪意に染まってしまう」ということを伝えたかったのではないでしょうか。
石が13個だった理由
大叔父は眞人に13個の石を3日に1個積むことを継がせようとしていましたが、なぜ石が13個だったのかは判明していません。
考察では、石の数は宮崎駿監督と高畑勲監督の作品数を暗示しているものだと考えられています。
宮崎駿監督が担当した長編アニメーションで、『ルパン三世 カリオストロの城』から『君たちはどう生きるか』まで数えると、ちょうど13作品です。
そして、大叔父の積み木部屋には8個積みあがっていました。高畑勲監督の長編アニメーションの映画本数とぴったりです。
13個の石を眞人が拒んだとき、インコ大王が勝手に積み上げ、下の世界を崩壊させました。インコ大王が宮崎駿だと考えると、大叔父の高畑勲から託されたものを無下にしてしまったと解釈できますね。
墓の門に奉られていた人物
眞人が異世界に来たときに訪れた海に浮かぶ島では、「墓の門」と呼ばれる大きな石垣の門が建っていました。
墓の門を眞人が少し開けたときに、若い頃のキリコが「墓の主が起きる」と発言していましたが、具体的な人物名は明かされていません。
誰かの魂だということはわかるので、現実世界の死者が祀られているのでしょうか。また、重厚にガードしていることから、大叔父が墓の主だという線も考えられる。
「ワレヲ學ブ者ハ死ス」の意味
海に浮かぶ島に建っていた墓の門には、「ワレヲ學ブ者ハ死ス」という文字が刻まれていました。
具体的な意味は不明ですが、単純に考えると「自分のことを学ぶ者は死ぬ」と変換できます。
また、学ぶは「まねぶ」と読めるので、「真似る」との意味合いも取れます。そのため、「自分のことをまねする者は死ぬ」という言葉にも変えられるでしょう。
実際に、大叔父のまねをして石を積まなかったことで、眞人は死を回避しています。もしかしたら、現代社会においてまねするだけでは生き残れないことを伝えたかったのかもしれませんね。
扉の数字の意味
元の世界へ戻るとき、眞人と夏子は「132」の扉を、ヒミとキリコは「559」の扉を開けていました。
この数字の意味について詳しく明かされていませんが、語呂合わせが最有力候補の考察となっています。132は「秘密」、559は「ここく」です。
本作の主題歌で、「扉を今開け放つ秘密を暴くように」という歌詞が登場します。歌詞とマッチするように、宮崎駿監督の遊び心で扉の数字を132にしたという考察です。
一方の559は「ここく」は、故国に変換できます。過去の現実世界に戻ったヒミとキリコが開けた扉に書かれていた数字なので、意味は通っていますね。
他にも、遊び心のある宮崎駿監督が直感で適当に数字をつけた、という線も考えられるでしょう。
産屋に入るのがタブーだった理由
眞人とヒミが夏子を探しに産屋へ入ったあと、インコによって捕らえられます。そのとき、アオサギから「産屋に入ることはタブーで案内も同罪」と発言していました。
なぜ産屋に入ることがタブーとなっているのか、劇内で詳しく説明されていません。
ただ、インコやアオサギが産屋に入ることをタブーだと言っていましたが、下の世界を創造した大叔父からは何も咎められておらず、眞人とヒミのタブーは知らぬ間に許されています。
この描写から、産屋に入るのがタブーだったのは眞人やヒミでなく、インコに対するものだと考察できます。
下の世界にいるインコは、生きるために人間を食べ物としています。ただ、お腹に子どもがいる人間であれば、インコは食べません。
産屋には産後の母と子どもがいて「お腹に子どもがいる人間」から外れるので、インコは食べ物と認識するのでしょう。それを恐れた大叔父は、産屋に入ることを禁忌にしたのだと考えられます。
大叔父がインコに対してつけたタブーであれば、産屋に入った眞人とヒミに何の罰も与えられなかったことも納得ですね。
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まとめ|考察を踏まえたうえで『君たちはどう生きるか』を視聴してみよう
今回は、ジブリ最新作『君たちはどう生きるか』の謎や疑問を徹底考察しました。
今までのジブリ作品と異なり、ストーリーを魅せるというよりも、『君たちはどう生きるか』は視聴者に見せてどう感じたかを問うような内容に仕上がっていましたね。
そのため、多くを説明せず、あえて疑問を残した描写で様々な謎が浮き上がり、ネット上でも色々な考察が出ています。
考察を見たうえで再度『君たちはどう生きるか』を視聴すると、新しい発見があるかもしれません。ぜひ考察を踏まえて、『君たちはどう生きるか』を視聴してみてくださいね。
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ビギナーズでは、ジブリ映画を視聴できる動画配信サービスやジブリ作品の見る順番などを紹介しています。『君たちはどう生きるか』以外のジブリ映画に興味があれば、ぜひチェックしてみてください。
ゆりかご /
ビギナーズ編集部 ライター
アニメ・漫画好きのフリーライター。 学生時代は軽音楽部に所属し、ドラムを中心にギターやベースを経験しました。 現在はインスタでファッション系インフルエンサーとして奮闘中。 色々なことに挑戦することが大好きです。