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金管楽器の選び方|種類と音色の特徴を解説!自分に合う金管楽器はどれ?

金管楽器には色々な種類があり、音色や特徴も様々です。この記事では、金管楽器の種類と音色の特徴、楽曲での役割や、担当楽器を選ぶ時のポイントを紹介していきます。楽器を購入する際のチェックポイントや注意点も解説しているので参考にして下さい。
金管楽器の選び方|種類と音色の特徴を解説!自分に合う金管楽器はどれ?

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「これから金管楽器を始めようと思っているけど、どんな楽器があってどんな役割があるのかわからない」という人は多いのではないでしょうか。金管楽器といっても色々な種類があり、役割や音色も様々です。

楽器を選ぶ上で大切なのはまずその楽器についてよく知ることです。どんな役割がある楽器なのか、どんな音色の特徴があるのかを知った上で楽器を選ぶことは、楽器を好きになるきっかけにもなります。

この記事では金管楽器の種類と役割、担当楽器の選び方について解説します。金管楽器を選ぶ際のヒントとして役立ててください。

金管楽器の種類と役割

金管楽器の種類と役割をオーケストラスコアの順番で紹介します。

ホルン

ホルンはメロディーからハーモニーまでカバーできるとても器用な楽器です。優しく柔らかい温かみのある音色が特徴で、金管楽器の中でも人気が高いです。

木管楽器に良く馴染む音色で、木管楽器と同じフレーズを演奏することもあります。また、木管楽器に音色が近いことから、木管アンサンブルの一員となって演奏することもあります。

ホルンには様々な種類がありますが、一般に「ホルン」と呼ばれているものは「フレンチホルン」を指します。他にも、シングルホルン、フルダブルホルン、トリプルホルン、アルトホルンがあります。

金管楽器の中では一番小さいマウスピースを使用します。唇の振動をコントロールして音程を変えることから「一番難易度の高い金管楽器」としてギネスに登録されています。

一見目立ちにくいホルンですが、近現代楽曲はホルンが活躍する曲も多く、ホルンの目立つパートがある楽曲も増えてきています。

ホルンはこんな人におすすめ

ホルンは優しい音色で、埋もれがちなパートですが、楽曲の中で重要なフレーズを演奏したり綺麗なハーモニーを担当することも多いので、ホルンの音色が好きな人にとくにおすすめです。

また、マウスピースが金管楽器の中で一番小さいため唇の薄い人に向いています。

唇の振動をコントロールして音の高さを変えることは慣れるまで難しいため、忍耐力のある人に向いている楽器であるともいえます。

こちらの記事では、ホルンの種類・特徴・人気メーカー・初心者におすすめモデルもご紹介しています。

トランペット

コンパクトな外見とは変わって目立つパートのあるトランペットはとても人気のある金管楽器です。吹奏楽では冒頭のファンファーレを担当することも多く、その音色に憧れてトランペットを始める人も多いです。

突き抜けるような華やかな音色が特徴で、吹奏楽の花形楽器ともいわれています。金管楽器の中では音域が最も高く、メロディーパートを担当することが多い楽器です。

トランペットは、マウスピースを使用して唇を振動させて発音します。加えてバルブを使い、管の長さを変えて音程をコントロールします。

唇の振動だけで音程を変える楽器と比較して、やや難易度が低い楽器であるといえます。

また、トランペットはマウスピースによって音が柔らかくなったり、明るくなったりするため、音の変化を楽しめる楽器でもあります。表現の幅が広く、長く楽しめる楽器です。

トランペットはこんな人におすすめ

目立つフレーズや軽快な音色で楽曲を引っ張っていくトランペットは、チームのムードメイカー的存在に向いている楽器です。

楽曲の山場で、トランペットの音色のキャラクターを十分発揮できる人に担当してもらいたい楽器です。

また、トランペットはマウスピースが小さいため、唇が薄い人に向いています。

種類が多いトランペット

トランペットは金管楽器の中でも種類が多く、全部で10種類以上もあるといわれています。その中でもよく知られている一部を紹介します。

ファンファーレトランペット

ファンファーレによく用いられるトランペットです。B♭管、C管、E♭管の3種類があり、それぞれ音域が違います。

最も一般的なトランペットはB♭管で、吹奏楽やオーケストラで使われるのもB♭管であることが多いです。

E♭管はあまり使われることがありませんが、ハイドンやフンメルなどの一部の古典的なクラシック楽器に用いられることがあります。

ピッコロトランペット

B♭管よりも1オクターブ高い音域のトランペットで、運指はB♭管と同じです。普通のB♭管よりも1オクターブ分音域が狭く、その分管が短いのが特徴です。

バロック楽曲などで高い音域を担当する金管楽器で、ファンファーレトランペットより明るく軽い音色です。

ロータリートランペット

ファンファーレトランペットを寝かせたような見た目をしているトランペットです。

管の巻きが緩やかでベル部分が大きいため、ファンファーレトランペットよりも柔らかく馴染みやすい音色をしています。

一部のオーケストラ楽曲やジャズ楽曲で用いられることがあります。

コルネット

ファンファーレトランペットよりも柔らかい音色が特徴です。オーケストラ楽曲ではコルネットを使う様に指示がある楽曲もあり、ブラスバンド楽曲で頻繁に用いられる楽器です。

トランペットよりも柔らかい音色が欲しいというときに用いられる場合があります。

フリューゲルホルン

楽器名にホルンと付いていますが、トランペット属に属しているバラードでよく活躍する楽器です。

コルネットよりも更に柔らかく優しい、ホルンに近い音色です。高音が発音しにくいという楽器の癖があります。

こちらの記事では、初心者のためのトランペットの始め方を解説しています。

トロンボーン

トロンボーンは人の声に一番近い金管楽器といわれている楽器で、芯のあるよく響く中音域の音色が特徴です。力強い音色なのでオーケストラや吹奏楽曲では存在感を発揮します。

マウスピースを使って唇を振動させることで発音し、スライドを移動して音程をコントロールします。グリッサンドやピッチベンドなどのスライド奏法が得意です。

ハーモニーが得意な楽器で楽曲では伴奏パートを担当することが多いです。複数本のトロンボーンが演奏する単音を合わせてハーモニーを作るため、トローンボーンパートの人はチームワークを要求されます。

トロンボーンはこんな人におすすめ

スライドを移動して音程をコントロールするため、身長の高い人や手の長い人に向いている楽器です。

また、伴奏パートを担当することが多く裏拍での演奏も多いため、リズム感のある人や難しいリズムを冷静に対処しながら演奏できる人におすすめです。

細管と太管とでマウスピースの大きさが変わるため、唇の厚さはあまり気にする必要はありません。

こちらの記事では、トロンボーンの基本の吹き方などを解説しています。

チューバ

金管楽器の中で一番大きく、最も低い音を担当する楽器です。一般に「チューバ」と呼ばれるものは「バスチューバ」を指します。

ずっしりとした重低音が特徴です。とても目立つ音色でブラスバンドや吹奏楽などでは花形の楽器ともいわれています。

マウスピースを使用して唇を振動させて発音します。マウスピースはとても大きく唇を覆い隠すほどの大きさで、金管楽器の中では最も大きいサイズです。

チューバはオーケストラや吹奏楽など、編成に関わらずベースラインを担当する場合が多く、土台として音楽を支えます。楽曲によっては曲中にメロディーパートを担当する場合があります。

チューバはこんな人におすすめ

とにかく目立つ重低音パートなので、目立つパートや低音パートを演奏したい人におすすめの楽器です。

楽器が重く、肺活量が必要であることから他の楽器と比較して男性が多いです。大きく持ち運びが大変な楽器なので、縁の下の力持ちタイプの人に向いています。

また、ベースパートは楽曲の土台となるため、リズム感と安定感が要求されます。ベースパートが消えてしまうとスカスカな音楽になってしまうため、責任感のある人に向いているともいえます。

チューバの仲間の楽器

チューバには仲間の楽器が2つあります。それぞれの音色の特徴と役割を解説します。

ユーフォニウム

ユーフォニウムはオーケストラで「テナーチューバ」ともいわれている楽器です。トロンボーンと同じ音域を担当することが多い楽器で、トロンボーンよりも柔らかい音色が特徴です。

吹奏楽曲ではメロディーのソロパートや重要なフレーズを担当することもあります。

楽器を抱きかかえるように持って演奏するため腕の力が必要ですが、初心者でも音が出しやすい楽器であるといわれています。

肺活量に自信のない人や金管楽器初心者にもおすすめの楽器です。

スーザフォン

マーチングでよく活躍する楽器で、マーチングブラスとも呼ばれています。スーザフォンが必須とされている楽曲もあり、マーチングでは欠かせない存在です。

野外で演奏することを想定された作りになっており、ベルが大きい風変わりな形状をしています。低音パートを担当することが多い楽器です。

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担当楽器を決めるときのポイント

オーケストラや吹奏楽、マーチングバンドに加入して担当楽器を決めるときのポイントを紹介します。

自分が好きな音色で選ぶ

一旦パートが決まってしまうと、他のパートに移動することが難しくなってしまいます。同じ楽器を長く続けていくためにも、自分が好きな音色の楽器を選ぶことが大切です。

もし名前だけでは楽器の名前が分からないという場合は、色々な楽曲を聴いて好みの音色を探してみてください。部活動やサークスの場合は仮入部などで試し吹きさせてもらうのもおすすめです。

楽器の音域や役割で選ぶ

楽器にはそれぞれ違った音域や役割があります。

例えばメロディーを演奏したい場合はトランペットを、ベースを演奏したい場合はチューバを、ハーモニーを演奏したい場合はトロンボーンをというように、自分が担当したいパートに合わせて選ぶのもおすすめです。

高い音色の楽器が好きであればトランペットを、中音域が好きであればホルンやチューバを、低音が好きならチューバを選ぶのもよいでしょう。

体格に合っている楽器を選ぶ

楽器によって必要な肺活量が違ったり、楽器によっては非常に重いため、支える力が必要という場合もあります。自分の肺活量や力をよく考えて自分に合っている楽器を見付けることも大切です。

とくにチューバやユーフォニウムは楽器が大きかったり、抱えて演奏する必要があったりするため、腕の力が要求されます。

持ち運びの際も楽器が大きく大変なので、それを考えた上で楽器を選ぶ必要があります。

楽器を購入するときの選び方やポイントを紹介

担当楽器やパートが決まって楽器を購入する際の注意点を解説します。

本格的に演奏したいのであれば「本物」を

初心者向けの格安の楽器もありますが、本格的に楽器を演奏するのであれば、10年、20年先を見据えた「長く使うための楽器」「本物の楽器」を選ぶほうがよいでしょう。

その際、各メーカーの初級者向けの機種、定番人気の商品を参考に選ぶのがおすすめです。

楽器は高価なものになるほど繊細な作りになっているため、いきなり上級を機種すると吹きこなせない場合があるため注意が必要です。

購入前に楽器店の店員や所属する吹奏楽部・楽団の顧問などに相談することをおすすめします。

新品か中古か

新品・中古それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

新品の楽器を購入するメリット・デメリット

新品の楽器を購入するメリットは以下のようなものが挙げられます。

  • メーカー保証がついているため壊れても安心できる。
  • まだ誰も使っていない楽器なので音色や演奏感に癖がない。
  • 定期的なメンテナンスを行うことでトラブルなく長く使うことができる。
  • 自分の出したい音色にカスタマイズしやすい。

一方、デメリットもあります。

  • 中古楽器と比較して価格が高い。
  • ジャズなどで求められる渋さのある音色が出しにくい。

楽器の新品購入はメーカー保証がついてくるため、万が一楽器の調子が悪くなったときでも安心です。中古楽器と比較して価格は高くなってしまいますが、万が一の修理費用を考えると、新品楽器がおすすめです。

音色に癖がないため、自分が好きな音色へのカスタマイズがしやすいです。

中古の楽器を購入するメリット・デメリット

中古の楽器を購入するメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 新品楽器と比較して価格が安い。
  • 生産完了してしまったモデルを購入することができる。

一方、デメリットもあります。

  • 前に使っていたユーザーの癖が楽器に残ってしまっている。
  • メーカー保証がないため破損やトラブルの際にお金がかかってしまう。
  • 新品の楽器と比較して楽器の耐久力がない。
  • 定期メンテナンスしてもトラブルが起こる可能性が高い。

中古楽器は新品楽器と比較して楽器の耐久力がないため、トラブルが起こる可能性が高いというデメリットがあります。

ただし、生産完了してしまったモデルが手に入る可能性があるため、渋い音色が欲しいという人にはおすすめです。

試し吹きをさせてもらう

楽器店によっては試奏が可能な店舗もあります。試奏することで実際の音色がわかるので、楽器店に行く前に試奏できるかを確認し、可能であれば試奏して楽器を選ぶのがおすすめです。

試奏する際、正しい姿勢で構えられるか、自分に合った音が出せるか、音程が取れるか等を確認するようにしましょう。

試奏で使うマウスピースは持参する必要があるため、忘れずに用意するようにしてください。

楽器別の購入前チェックポイント

楽器別の購入前チェックポイントを紹介します。

トランペット

トランペットは、真鍮銅と亜鉛の合金でできており、銅と亜鉛の割合によってイエローブラス・ゴールドブラス・レッドブラスに区別されます。

イエローブラス・ゴールドブラス・レッドブラスの順に銅の比率は多くなり、値段が高くなります。

素材によって音色の響き方が違うため、購入の際はよく検討するようにしましょう。

初心者は「YAMAHA スタンダードシリーズ」など、初心者セットから始めるのがおすすめです。

ホルン

ホルンは3種類の真鍮でできており、比率によって音質が異なる楽器です。

また、他の楽器と比較してパーツの量が多いのでその加工精度やメーカーによって大きく音質が異なります。

上級者になるとパーツの組み合わせで自分好みにカスタマイズすることも可能ですが、初心者はフルダブルホルンから始めるのがおすすめです。

トロンボーン

トロンボーンは3種類の真鍮でできており、比率によって音質が異なります。

また、テナートロンボーン、テナーバストロンボーン、バストロンボーンなど音域の異なるトロンボーンがあるため、自分の担当するパートに合わせて楽器を購入する必要があります。

ジャズであれば細管のテナートロンボーンを、オーケストラや吹奏楽であればテナーバストロンボーンがおすすめです。

初心者向けのセットが販売されているので、初心者はセット購入がおすすめです。

チューバ

チューバも3種類の真鍮でできており、比率によって音質が異なります。

楽器がとても大きいので、実際に楽器を構えた状態で、マウスピースが正しい位置にくるかどうか、バルブを無理なく操作できるかどうかをチェックする必要があります。

B♭管、C管、E♭管、F管がありますが、吹奏楽やオーケストラで広く用いられるのはB♭管です。

自分にぴったりの金管楽器を見つけよう

金管楽器と一括に言っても様々な役割や音色があります。

そして楽器には役割や音色の違いだけではなく、それぞれのキャラクターがあります。楽曲の中で楽器のキャラクターが活かせる場面がたくさん出てきます。

自分が担当する楽器の特徴をよく理解し、楽器が持っているポテンシャルを出し切れるよう演奏を楽しんでみてください。

どの金管楽器にしようか迷う方、決めてはいるけど購入前に自分との相性をきちんと確かめたい方は、楽器レンタルサービスがおすすめです。

ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味と出逢うメディアサイト「ビギナーズ」の編集部です。趣味を見つけたい方を応援します。

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