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吹奏楽で使われる楽器の種類と役割をわかりやすく解説
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吹奏楽とは「木管、金管楽器を主体とし、これに打楽器を加えた合奏」のことです。一般的に耳にするブラスバンドも吹奏楽に含まれます。
吹奏楽は昔から人気があり、小学校から大学、企業などにもアマチュア愛好家たちが吹奏楽団を結成して演奏活動を行ったり、吹奏楽団を対象としたコンクールなども積極的に行われています。
チームワークが要求される吹奏楽。楽器は習ったことがないけれど、皆と一緒に演奏したい場合、どの楽器がよいのか、どのようにしたら吹奏楽の仲間に入れるのかについて、わかりやすく解説します。
目次
吹奏楽で使われる楽器の種類
吹奏楽は木管楽器、金管楽器、打楽器を使うことがメインですが、使用される楽器に厳格な決まりはなく、楽曲や楽器編成、演奏する場所によって使用する楽器を換えることもあります。
ここでは、基本的な吹奏楽に使用する楽器について種類別に特徴や楽曲における役割などを説明します。
可愛らしく綺麗な音色の木管楽器
木管楽器は、リードという薄い板状のものを息によって振動させて音を出す楽器を指します。リードには元は葦を使用していましたが、今は暖竹という葦の一種を用いています。
リードを用いる楽器として代表的なものはクラリネットやオーボエなどです。クリアな音が特徴的でメロディや引き立たせたいフレーズパートに多く使われています。
華やかで煌びやかな音色の金管楽器
金管楽器は、管の先につけた金属製のマウスピースから息を吹き入れて音を鳴らします。
はっきりと遠くまで響くような音色なので、吹奏楽の中では一番華やかなパートを担当することが多く、「盛り上げ役」ともいえる楽器です。
金管楽器のほとんどはベル(ラッパ)の形をしている部分から音が出ます。マウスピースの形状にはそれほど違いはなく、ベル部分の大きさや通風筒の長さや太さなどの形状で音色が違ってきます。
バスパートを担当する低音楽器
低音楽器は木管楽器、金管楽器両方にもあります。楽曲でいうと、主に一番低音の部分やバスパートを担当する楽器を指します。
また、メロディをソロで演奏することは少ないですが、合奏をする上で土台の部分を担当する大切な楽器です。
土台を支えるパートを一人で担当することも多いので、しっかりとしたリズム感やテンポがキープできる人に向いています。
楽曲を支えるリズム隊の打楽器
音楽を演奏する際に必要なことは「メロディ」「リズム」で、特に複数人数で演奏する場合は「リズム」が大切な要素になります。その「リズム」を手がけるのが打楽器の役目です。
打楽器には多くの種類があり、楽曲によって使い分けをします。ドラムやティンパニなど大型のものから、トライアングルやカスタネットなど小型のものまで様々です。
また、木琴やグロッケンなど、メロディを演奏できる楽器も打楽器に含まれます。
木管楽器の種類と役割
木管楽器は、木でできている楽器という意味ではありません。息を吹き込む部分にリードという器具をつけ、息によってリードを振動させて音を出す楽器のことを指します。
ここでは、木管楽器について説明します。
ピッコロ
木管楽器の中で最も高音域を担当する楽器です。形状としては、フルートのように横に構えて演奏しますが、フルートより小さく、音もフルートより1オクターブ高い音域が出ます。
キラキラした可愛らしい音色なので、メロディというよりもフルートと一緒に演奏したり、飾りの部分を担当することが多い楽器です。
木管楽器ですがリードがなく、息の吹き込み口に唇を合わせ、リードのように息を震わせて音を出します。口の部分を咥えないので、音が出せるようになるまでは難しく感じるかもしれません。
演奏方法はフルートと同じなので、フルートと兼用して演奏する人も多い楽器です。
フルート
ピッコロと同じようにリードのない横笛の金属製木管楽器です。長さは70cmとピッコロより長くなっています。
音色が柔らかく演奏している見た目もオシャレなので、とても人気のある楽器です。澄んだ音色で、大事なフレーズパートを担当することが多い楽器です。
直接口をつけて演奏するので、もし学校などの吹奏楽部でフルートを演奏したいならば自前のフルートを用意しなければいけません。
ちなみに、価格は素材によって違い、洋銀製なら6万円程度、金やプラチナ製なら1000万円ほどです。
初めて買う場合は6万円程度の、フルートの中では比較的安価なタイプで十分でしょう。
オーボエ
2枚の細いリードをつけて演奏する竪型の木管楽器です。比較的高い音域ですが、とてもクリアな音色なのでメロディーパートに用いることが多い楽器です。
音が出せるようになるまでが難しい楽器ですが、練習しがいのある楽器として人気があります。さらに、リードの調整をするのも大変ですし、調整次第で音色が変わってしまう楽器でもあります。
元々が個性的な音色なので、ソロパートを演奏する楽器としても重要な存在です。
また、細かいパッセージを演奏するのも楽なので、16分音符など細かくテンポのあるフレーズによく用いられています。
木製とプラスチック製がありますが、木製の場合はリードだけでなく楽器本体のメンテナンスも必要です。
他の楽器に比べると手間がかかりますので、初心者には楽器本体のメンテナンスにさほど時間をかける必要のないプラスチック製をおすすめします。
こちらの記事では、初心者向けにオーボエの吹き方や選び方などを解説しています。
クラリネット
吹奏楽の中でも一番多くの演奏者がいる楽器です。それは、音域の広さや種類の多さから、メロディパートから伴奏パートなど幅広く使い勝手がよいからです。
また、リードの部分を咥えて縦笛のように吹くので、他の吹奏楽器に比べると音も出しやすいことから人気のある楽器です。柔らかく温かい音色も人気の1つです。
1枚のリードを用いる竪型の木管楽器です。演奏方法は、リコーダーに似ていますが、それぞれにピストンがついていますので、運指は楽です。
バス・クラリネットやアルト・クラリネットなどもありますが、よく使われているタイプのクラリネットには変ロとイの2種類の移調楽器があり、合奏する際には調性を合わせたり運指を変える必要があります。
サクソフォン
1枚リードを使用した楽器で、演奏者の吹き方によって音色や音量などが違いますので、楽曲で吹き分けると奥の深い演奏ができます。
サクソフォンにはソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスの5種類あり、それぞれに力強い音が出る楽器です。通常、サクソフォンといえば、アルトサックスのことを指します。
吹奏楽だけではなく、少人数のバンドなどでも重要なパートを担当することの多い楽器でもあります。
また、ソロ楽器としても使えますし、サックスだけのアンサンブルも魅力的です。
吹奏楽でなくても、個人の趣味としてもサックスは人気です。大人こそおすすめしたいサックス。こちらの記事では、サックスを趣味にするための5つの基礎知識を解説しています。
金管楽器の種類と役割
吹奏楽で、最も華やかなイメージを与える楽器は金管楽器です。
金管楽器は、金属でできている楽器という意味ではなく、マウスピースを装着する楽器のことを指します。
ここでは、金管楽器について説明します。
トランペット
吹奏楽のような大人数での合奏だけでなく、ソロ楽器としても存在感のある金管楽器です。
マウスピースから息を吹き込み、3つのピストンを使って音の高低を表現します。
マウスピースは簡単に取り外しができるので、初心者が音を出す練習をするのにマウスピースだけで練習をすることもあります。
煌びやかでよく響く音色が特徴的で、楽曲中の華やかな場面で使用することが多い楽器です。
また、音域・音量ともに幅広いので、メロディだけではなく伴奏や効果音的にも使えます。
トロンボーン
「神の楽器」といわれている楽器です。長く伸びた管をスライドさせて音の高低をつける演奏方法は他の楽器には見られません。
トランペットよりも音域が低く、トランペットと同じフレーズを奏でることでハーモニーが生まれる楽器です。低い音質ですが、柔らかで耳障りのない音色は「人の声に最も近い」といわれています。
低い音域でのメロディ演奏をする際にも用いられる楽器です。
ホルン
他の金管楽器と形状が違うので見た目からも華やかさが感じられますが、「最も難しい金管楽器」としてギネス認定されています。
ベル(ラッパ)の部分に右手を入れて、音色を調節しながら演奏するのが大きな特徴です。
比較的低音域のパートを担当することが多いですが、温かく丸みのある音色からメロディよりも伴奏部分に用いられます。
また、木管楽器との相性もよく、ホルンの音色が浮いてしまうことがないので、木管楽器の邪魔をすることなく同じフレーズを演奏して厚みをつける役目もします。
ユーフォニウム
「よく響く」を意味するギリシア語が語源となっているだけあり、低い音質ながらも遠くまで届くぐらいの響きのある音色です。
形はホルンのような渦巻き状をしていますが、ホルンよりも大きく、吹奏楽器の中でも大型の金管楽器です。
管の部分が長いので音域も低く、楽曲の中でも低音部のパートを担当することが多い楽器です。
また、ホルンよりも音域が広いので様々な楽曲に使われています。
低音楽器の種類と役割
以上でも紹介したように、木管楽器、金管楽器それぞれに低音域を演奏する楽器、いわゆる低音楽器があります。
ここで、いくつかの低音楽器の特徴と役割について解説します。
バスクラリネット
クラリネットの中で最も低音域の音を出す楽器です。音が低いだけでなく、温かくしっかりと厚みのある音色を持ち、合奏の中では大切な土台を支える役目をする楽器です。
形状は、よく使用されているアルトクラリネットとほぼ同じですが、音域が普通のクラリネットよりも1オクターブ低いのが特徴です
音色にアルトクラリネットのようなクリアさはありませんが、力強く厚い響きがあります。
ファゴット
全長2.6mと長く、一見して演奏しづらそうですが、「束」という名前の通りに二つに折り曲げられた状態になっていて、中央にある口から息を吹き入れて音を出すといった、他の楽器とは見た目も演奏方法も違うユニークな形状の木管楽器です。
木管楽器の中では低音域を担当しますが、音域も広く細かい音表現も可能なため、いろいろな演奏法ができます。
音色は低くてホルンとオーボエなどが混ざり合ったような独特な音色です。そのため、静かなフレーズでソロ楽器として用いられることが多いです。
チューバ
金管楽器だけでなく、吹奏楽器の中で最も低音域を担当する楽器です。楽曲の中で低音部といえば、曲の土台となるベース部分ですが、その土台を支える楽器として重宝されています。
音を出すのにかなりの肺活量が必要なので伸びのある音を出すのは難しいですが、低音ながらもずっしりと地に響くようなインパクトのある音色を出すことができます。
ステージ上での演奏だけでなく、マーチングバンドでも存在感のある楽器です。
コントラバス
吹奏楽といえば、大抵は手に持って演奏できる楽器が多いですが、コントラバスは手に持たず地面に立てて使う、唯一の弦楽器です。
弦楽器の中で最も低音なので、楽曲の中でも低音パートを担当することが多い楽器です。ソロとして演奏することは少なく、他の低音部などと同じフレーズを演奏し、厚みをつける役割をしています。
木管楽器と金管楽器、低音楽器から吹奏楽に使われる楽器をご紹介しましたが、ジャズ音楽ではまた少し使用される楽器が異なります。こちらの記事では、ジャズ音楽で使用される楽器や種類などをまとめています。
打楽器の種類と役割
打楽器は、楽曲を支えるリズムを担当する楽器です。そのため、響きが良く安定したリズム感が要求されます。一口に打楽器といっても、音域や音色などいろいろなものがあり、楽曲によって使い分けることが多いです。
音域が低いものでは、バスドラムやティンパニなど大型の楽器、高音域ではグロッケンやシンバル、トライアングルなどがあります。
また、グロッケン、マリンバ、ビブラフォンは鍵盤楽器状に音階になっているため、メロディラインを演奏したり、ソロ楽器として使用することもあります。
楽曲中通して1つの打楽器を担当することもありますが、多くは部分的にいろいろな打楽器を用います。
そのため、一人の打楽担当がいろいろな打楽器に持ち替えて演奏することも珍しくありません。
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その他の吹奏楽で使われる楽器
ほとんどの吹奏楽では、以上のような木管楽器、金管楽器、打楽器をメインに使います。
しかし、吹奏楽といっても厳密な決まりはなく、楽曲によって楽器編成を変えることもしばしばあります。
一般的には、次のような形態や楽器を使用する吹奏楽もあります。
マーチングブラス
吹奏楽はスポーツなどの場面で応援の方法として利用することが多いです。特に中学や高校の吹奏楽部はスポーツ大会に駆り出されることが多いため、演奏する楽曲もマーチが多いです。
また、中学・高校を対象にした吹奏楽部のコンテストなども盛大に行われています。
マーチングブラスでは、行進しながら、いい換えればマーチングしながら演奏できる楽器を使用します。そのため、1人で持ちながらで演奏できる形や大きさ、重さに限定されます。
たとえば、ステージ上では床に立てかけながら使用したり座った状態で演奏するので、ある程度重くても大丈夫ですが、歩きながらでは重いと支えるだけでも大変です。
そのため、ステージ用よりも軽量だったり持ちやすい形になっていたり、工夫されています。
また、全員が同じ方向に進みながら演奏するため、音も同じ方向に響かないとよい演奏に聞こえません。
そのために、ベル(ラッパの部分)がすべて進行方向に向くように作られていたり、ステージでも使えるようにベルの向きを変えることができる楽器もあります。
ほかに、マーチング用に作られた楽器もあります。スーザフォンは低音パート用のマーチング仕様の楽器です。大きな渦巻き状に体を入れ、体に巻き付けたような状態で演奏します。音色はチューバのように低く、ベースパートを担当します。
楽器自体も大きく見た目も豪快なので、マーチングには欠かせない楽器です。
ピアノ・ハープ
吹奏楽というと息を使って演奏する管楽器だけで構成されているイメージが強く、さらに手に持って行進しながら演奏できる楽器しか使わないと思われがちです。
しかし、吹奏楽は原則として管楽器をメインにしたジャンルというだけで、楽曲や楽器編成上、鍵盤楽器やハープなどといった普通は持ち歩きしないような楽器を使う場合もあります。
特に、クラシック曲ではオーケストラとは弦楽器と吹奏楽器の違いがあるぐらいで、演奏する楽曲がほとんど同じで、編曲が吹奏楽用になっているものも少なくありません。
そのため、ピアノやハープなどの鍵盤楽器を、メロディパートや伴奏パートの補助として利用することもあります。
エレキベース・ギター
演奏する楽曲はマーチ曲やクラシックだけとは限りません。最近では、ポップス曲も多く演奏されています。そのため、エレキベースやギターが用いられることも多くなりました。
なお、エレキベースは楽器の性質上、コントラバス担当の演奏者が掛け持ちでエレキベースを演奏することが多いようです。
広い会場やステージで演奏をする場合、ベースは音が響きづらいため、ベースラインの音を全面に出したい場合は、あえてアンプを使ってエレキベースを使うこともあります。
また、ギターは複数の人が演奏するのではなく、ソロ楽器として使用することが多いようです。
自分に合った好みの楽器を見つけよう
以上のように吹奏楽ではいろいろな楽器が使われていて、それぞれに特徴や役割が違います。
また、楽器によってはマスターする難易度も違います。どの楽器にしても、練習をしないでできるようにはなりませんし、できるようになれば、どの楽器でも楽しく愛着が湧いてきます。
楽しみながら長く続けていけるような楽器がよいでしょうし、自宅などでプライベートな時間に自由に練習できる環境も必要です。
また、楽器がどんなに上達しても、吹奏楽は1人ではできません。ある程度の人数が必要ですので、既にある楽団などを探して加入することになります。その際、どのような楽器を必要としているのか事前にリサーチすることも必要です。
比較的気軽にできる楽器奏者はどこの楽団にも多くいます。そのため、入りたくても入れない場合があります。
まだ、どの楽器にするか決めていなくて、どうしても吹奏楽をやりたいのであれば、あまり奏者のいない楽器を選ぶのも1つの手段です。
こちらの記事では自分に合う金管楽器の選び方について解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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