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ピアノと電子ピアノを融合した最近話題のハイブリッドピアノとは?
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最近“ハイブリッド“という言葉をよく耳にしますが、「融合」や「組み合わせた」という意味を持ちます。今回は”ハイブリッドピアノ“といって、ピアノと電子ピアノを融合させてできた、最新楽器の音の鳴る仕組みから特徴まで解説していきます。
目次
アコースティックピアノと電子ピアノのハーフ
ハイブリッドということで、簡単にいうとアコースティックピアノと電子ピアノのハーフのような特徴です。まずはアコースティックピアノと電子ピアノの特徴からおさらいし、どのような“いいとこ取り“をしているのかについて、紹介していきます。
アコースティックピアノの特徴と仕組み
グランドピアノやアップライトピアノのことを“アコースティックピアノ”といいますが、それらは鍵盤を押したとき、およそ70個もの部品が使われている複雑な機構が連動してハンマーを動かし弦を叩いています。
ハンマーが弦を叩いた後にその振動が駒から響板に広がるので、楽器全体が共鳴体となり豊かな響きが生まれます。鍵盤を押す力加減によって音の強弱が変わりますので、演奏者の表現力がはっきり出てきます。
同じピアノでも演奏者の表現力によって変わる自然にできる音色こそがアコースティックピアノの良さです。また弦の状態、ピアノが置かれている環境によって響きが変わってしまうほどの繊細な楽器でもあります。
電子ピアノの特徴と仕組み
電子ピアノは複雑なハンマーアクションも響板も無く、鍵盤を押すとその動きをセンサーが感知し、デジタルで録音されたグランドピアノの音をアンプで増幅しスピーカーから音を出します。音の強弱や表現という微妙な動きもすべてセンサーで感知し、デジタル技術によって音の広がり方、余韻を作ります。
最近の電子ピアノはよりアコースティックピアノに近い音を再現しており、趣味で始める方から、プロの演奏者まで幅広く使われています。
また、アコースティックピアノを持っている方でも、電子ピアノを所有している方が多くなってきました。音量が調節できたりヘッドホンを使用することで、より多くの練習が可能となるため、セカンドピアノとしても人気の楽器です。
それぞれのメリットを融合したことでできたハイブリッドピアノの特徴
先ほどの2つのピアノ、それぞれメリット・デメリットがあるので、少し整理してみましょう。
まず、アコースティックピアノのデメリットとして、発表会やコンクールに向けてグランドピアノで練習したいけど近隣への音漏れが気になるため、練習が思うようにできない”ということ。
それなら音量を調節すればいいのでは?と思うと思いますが、実際本格的に練習している方、2つとも持っている方は、次のようなデメリットを感じるようになります。
“電子ピアノのデメリット時間を気にせず夜もピアノを楽しみたいが電子ピアノでは物足りない”特に2台持ちの方は昼間の練習と夜の練習で明らかに違う音とタッチ感など、ピアノになれてしまうと、多少なりとも違和感を感じるようになります。これは演奏者として、練習が思うようにいかない、はかどらない、と感じてしまう原因でもあり、とても大変なこととなります。
また、それ以前に“自宅にグランドピアノやアップライトピアノを置けるスペースが確保できない”など・・・このような悩みはたくさんあるものです。そこでその悩みを解決するために生まれたのがハイブリッドピアノです!
ハイブリッドピアノはアコースティックピアノのハンマーアクションが搭載された電子ピアノで、鍵盤のタッチ感は本物そのものですが弦は張られておらず、最新のデジタル技術を使って豊かな音を作り出します。最低限のスペースで音量調節も可能なのでまわりや時間を気にせず本格的にピアノを楽しむことができます。
電子ピアノとハイブリッドピアノの違いと共通点
今度はハイブリッドピアノと電子ピアノを比較してみましょう。これからピアノを始める方、今ピアノを習っているけど、電子ピアノかアコースティックか迷っている方など、ピアノ選びはとても迷うものだと思います。これを読んで、その悩みを少しでもクリアにできたらいいなと思います。
“音色”と“タッチ”が違う
ハイブリッドピアノと電子ピアノの主な違いは音色やタッチの違いです。ハイブリッドピアノはアコースティックピアノと電子ピアノのいいとこ取りなので、音色やタッチはより高性能になっていて、特にタッチ感はリアルなピアノと見分けが付かないくらいです。
また、ペダルの感覚も重みがあって、繊細なペダル操作ができるようになっています。
“値段“の違い。性能のいいものだとアップライトピアノに近い
ピアノ選びはやはり予算の都合もあると思います。私の生徒さんもまずは値段を気にしている方がほとんどです。電子ピアノは安いものなら3万円程度で買えますが、ハイブリッドピアノだと安くても40万円はします。
私が電子ピアノでおすすめしているのは安くても、15万円。それ以上のものでも大丈夫だったら、20万前後のものにしてくださいと伝えています。
もちろん、5万円程のものでもいいですし、実際私も持っていますが、クラシックなどの表現力が最重要となる場合、そして難しい曲や激しい曲を弾く場合、練習にならないくらい、物足りないことがあります。
私は夜練習することが多いので、このピアノでやるしかないと思っていますが、本格的に練習するとなった場合は、指導者として安易に安いものをお勧めできません。なので、値段で決めないでほしいということが正直な気持ちですが、現実は性能のいいものだと普通のアップライトピアノと変わらないくらいの値段になります。
“打鍵音”重みがあるため建物の構造によっては騒音になってしまう
ハイブリッドピアノを迷っている方の中には、騒音なども気にしている方もいると思います。たしかに、打鍵に重みがあり、そこまで神経質になる必要はないですが、建物の構造によっては騒音となってしまう可能性があります。
この点は実際に楽器店などの店頭で確認して、慎重に選んだほうがいいと思います。
電子ピアノの利点、デジタル技術と機能は共通
ハイブリッドピアノも電子ピアノ違いばかりではありません。最初にもお話しした通り、アコースティックピアノと電子ピアノのハーフなので、電子ピアノのメリットである、デジタル技術・機能をもっているため、ヘッドフォンでの練習やUSBメモリーに演奏を保存できたりする点は同じです。
アコースティックピアノとハイブリッドピアノの違いと共通点
次はアコースティックピアノとハイブリッドピアノを比較してみましょう。アコースティックピアノは弦が張られ、その弦をハンマーがたたくことでピアノの美しい音色がつくり出されています。
演奏者が鍵盤を通じて求める音を具現化するために、鍵盤を押す指先の動きによって弦をたたくハンマーへと忠実に伝える重要な役割を果たしているのが、「アクション」と呼ばれる機構です。
これが忠実に再現されているということはハイブリッドピアノのデメリットはあるのでしょうか?アコースティックピアノのデメリットを本当に補うことができているのでしょうか?まだわからないことがあると思いますので、これから説明していきます。
寿命はどのくらい?
弾き心地や音はアコースティックピアノに近いハイブリッドピアノで、どんなに性能が良くても電子機器には変わりないので、寿命に関しては電子ピアノに近いものとなります。しかし寿命といっても、“機械部分”の寿命のことで、アコースティックピアノはしっかりお手入れをしていれば、100年持つと言われているように、アコースティックピアノの面では10年ほどで壊れることはほとんどないと言われています。
ではその10年ほどの寿命かもしれない部分というところを具体的に説明していきましょう。それは、取り付けた機械の寿命が10年くらいというだけです。ヘッドホンのジャックやUSBの接続部分などの電子ピアノとしての面です。
実際のところ、水をこぼしてしまうなどのよほどのことがない限り、保証は大体がメンテナンスフリーですし、壊れる要素がそんなにありません。
ただ、電子機器であり、繊細な機会だということだけは忘れずに、丁寧に取り扱い、念のため10年くらいで機械的な部分の故障があるかもしれないと思っているのがいいと思います。
値段の差はどのくらいあるか?維持費はかかるのか?
アコースティックピアノは調律が必要だったり、必要に応じて弦の張り替えなどが必要だったりします。 しかし、ハイブリッドピアノは電子機器の為、湿気などで音が変わってしまうなどの心配はなく、常にいいコンディションでアコースティックピアノの音色を楽しむことができることが魅力です。
他にお金がかかるとしたら、ヘッドホンなどの付属品や、USBなどです。しかしこれを上手に使うことでできる練習方法はたくさんありますので、とても効果的なレベルアップへつながる可能性が高いです。
商品によってはアコースティックピアノと変わらない値段のハイブリッドピアノですが、ランニングコストがかからないという面では、本体以外のコストの心配はそれほどなさそうですね。
移動はアコースティックピアノと同様!大切に!
電子ピアノも扱いには注意が必要ですが、持ち運びの便利さも売りです。ですが、ハイブリッドピアノの場合は、アコースティックピアノと同じ、アクションという繊細な機能が付いているので、移動には注意が必要です。専門業者に依頼することをおすすめします。
値段もそこそこするハイブリッドピアノはこんな方におすすめ!
メリットはもちろん、デメリットも見えてきたと思いますが、最終的にはこんな方におすすめというポイントがありますので、チェックしてみてください。
電子ピアノじゃ物足りない方
電子ピアノのタッチじゃ物足りないという方にはおすすめです。特にずっとアコースティックピアノを弾いてきた方は、正直なところ、電子ピアノは違和感があります。
あるいは、お子さんのピアノレッスン用のピアノをお探しで「電子ピアノでレッスンさせるのに抵抗がある・・・、けど防音のことが気になるという方にも、ハイブリットピアノをおすすめしています。
セカンドピアノとしての利用
昼間はアコースティックピアノでの練習をしていて、夕方以降にも周囲に気兼ねなく練習したい!という方にもおすすめです。
私は本格的に習いたいと思い始めたときから、セカンドピアノに電子ピアノを使っていました。練習量は明らかに増え、ヘッドホンで集中して練習することで、レベルアップへつながりました。
なので、セカンドピアノの大切さはとても分かりますし、それがハイブリッドピアノとなると、もっと表現力を練習できたのではないかなと思います。実際、アコースティックピアノのセカンドピアノとして購入されるピアニストの方も多いようです。
ピアノのタッチや表現力を身に付けたいけど騒音問題をかかえている方
特にマンションにお住まいの方で、ピアノを弾こうという方には避けて通れない「防音問題」。
そこで力強い味方になってくれるのが「消音ユニット(ヘッドホンからしか音がでないシステム)」ですが、1つだけデメリットがあります。「ピアニッシモ」が出にくくなるということです。
これは消音機能のON/OFFに関わらず起きることです。そんな方には、あらかじめ消音機能が付いていてタッチもアコースティックピアノとほとんど変わらないという面でもハイブリットピアノはおすすめです。
メーカー別、おすすめのハイブリッドピアノ
ここではおすすめのハイブリッドピアノを紹介していきます。
ヤマハ N3X《アバングランド》
ヤマハのハイブリッドシリーズは「AVANTGRAND(アバングランド)」と呼ばれ、アコースティックピアノと同じアクション機構が生み出す本物の演奏感と、最新のデジタル技術を駆使した電子ピアノとしての快適さを融合させたハイブリッドピアノです。
グランドピアノの鍵盤のタッチ、ペダルの感触、音の響き、楽器の共鳴、あらゆる点においてピアニストの期待を超えていくN3X。
ヤマハ N2《アバングランド》
グランドピアノらしいビジュアルながらもコンパクトさもあり、デザイン性にも優れたN2。グランドピアノのアクション機構を搭載しながらもスリムなデザインです。タッチ感やピアノの響きはグランドピアノらしい臨場感あふれたものになります。
ヤマハ N1《アバングランド》
アバングランドの魅力をシンプルにまとめ上げたN1もグランドピアノと同じアクション機構が繊細なタッチ感を生み出してくれる商品。弾きごたえと音の広がりはピアノそのものです。スペースを気にしている方にはとてもいいモデルだと思います。
ヤマハ NU1X《アバングランド》
アップライトのアクション機構をそのまま搭載したNU1X。2台のグランドピアノからサンプリングされた音源によって、アップライトピアノのようにすっきり収まるコンパクトなフォルムから豊かな響きを生み出すことを可能にした商品です。
こちらはホワイトもあります。インテリアにも合わせやすいですね!
カワイ 《NOVUS NV10》
オーディオ・音響機器メーカーとして世界的に高い評価を得ているオンキヨー株式会社と技術提携によって開発した高音質な再生システムにより、原音に忠実で、かつハイクラスオーディオに迫る再生クオリティを実現。
音源は国際ピアノコンクールで公式採用されているフルコンサートグランドピアノ「SF-EX」を使用しており、鍵盤のアクションはカワイグランドピアノに搭載されているアクションをベースに開発されています。ピアノメーカーならではの技術が集結したハイブリッドピアノです。
カシオ CELVIANO(セルビアーノ)シリーズ
世界的に有名な歴史あるピアノメーカーC.ベヒシュタインとのコラボレーションモデルです。世界中で敬愛されている3つの歴史的なピアノたちの性質や個性をカシオが研究・分析し表現されたものです。
グランドピアノと同じ“ 木”の質感を得るために、伝統的な木製鍵盤を採用し、独自のアクションを融合させることで、指になじむナチュラルな感触と劣化のないデジタル性能を両立させた、新しいナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤となっています。
カシオ GP-500BP《CELVIANO(セルビアーノ)シリーズ》
ピアノを弾く時も、鍵盤カバーを閉じている時も、優雅な気品に包まれていることが特徴です。外観にはどこまでも格調高い美しさを求め、艶やかな光沢仕上げを施され、グランドピアノの大屋根を開けた時のような豊かな音の拡がりを得られるよう、天板は開閉できる構造になっています。
カシオ GP-300《CELVIANO(セルビアーノ)シリーズ》
外観は、きめ細かな木目調仕上げ。開いた天板からはハンマーが見えるため、グランドピアノの機構を徹底的に追求したカシオ独自のアクション構造を感じることができます。ダンパーペダルは、ペダルの操作によって、ダンパーが弦と離れる時の弦の振動音までも表現されているようです。グランドピアノを弾く時の臨場感と表現力を追求した商品です。
まとめ
いかがでしたか?ピアノはアコースティックピアノと電子ピアノだけでなく、ハイブリッドピアノという、2つの楽器のいいとこ取りされた最新楽器が誕生し、またさらにピアノのレベルアップと可能性を引き出していけるようなものがあることがわかりましたね。
ぜひ気になりましたら、楽器店などで弾き比べをしたりして、今の自分に合った楽器選びをしてくださいね!
こちらの記事では、練習曲などピアノ初心者向けガイドと電子ピアノレンタルサービスをご紹介しています。
伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター
趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!