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初心者こそ知っておくべし!トロンボーンにおけるロングトーンのコツ
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
「ロングトーンは肺活量がないと辛い」「延々と音を伸ばしていないといけないからしんどい」と考えている人も多いですよね。
トロンボーンのロングトーンは、基礎練習にとって絶対に欠かせない練習です。
そしてこの記事にあるトロンボーンのロングトーンのコツを覚えながら行えば、上達のスピードがぐんと上がるに違いありません。
それでは今回は、トロンボーンのロングトーンにおけるポイントについて解説しましょう。
目次
ロングトーンとは
まずロングトーンとは何かについてお伝えします。
ロングトーンとは、その名前の通り一つの音を長く伸ばすこと。
こう聞くと、ロングトーンとはとても単調で退屈な練習のように感じる人もいるかもしれません。
しかし、ロングトーンは音程を安定させ、きれいな音を出すために必須の練習です。
トロンボーンは特に、譜面でもロングトーンをしたり、楽器でのハーモニーを吹く場面が多かったりしますよね。
そのため、ロングトーンをするのはとても有効です。
さらに音を出すときの肺活量を鍛えたり、息を入れるトレーニングとしても役立ちます。
吹奏楽部でも基礎練習として10分程度練習に取り入れている部活がほとんどでしょう。
最初はなかなか効果を実感できなくても、続けていくことでトロンボーンの吹きやすさが変わるに違いありません。
では、なぜトロンボーンはロングトーンを行うことが大切なのか、次で詳しく理由を解説しましょう。
トロンボーンはロングトーンが重要な理由とは
実際にプロのトロンボーン奏者とレッスンを行う時に、ロングトーンから始める人もいます。
では、なぜトロンボーンはロングトーンが必要とされているのでしょうか。ここではその理由についてお伝えします。
苦手な音でも出せるようになる
低音・高音含めて、トロンボーンは音域が広いですよね。
その中で、自分が出しやすい音域を持つ人は多いでしょう。
しかし、中には苦手な音域を持っていることもあるはず。
ロングトーンは、音域を広げるためには良い練習になります。
そのため、苦手な音域がある人はロングトーンをすることで安定して音を出すことができるようになるでしょう。
よく高音を吹く人でも、低音のロングトーンを安定してできるようになると高音が出しやすくなります。
曲を吹く時にスタミナがつく
トロンボーンを吹く曲は、だいたい5~10分程度の曲が多いです。
休みがあっても、2~3分吹き続けていなくてはならない、ということもあるはず。
そんな状態だと、唇がバテてしまって演奏し続けるのが辛い・・・などになりがちですよね。
ロングトーンをすることで、唇の状態をキープできます。
これによって唇や肺にスタミナをつけるので、高い音を吹き続けてもバテずに吹くことができるでしょう。
音を出す時に、無駄な力が入らなくなる
特に高い音を出そうとする時に、唇や肩に力を入れようとしますよね。
でも、力んだ音は縮こまってしまうので遠くには飛ばず、がなって汚い音になることが多いのであまり望ましい状態ではありません。
トロンボーンでロングトーンを行うことで音域がカバーされると、音を出す時に体に
自然な状態で音を出すことができるようになります。
また、同時に体の力を抜きつつ、腹筋で肺を支える練習にもなるので、音が安定するようになります。
このため綺麗な音を無理なく吹き続けるには、ロングトーンによって練習するのが必須に違いありません。
良い音でロングトーンをするためのポイント5つ
さて、ここまでは「ロングトーンを行うことの重要性」について解説しました。
では実際にロングトーンを行うにはどんなことを気をつければ良いのでしょうか。
ここでは、ロングトーンを行うコツについてお伝えします。
基本は「腹式呼吸」で
楽器を吹く時に「腹式呼吸で」「息を吸った時にお腹が膨らむように」と言われた経験がある人もいますよね。
これがまさに、「腹式呼吸」です。
腹式呼吸はお腹を使って横隔膜を上下させる呼吸のことです。
試しに脇腹に手を当てて呼吸をしてみると、息を吸うと膨らんで吐くとしぼみますよね。
このような呼吸を楽器を吹く時に行いましょう。
そのためにはまず、息をゆっくりで良いのでしっかり吸うことが大切です。
浅い呼吸だと、息が少ししか吸うことができないので出せる音も小さくなってしまいます。
また、息を吸うときは喉の奥を開けるようにするのもポイント。
喉の奥を開けることによって、息が入ってくる量が多くなるためです。
これは合唱の発声練習と同じなのですが、腹式呼吸の練習として息を大きく吸った後に「あー」と声を出す気持ちでロングトーンをしましょう。
すると、太くてしっかりした音を出せるに違いありません。
無理なく、正しい姿勢をとる
息がきつくなると、どうしても体が縮こまってしまいますよね。
かといって「背筋を伸ばす」を意識しすぎて前のめりの姿勢になると、肩や腰に力が入ってしまって吹きにくくなることも多いです。
しかし、背筋を適切にまっすぐにした姿勢だと、腹筋と背筋に力を入れやすくなります。
それによって、腹式呼吸が楽になるのでスムーズに音が出せます。
また、背筋が丸まっていると、息が横隔膜までしっかり入ってきませんし、吹いているときの見た目としても、あまりかっこ良いものではないですよね。
そのため、良い姿勢を意識するとより息をしっかり吸いましょう。
特にロングトーンは同じ音をずっと保つ必要があるので、背筋はしっかり伸ばしましょう。
テンポは「60」がベスト
たまにロングトーンを早いテンポで行う人がいますよね。
でも、ロングトーンはあまり早いテンポで行うことはおすすめできません。
なぜならロングトーンは一つ一つの音をしっかり伸ばせるようにすることが目的だから。
テンポを早くすると音がその分短くなってしまうので、その分効果が減ってしまうのです。
ロングトーンにおすすめのテンポは、「四分音符60」程度です。
最初は4拍伸ばすのを半音階で一通りやってみたら、次に8拍、12拍など少しずつ拍を伸ばします。
このため、ロングトーンをするときはメトロノームを使うのがおすすめ。
ちなみに、この速度は時計の秒針が動く速度と同じなので、メトロノームがない場合は時計の秒針を見ながらやってみましょう。
音のだし初めから終わりまで、しっかり意識する
ロングトーンは同じ音をずっと伸ばし続けるので、音を出し始めた瞬間から音の出し終わりまで、しっかり集中しましょう。
トロンボーンのロングトーンは、音を出している間だけでなく音の出だし・音の切り方も重要になるためです。
音の出だしについては、吹き始めに軽くタンギングをします。
この時に息を強く入れた状態でタンギングすると、音の出だしがぐちゃっと汚くなってしまいます。
あくまで、程よい強さでタンギングをしましょう。
また音を切るときも同じく、丁寧にタンギングします。
特にロングトーンの吹き終わりは、息が持たなくて苦しくなりがちなので力を入れて止めてしまいそうになりますよね。
さらに息が続かなくて音が萎みがちになることも。
そうではなく、最後までしっかりと音を丁寧に切ります。
演奏するジャンルによってタンギングの種類も異なりますが、ロングトーンでのタンギングはどのジャンルでも共通しているので、ぜひ入り切りを丁寧にすることを意識しましょう。
音程・音量・音色もチェック
先ほどは音の入り・切りについて解説しましたが、もちろんロングトーンで伸ばしている間の音も忘れてはいけません。
まず、音を出している間音が震えているのはよくないです。
この原因は、腹式呼吸でしっかり吸えていない事、息を支える腹筋が上手く使えていないことがあります。
この場合は先ほどの腹式呼吸のポイントを思い出しながら、しっかり息を吸いましょう。
また、トロンボーンは特に音程にも気をつけましょう。
トロンボーンがピストン楽器と違う点として、スライドで音程調節する点がありますよね。
しかし、トロンボーンはスライドをポジションの位置に置いても正しい音が出るとは限りません。
それは息のスピードと、スライドの位置の微調整が必要だからです。
このため、ロングトーンをすることで「1ポジションだけど少しスライドを抜いておこう」「Fの音を吹く時に息のスピードが早くなりがちだから、少し気をつけよう」など自分の傾向を把握することをおすすめします。
さらにトロンボーンはハーモニーが重要なので、音色も意識しましょう。
まろやかな音色、豊かな音色、スピード感があって軽い音色など、それぞれの人が目指している音色がありますよね。
息が足りていなかったり、姿勢が悪かったりする場合は音色にも影響が出ますので、きれいな音を演奏するように意識することが大切です。
トロンボーンでロングトーンの他に、やっておくべき練習
トロンボーンにとって、ロングトーンは基本中の基本である練習です。
しかしロングトーンと曲の練習だけでは、トロンボーンを吹くことができません。
そこで、ロングトーンの他にも行うべき練習について解説しましょう。
リップスラー
同じポジションでも、息の入れ方や唇のしめ方によってB♭やFのように音が変わりますよね。
この音を変える練習が、リップスラーです。
リップスラーの練習をすると、唇の使い方が今までよりもスムーズにできるようになります。
また音に適した息のスピードをマスターすれば、ロングトーンでも音程を安定させることができるでしょう。
特にトロンボーンでは同じポジションで出せる音が多いことと、曲でもグリッサンド、トリルなどでリップスラーを使うこともあります。
ぜひ、リップスラーも合わせて練習しましょう。
タンギング
ロングトーンのポイントにもありましたが、タンギングの種類もマスターしましょう。
ロングトーンで使うのはノーマルタンギングといった、標準的な音の切り方です。
しかしタンギングは、吹奏楽・ジャズによって必要とされる種類が異なります。
例えば吹奏楽のトロンボーンでは「マルカートタンギング」という、ふわっとした切り方をよく使います。
また、タンギングも短く切るスタッカートタンギングなども使います。
一方ジャズは切り方をしっかりしつつ、フレーズをスムーズにする「レガートタンギング」をよく使う傾向があります。
このタンギングをしっかりできるようにするためには、舌の使い方はもちろん必要です。
それだけではなく、実はロングトーンのようにタンギングをしてもずっと息の流れを途絶えないようにすることもポイントなのです。
そのため、ロングトーンがしっかりできるようになったらタンギングの練習も合わせて行うことをおすすめします。
まとめ
さて、今回はトロンボーンのロングトーンのコツについて解説しました。
これらをロングトーンで意識すると、効果が倍増すること間違いありません。
とはいえ、最初から全てを行おうとするのは難しいですよね。
ぜひ、一つ一つコツを身に付けてステップアップしましょう!
また、こちらの記事でもトロンボーンの練習を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
medmed /
ビギナーズ編集部 ライター
平日はWebライター、休日はトロンボーン吹き(演奏歴18年)をやっています。 音楽と映画、本、旅行、料理、インターネットなど多趣味な日々を楽しみながら過ごしています。