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【保存版】初心者でもわかる野球の変化球の種類と投げ方まとめ

スライダーにカーブ、フォークボールなど、野球にはさまざまな種類の変化球があります。この記事では変化球の特徴や投げ方を、曲がる(落ちる)方向別に解説します。投手をこれから始める方にお伝えしたい記事です。
【保存版】初心者でもわかる野球の変化球の種類と投げ方まとめ

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野球の9つのポジションの中でも、もっとも花形と言えるピッチャー。そして、ピッチャーであれば、打者を手玉に取る変化球に心をときめかせるのではないでしょうか。

今回は、変化球の種類やそれぞれの投げ方についてご紹介。これからピッチャーを始めようとしている人や、新しい球種を覚えようとしている人は必見ですよ。

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ストレート系の変化球

最初に紹介するのは「ストレート」系統の変化球です。一般的なストレートも、指の間隔や握る位置を変えれば、変化球となります。カーブなどの捻る変化球やフォークなどの抜く変化球と比べると、チャレンジしやすいのではないでしょうか。

2シーム

指とボールの縫い目の接点は通常4か所ですが、接点を2か所とすることで「2シーム」という変化球になります。

右投手の場合、スピードはほぼ直球と変わらないままに右打者の内角へ食い込むように曲がります。空振りを奪うよりも、ゴロを打たせてゲッツーを狙うのに向いているでしょう。

2シームの投げ方

ストレートの握りから90°傾けて、中指と薬指をボールの縫い目に対して平行になるように握ります。そして、あとはストレートと同じように投げるだけです。

投げる際は曲げようとして身体を開いたり、腕を横振り(オーバースローの場合)にしたりしないように注意。思い切り腕を振ることで、打者の手元で鋭く変化するはずです。

ワンシーム

ツーシームより指にかかる縫い目の数がさらに少ない1つで握るのがワンシーム。さらに鋭い変化となり、シンカーのような変化をすることも。縫い目を使えない分制球が難しく、プロ野球でも菅野投手(巨人)など使い手はわずかです。

ワンシームの投げ方

中指と人差し指の間に1つの縫い目がくるように握り、ストレートと同様に投げます。「ワンシーム」という名称ながら、実際には縫い目に指がかかっていないのでコントロールが非常に難しいのが難点。

スローボール

イーファストスローピッチとも呼ばれる、超スローボールです。単なる「遅い球」ですので、厳密には変化球とは呼びませんが打者の目先を変えるには有効な一手です。

ストレートの最高球速が遅くても、スローボールの後に投げることで打者には実際の球速以上に速く見えるもの。

日本人メジャーリーガー、多田野数人投手(元インディアンス)が当時のヤンキースの主力打者、アレックス・ロドリゲスを打ち取ったシーンは語り草となっています。

スライダー系の変化球の投げ方

変化球の中でも、使い手が非常に多いスライダー系の変化球。中学・高校で投手を始めた選手でも、最初に覚える方も多いことでしょう。

スライダーといってもさまざまなタイプがあり、小さく曲げてゴロを打たせるスライダーや空振りをとるスライダーなど、種類は非常に豊富。自らに合う種類のスライダーを探しましょう。

スライダー

その名の通り、横に「スライド(滑る)」するように曲がる変化球です。右投手の場合、右打者の外側に向けて逃げるように曲がっていきます。

スライダーの投げ方

ストレートの握りから外側にずらして握り、人差し指と中指でボールの外側を切るように振りぬきます。小指はリリース後も下に向けたままで「チョップ」するようなイメージですね。

大きく曲げようとして腕が横振り(オーバースローの場合)になったり、腕の振りが遅くなったりすると、打者から変化球を投げることが分かってしまいます。ストレート以上に強く腕を振る意識を持ってください。

高速スライダー

通常のスライダーよりも速い球速で曲がる球種で、スライダーの変化量を減らしてストレートに見せて打者を幻惑します。松坂大輔投手(西武・レッドソックスなど)がこの球種を武器に強打者を牛耳ってきた姿を覚えている方も多いのでは。

スライダーは中指と薬指を大きく中心からずらして握りますが、高速スライダーは若干中心寄りに握るのがポイントです。

カットボール

高速スライダーよりも、さらに曲がりを抑えて球速を上げた変化球です。中日ドラゴンズなどで活躍した川上憲伸投手は、このカットボールを左打者のインコースに投げ込んで多くのバットを折ってきました。

ストレートよりも若干外側にずらして握り、ストレートと同じような振りでリリースの瞬間に人差し指で押し込むように投げることでわずかに変化します。

落ちるスライダー

横滑りで曲がる通常のスライダーと異なり、ストンと落ちるタイプのスライダーです。捻るようにリリースする通常のスライダーと違い、抜くように投げるのがポイント。

右投手の場合、手の甲がリリース後に三塁方向に向くように腕を振ると落ち幅がより大きくなります。

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カーブ系変化球の投げ方

変化球の元祖ともいえるカーブ。大きく曲がるカーブに打者は手が出ずに見逃し三振──まさに投手の醍醐味ですよね。そんな打者をきりきり舞いにさせる、カーブ系変化球の種類と投げ方を解説します。

カーブ

ボールに斜め回転をかけることで、大きく曲がりながら落ちるのが一般的なカーブの軌道です。一度浮き上がってから曲がってくるため、打者は錯覚を起こします。ストレートより球速も落ちるので、緩急をつけるためにも有効。

歴代でも数多くの投手たちが武器にしており、古くは400勝投手の金田正一、最近では岸孝之投手(楽天)が伝家の宝刀としてカーブを使用しています。

カーブの投げ方

人差し指中指をくっつけて、ボールの外側にずらして握ります。そして、肘から先に出して手首をドアノブを開けるように捻りながらリリースしましょう。

カーブを投げる際の感覚は人それぞれで、「頭の上から出てくるような感じ」「ブーメランを投げるような感覚」など、さまざまな表現があります。

また、捻るのではなく「抜く」ようにリリースする投げ方もあるので、自分なりのカーブの投げ方を探してみてください。

縦カーブ(ドロップ)

斜め方向に曲がる一般的なカーブと違い、縦方向に曲がるタイプのカーブです。昭和の時代には「ドロップ」と呼ばれ、多くの投手が武器にしていました。

上から腕を出し、スピンをかけずに抜くようにリリースすることで、急激に落ちるような軌道を描きます。指が短くてボールを挟み込めないなら、フォークボールの代わりに使うのもよいでしょう。

スローカーブ

カーブをリリースする際に思い切り抜くことで、球速を落とします。ストレートとの球速差で緩急をつけることで、遅いストレートでも速く見せることができるという、ある種の魔球です。

星野伸之投手(元オリックスなど)は、80km/h台のスローカーブを駆使することで、130km/h程のストレートでも150勝以上の勝ち星を積み重ねました。

パワーカーブ

カーブよりも速い球速で、急激に縦方向へ変化するカーブを「パワーカーブ」と呼び、日本ではホークスの石川柊太投手がこの球種を武器に、育成選手から這い上がって先発ローテーション入りを掴み取りました。

2020年の日本シリーズで読売ジャイアンツの主力選手を次々と打ち取ったシーンを覚えている方も多いのではないでしょうか。

投げ方としては、カーブと同じ握りでリリースの瞬間に人差し指で押し出すように強く弾きます。スピン量をどこまで上げられるかが習得のコツです。

ナックルカーブ

通常のカーブよりも早い球速で急激に曲がるのが特徴。爪を立てて握ることから「ナックル」という名称がつけられていますが、爪や指先で弾いて強い回転を与えることを意識するので、無回転で投げるナックルとは根本的に違う種類の変化球です。

オリックス・バファローズのディクソン投手がこの球種を決め球に三振を量産しています。

投げ方ですが、中指を立ててリリースの瞬間に弾くように押し出します。人差し指は使わず添えるだけなので、使用するのは実質中指のみと非常に制球しづらい球種です。

シュート・シンカー系変化球の投げ方

右投手から見て、右方向に変化するのがシュート・シンカー系の変化球。右打者の内角をえぐってゲッツーを打たせるのに有効なボールです。

サイドスローやアンダースローの投手は、オーバースローの投手よりも比較的容易にこれらの変化球を習得できます。

シュート

右投手から見て、右打者の内側方向に曲がるボールで、主に内角へ投げ込んでゴロを打たせるのに使用します。ツーシームとほぼ同じように縫い目に沿わせて握り、ストレートよりも若干強く内側に捻ることで、右打者へ向かっていくような変化をします。

この際、身体を開くと変化させやすくなりますが、打者に球種が分かりやすくなる上にフォームを崩しやすくなるのでおすすめしません。

シンカー(スクリュー)

シュートしながら沈むように落ちる変化球をシンカー、そして左投手が投げるシンカーをスクリューと呼びます。千葉ロッテマリーンズの石川投手などが決め球として使用しています。

オーバースローの場合は中指と薬指の間から抜くように投げるので非常に使いこなすのが難しいです。

一方、サイドスローやアンダースローにとってはツーシームの握りで少しトップスピンをかけるだけで投げられるので、比較的お手軽な球種と言えるでしょう。

落ちる変化球の投げ方

主に決め球として空振り三振を狙って投げるのが、フォークなどの落ちるボール。満塁やランナー3塁など、どうしても空振りをとりたいシーンも訪れるはず。1種類は落ちる変化球を覚えておくと良いでしょう。

フォークボール

打者の手元でストンと落ちるフォークボールは、追い込んでから三振を奪いにいくのに最適。野茂英雄投手や佐々木主浩投手が日米の打者をこのボールで打ち取ってきましたよね。

また、近年では千賀投手がお化けフォークとも呼ばれる驚異的落差のフォークボールを武器に大活躍しています。

フォークボールの投げ方

人差し指と中指でボールを挟み込み、思い切り腕を振ります。回転を与えないようにするのがポイントです。また、高めに浮くと痛打されやすいので、ワンバウンドになるのを恐れずに低めへ投げ込みましょう。

SFF

正式名称を「スプリット・フィンガード・ファストボール」といい、フォークボールよりもストレートに近いスピードで落ちるボールです。フォークボールより若干指の感覚を狭めて握り、思い切り腕を振って投げます。手首をきかせないのがポイント。

チェンジアップ

ストレートと同じような腕の振りから繰り出され、打者の手前で失速しながら落ちるボールです。空振りをとるのにも、タイミングをずらすのにも使えます。日米ともに数多くの投手がこの球種を武器にしています。

チェンジアップの投げ方

ストレートの握りから親指と中指を浮かせて、ストレートと同じように腕を振って投げます。チェンジアップのコツは「ストレートの回転数を下げる」こと。

バックスピンをかけることで揚力を得て真っすぐ進むストレートに対して、あえて回転数を下げることで落ちるボールとなるのです。

チェンジアップの投げ方は1つじゃない?

チェンジアップの投げ方や変化の仕方は千差万別で、今回ご紹介したのはもっともオーソドックスな投げ方にすぎません。人差し指と親指を「OK」マークのように丸めて握る「サークルチェンジ」や、鷲掴みで握る種類のチェンジアップも存在します。

変化の軌道も、高速で落ちるタイプや曲がりながら落ちるタイプなどさまざま。固定観念に囚われずに、自分なりの握りや投げ方を見つけてくださいね。

特殊変化球の投げ方

何種類もある変化球の中でも、特に使い手が少ない特別な変化球です。キャッチボールの際に、なんとなく投げてみたくなる球種ばかりです。

ナックルボール

数ある変化球の中でも最も特殊な変化球と言えるのがナックルです。ほぼ無回転で打者へ向かっていくので、風によって左右に曲がったり落ちたりと投げた本人もどこへ行くのか分からないほど。

メジャーリーグには投球のほとんどをナックルボールが占めるフルタイムナックルボーラーもおり、ティム・ウェイクフィールド(元ボストンレッドソックスなど)は通算200勝を挙げました。

なお、ナックルボールは捕球も非常に難しく、メジャーリーグにはナックルボーラー専用の捕手も存在するほどです。

ナックルボールの投げ方

5本の指で爪を立てて握り、人差し指・中指・薬指の3本ではじくように押し出します。この際、出来る限り回転を与えずに投げるのがポイント。

パームボール

投げる瞬間に掌で押し出すように投げる変化球で、ストレートに比べて回転が極端に少ないため、揺れるように落ちるのが特徴です。日本プロ野球では、帆足投手(元西武など)がこの球種を武器に活躍しました。

パームボールの投げ方

鷲掴みのように握り、人差し指・中指・薬指を浮かせます。そして、回転を与えないように掌で押し出すように投げます。回転がゼロに近ければ近いほど鋭い変化を見せるでしょう。

まとめ

野球の醍醐味の1つである、変化球。メジャーリーグでナックルボーラーとして大活躍したティム・ウェイクフィールド投手も元々は野手でしたが、全く目が出ませんでした。

ところが、遊びのキャッチボールでナックルを投げていたことから投手に転向し、球史に残る大投手となったのです。非常にロマンがある話ですよね!皆さんもぜひ、ブルペン以外でもキャッチボールでさまざまな種類の変化球に挑戦してみてくださいね。

また、こちらの記事では野球の基礎練習のメニューをポジション別に解説していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

タカ /
ビギナーズ編集部 ライター

ホワイト企業を退職後、世界一周の旅に。アフリカや中南米、中東などを巡る。帰国後は雑誌社勤務を経て、フリーのライターとして活動中。

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