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ピアノのテンポを一定に保つための練習|おすすめメトロノーム練習法とは?
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ピアノを弾いていると知らず知らずのうちに、テンポが途中で遅くなってしまったり、速くなってしまったりする人がいます。
テンポがずれてしまっては、せっかく弾けるようになってももったいないので、ピアノでテンポを一定に保つ改善方法と、メトロノームを使った練習方法もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
テンポとは
まず始めに、“テンポ”について少しお話ししていきましょう。
テンポとは、イタリア語で「時間」のことです。音楽ではどのくらいの速さなのかを表します。
つまり、1拍の間が広いか狭いかによって、音の速さが決まります。
音楽にとって、テンポはとても大切です。曲の持つイメージや雰囲気はテンポによって変わります。
楽譜の冒頭にある記号は、テンポの記号や奏法を指示する記号が書かれています。「Moderato」と書かれていたら、「中くらいの速さで」の意味ですので、その記号の指示通りに曲を弾いていきます。
楽譜には曲をどのくらいの速さで演奏するのかを示すためにテンポに関する記号が書かれていますので、楽譜を開いたらまず見るようにしましょう。
自分では気づいていないことが多い、テンポの変化
自分が演奏をしているとき、抑揚をつけて、表現として早くなったり、遅くなったりすると思います。
しかしそれ以外にも苦手なフレーズが出てきたときに遅くなってしまったり、得意なところを速く弾きすぎてしまったりと、楽譜の指示でないことをしてしまうこともあると思います。
弾いている方は意外と気づかないことが多いですが、実は聞き手からすると焦って弾いているなぁ・・・苦手なのかなぁ・・・などと思ったりして、聴きにくいときがあります。
これはピアノの上達にも関わってくることなので、ぜひ自分で気づき、改善してもらいたいので、ここからは改善方法を詳しく説明していきます。
テンポを一定に保つ最善の方法
ピアノを弾いていてテンポがずれてしまう最大の要因は、「拍感のずれ」です。
ペースが乱れやすいのは、特に苦手意識のあるフレーズを弾くときに多いといわれています。
そんな苦手意識のフレーズを弾くときでもテンポを一定に保つには、メトロノームを使った練習が効果的です。
メトロノームは、振り子の原理を用いてメロディーのテンポを一定に示す音楽器具です。ベートーヴェンも使っていたといわれており、古くから著名な音楽家にも愛用されていた器具です。
メトロノームを用いることで、一定のテンポを保ちながらピアノを弾くことができるので、一度メトロノームを使って確認してみるのもいいでしょう。
テンポがずれてしまっては、せっかく弾けるようになってももったいないのでピアノでテンポを一定に保てるように、拍感のズレを直していきましょう。
しかし、メトロノームはあくまでも、テンポがずれていないか確認するためのものです。
実際の演奏では抑揚をつけたりする場面もあるので、必ずしもメトロノームのテンポと一致するとは限りませんので注意してください。
それに、メトロノームに頼りすぎては自分の中の拍感がつかみにくくなってしまうのであくまでも、テンポの確認用として使用することをオススメします。
最近では驚いたことにスマートフォンのアプリでもメトロノームを使うことができます。かなり使いやすいものもあるので気になる方はチェックしてみてもいいかもしれません。
メトロノームの正しい使い方とは
テンポを一定に保つのに役に立つメトロノームですが、正しく使うにはいくつかの注意点もあります。
それは、まずメトロノームに頼りすぎないことです。それに頼りすぎてしまうと、自分で拍感をつかみにくくなり、上達も見込めなくなってしまいます。
あくまで、テンポの確認用として用いるにとどめましょう。また、演奏曲の中には、メトロノームのように一定のテンポを保ったまま弾くのではなく、テンポに抑揚を付けて弾く曲もあります。
すべての曲が必ずしもメトロノームのテンポとは一致しないことをあらかじめ覚えておくことが大切です。
テンポを表す記号は感覚的なイメージですが、メトロノーム記号は具体的な数値で表されます。
「♩=120」は、1分間に120回打つ速さの意味です。
確実にこの速さで弾くことも大切ですが、音楽には数値では表せないテンポがあります。
自然なテンポ、揺れ、感じ方があります。楽譜の冒頭に「♩=120」などの表記があれば、メトロノームで「120」を設定し、テンポを確認しましょう。
あくまでもお手本で弾くときのテンポです。必ずこのテンポで弾く必要はありません。お手本の速さを確認し、まずは半分くらい「60」のテンポで練習していくことをおすすめします。
メトロノームを鳴らしながら弾くことは大変難しいです。半分くらいのテンポでほぼ弾けるようになったら、「勝手にゆっくり弾いていないか?」「勝手に速く弾いていないか?」を確認する意味でメトロノームを使用することがおすすめです。
メトロノームで一定のテンポを保つ方法
それでは、メトロノームを使って一定のテンポを保てるようになるには、具体的にどうすればよいかお話していきます。
よく楽譜上には♩=60というようにメトロノームの記号が表記されています。
これは1分間に四分音符が60回の速さという意味になります。
メトロノームを使ったテンポの練習をする場合、最初は設定してある速度よりも少し遅めに設定して演奏します。
練習するときは、メトロノームのカチカチという音をしっかり確認しながら、拍感をつかんでいけるようにしましょう。
クラシックの曲を弾く場合は、曲に揺れがあったり、抑揚をつけたりするため、必ずしもメトロノームのテンポに合わせなければならないということはありません。
また、ポップスやジャズなど他のジャンルを演奏する場合や、アンサンブルを演奏する場合はメトロノームを使用する際にちょっとしたコツがあります。
こういった場合は、メトロノームの刻む拍よりも細かい音符を感じるようにして弾いたり、裏拍にメトロノームを合わせて練習をし、慣れてきたら表拍に合わせて弾いたりします。
この練習を繰り返すことによって一定のテンポをキープすることができるようになります。
メトロノームを使ったおすすめの練習方法
メトロノームを使った練習方法は、弾ける段階によってさまざまです。レベルによって変わってくる練習方法を解説していきます。
初級程度:スラスラ曲が弾くことが難しい場合
まず、まだ曲をスラスラと弾けない場合は、メトロノームの拍に合わせて楽譜を読む練習法がおすすめです。
ピアノは弾かずに、メトロノームに合わせて指で楽譜を追ったり、ドレミで歌ったりしてみましょう。
そうすることで、リズムや音の動きをあらかじめ確認することができ、ピアノを弾く際に譜読みの時間を短縮できます。
中級程度~:スラスラ弾ける場合
ある程度、曲をスラスラと弾けるようになれば、無理のない速度でメトロノームと合わせながら弾く練習がおすすめです。
自分ではテンポよく弾けているつもりでも、メトロノームと合わせてみると弾けているところと弾きにくいところが明確に現れます。
その際は、メトロノームに合わせながら片手ずつ練習するのがおすすめです。ピアノの上達には、繰り返し練習することが欠かせません。
また、練習ではテンポの他に、タッチや音の強弱にも注意しなければなりません。
自宅でもアコースティックピアノで練習することで、タッチによる響きの違いや音の強弱を表現できるようになります。
上達を目指すなら、表現力豊かなアコースティックピアノがおすすめです。少しでも安くピアノを購入したい方は、中古ピアノを検討してみてはいかがでしょうか。
すらすら弾ける場合は、得意なところを速く弾いてしまったり、テンポが不安定になったりしがちです。
弾けるところだけでも出来上がりのイメージで速く弾くと気持ちがいいものですが、そのまま練習を続けると、弾けないところはいつまで経っても弾けないまま残り、テンポが不安定で雑な演奏が身についてしまいます。
ミスなく弾ける安定したテンポで練習を重ねることが大事!
まずは、ゆっくり目のテンポで止まらず、間違えずに弾けるようにする!それから徐々に目標の速さまで上げていくようにします。
曲のイメージをつかむために、多少間違っても気にせずに弾き飛ばしてみるのも時々ならOKですが、「いつも」はNGです。
確実に弾けるテンポで、楽譜に書き記された指示をしっかり守りながら丁寧に弾く練習をしましょう。
「音の粒をそろえて弾く」10本の指をしっかりコントロールする演奏方法
テンポがわかってきたら、今度は「音の粒をそろえて弾く」ことを意識していきましょう。
どのようなスタイルの曲でも上手に弾きこなせるようになるためには、演奏の基本となるテクニックをマスターして10本の指をしっかりコントロールできるようにすることが必須です。
ただ「演奏の基礎テクニック」と言っても、どこにポイントをおいてどのように練習していけばいいのか分からないと思います。
そこで、確実に身につけておきたいピアノ演奏の基礎テクニックを以下の5つに絞り、それぞれをマスターするためのヒントや効果的な練習方法をご紹介していきます。
「音の粒をそろえて弾く」とは?
黒鍵と白鍵が並ぶ凸凹した鍵盤を、長さや太さが違う10本の指を使って音の大きさやタイミングを均等に揃えて弾くのは意外に難しいものです。
特に初級レベルでは、指を動かすことに気を取られ、肝心の音については聞く余裕がなくなりがちですが、指が動いていてもコントロールされた音が弾けなければ美しい音楽にはなりません。
「音の粒を揃えて弾く練習」というと、まずは正確なタイミングや安定した音量でひとつひとつの音を揃えて弾くことができなければ、楽譜が要求するさまざまなニュアンスをつけて弾くことは出来ません。
時には退屈に感じる練習ですが、疎かにしないで初級レベルでしっかりとマスターしていくと後で困りません。
なぜ「音の粒をそろえて弾く」ことがテンポを保つために重要なことなのか?
テンポがあっていないと音の粒もそろわず、とても完成度としては低いものになってしまいます。
さらにずれていることに気づかないということは、音の響きに敏感な耳ではないことになります。
自分で気づくことから始まることになりますが、耳のトレーニングはとても簡単です。
“どんなジャンルの音楽でもいいのでピアノで弾かれた曲をできるだけたくさん、じっくりと聴くこと!” が耳を育てるための第一歩です。
いろいろなレベル、スタイルの演奏を聞いているうちに、きれいな音と乱暴な響きの音、優しい音、パワフルな音、悲しい感じの音など、音のニュアンスや良し悪し、また自分の好みがわかってきます。
そして次第に細部のニュアンスを聞き分けられる耳ができてきて、自分がピアノを弾く時にも、打鍵とそれによって生じる音に敏感に耳を傾けられるようになるのです。
「音の粒をそろえて弾く」には、ハノンが効果的!
10本の指を独立させ、ひとつひとつの音をコントロールして弾けるようにするための代表的な練習曲と言えば「ハノン」。
同じ音型を繰り返す単調なハノンの練習は、学習者にとって好き嫌いがはっきり分かれ、専門家の間でも賛否両論があります。
嫌いな練習に無理に取り組んでも成果は期待できないので意味ありませんが、練習の目的を理解し正しい方法で取り組めば、必ず結果は伴います。ぜひ活用してみて下さい。
まとめ
いかがでしたか?どんなに長くピアノを習っていても、テンポは永遠の課題のようなものです。
しかし、その難しいテンポ感を身に付ける方法もあるので、ぜひ参考にして、曲の完成度をどんどん上げていって下さい。
また、こちらの記事ではピアノを練習するときのメトロノームの使い方について解説していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター
趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!