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リラックスが大事♪トロンボーン基本の吹き方とみんなのお悩み解決
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トロンボーンをはじめとする金管楽器は、マウスピースで音階を出すのが基本です。
吹き方のコツもマウスピースを中心に練習することになります。
さらにトロンボーンの場合は、スライドで音を変えるため、感覚的に吹き方を変えることが多くなります。
今回は基本の吹き方と、トロンボーン奏者にありがちなお悩みも一緒に見てみましょう。
目次
トロンボーンはじめの一歩『マウスピース』での吹き方練習
トロンボーンは、唇の振動がマウスピースから伝わって音になります。
楽器を構える前に、まずはマウスピースで吹き方の練習をしましょう。
ポイントとしては、口を横に引っ張りすぎないことと、唇をマウスピースの中央に寄せる力が必要という点です。
トロンボーンのアンブシュアは、最初の音を出す『バズィング』を安定させた吹き方ともいえます。肩の力を抜いて、リラックスしながら吹くことで、安定した『アンブシュア』がつくれるようになります。
注意点は、頬に息を入れないようにすることです。頬に息が入ると横に音が漏れてしまいます。
マウスピースでしっかり音が出せれば、トロンボーンを付けても安定した吹き方になります。
トロンボーンの吹き方の基礎『タンギング』について
安定して音が出るようになったら、タンギングの練習に入りましょう。
トロンボーンだけでなく、全ての管楽器において『タンギング』は、音の区切りをはっきりさせる、基本的な吹き方です。
タンギングでは舌に意識を向け、舌先の力加減が上手に吹くポイントとなります。
トロンボーンの吹き方基本の『シングルタンギング』
「Ta」の発音をする時、舌先が歯の裏側から一瞬離れる動きをします。この舌の動きを利用するのが、タンギングです。
トロンボーンで、最も基本的な吹き方となるのが、この『シングルタンギング』です。
シングルタンギングの上手な吹き方は、「Ta」と発音した後に舌をリラックスさせて元の位置に戻すことです。
舌や喉、顎に力が入ったままだと、きれいな1音が出せません。
タンギングは力任せではなく、いかに力を抜いてリラックスするかが、吹き方のポイントといえます。
練習しておきたい吹き方『ダブル(トリプル)タンギング』
こちらの動画は前半がリップトリル、後半がトリプルタンギングとなっています。
微妙な差異に聞こえますが、リップトリルは唇でコントロールするのに対し、トリプルタンギングはタンギングの応用編です。
ダブルタンギングは「Tu・Ku」の発音で、2音をはっきり区別させます。吹き方のコツは声で「Tu・Ku」と発音するよりも舌の力を前方に持ってくるように意識することです。
トリプルタンギングは「Tu・Ku・Tu」と、1つの音を3つに分けるため、舌先での力加減が音の区切りを左右します。
トロンボーンの特徴的な吹き方『リップスラー』とは?
リップスラーは、トロンボーンの吹き方でも特徴的な技法の1つです。タンギングは最初の1音のみで、あとは繋げるように音を出す吹き方です。
『リップスラー』という名前ですが、主に舌の動きによって音をコントロールします。
息を出し続けながら、スライドをできるだけ素早く滑らかに動かすのがポイントです。なるべく近い音同士から練習すると良いでしょう。
息のスピードを上げる時に、唇や舌に力を入れないよう気をつけてください。
トロンボーン特有の吹き方『グリッサンド奏法』とは?
「あぁ、これが『グリッサンド奏法』なのか~!」と、聴けば一発でわかりますね。
トロンボーン特有の吹き方である『グリッサンド奏法』は、タンギングをせずにスライドを滑らかに動かして、音を変える吹き方です。
スラーとグリッサンドの違いについては、楽譜で見分けるとよくわかります。
スラーは音の間に弧線があるだけですが、グリッサンドの場合は、繋ぐ音の間に『斜め1本線』が引いてあるか、『gliss.』と表記されています。
リップスラーやグリッサンドができるようになれば、楽譜を使った曲の練習で躓くことも少なくなるでしょう。
こちらの記事では、ジャンルごとにアンサンブルが楽しめる曲をご紹介しているので、ぜひ練習してみてください。
トロンボーンの吹き方にまつわるお悩み5つ
トロンボーンの練習を続けていくと、吹き方に悩みも出てきます。
トロンボーンによくある、お悩み5つについて解決方法を探ってみましょう。
1.ハイトーン(高音)を上手に出したい
中低音楽器であるトロンボーンで、『ハイトーン』(高音)を吹くにはコツが必要です。
ハイトーンを吹くポイントは、息の速度が大きく関係しています。
アパチュア(唇の開き具合)の直径を小さくすることで、息のスピードが上がり高い音が出せるようになります。
マウスピースのカップに、息を当てないように中央を狙って吹くようにしてみましょう。圧のかかった速い息が入ると、高音を出せるようになります。
2.きれいな低音を出したい
トロンボーンらしい低音をきれいに吹くのは、トロンボーン奏者の憧れです。
低い音を意識しすぎて太く息を出すと、吹き方が雑になりかねません。
吹き方の練習方法としては、リップスラーで下の音に繋がりを持たせるように吹くと、低い音がきれいに出せるようになります。
低音になっても、できるだけアンブシュアが変わらないように気をつけて吹くようにしましょう。
3.速いタンギングができません
速くタンギングしようと意識しすぎると、舌が緊張してしまいます。舌が緊張している状態でタンギングをすると、息がガサガサと切れてしまいます。
タンギングを速くするコツは、息を出しっぱなしにして、舌で息をカットするような吹き方をすることです。
息をしっかりと吸い、ロングトーンと同じイメージでしっかり出しながら、タンギングを徐々に速くしてみると良いでしょう。
メトロノームを使って、速さを確認するのも大切です。
4.音程が悪い気がするのですが?
トロンボーンの吹き方で、音程が悪いまたは安定しないと感じる原因は2つあります。
1つはアンブシュアやアパチュアなど、唇が原因となっている場合です。初心に帰って、バズィング→マウスピースを当ててタンギングと鏡を使って見直してみましょう。
2つ目の原因は力んでしまうことで、音程が不安定になることです。
トロンボーンの吹き方で、最も大事な練習は『ロングトーン』です。重い楽器でもあるトロンボーンは、練習中に体に力が入りがちで、ロングトーンなど時間のかかる練習は、疲れることもあります。
リラックスしてトロンボーンを構え、ロングトーンを丁寧に行うことで、音程が安定します。
また、質の良いトロンボーンの音を聴いて、自分の出したい音のイメージを作ることも、吹き方を改善する良い方法といえます。
5.「音が小さい」と言われます
自分では音が大きいと感じるトロンボーンですが、吹奏楽やアンサンブルになると「音が小さい」と指摘される場合があります。
普段の練習で音量を押さえてしまうと、いざ大きな音で吹こうとすると、音が割れてしまいます。普段から大きな音が出せるよう、練習場所の工夫が必要です。
防音設備のある狭い場所だけでなく、広い空間で吹くことで大きな音が躊躇なく出せるようになります。
吹き方で大きな音をきれいに出すコツは、ロングトーンで1つの音を、小さい音量から大きな音へ、徐々に強める吹き方です。
また、イメージトレーニングとして、遠くの場所に音を届けるイメージで吹いてみるのも1つの方法です。
トロンボーンの吹き方にも影響する体のこと
トロンボーンをはじめとする金管楽器は、重さもあることから体が緊張しがちです。
また、管楽器の吹き方の基礎として『腹式呼吸』の大切さもよく聞くことです。体全体を緊張させずに、トロンボーンを吹くコツを探ってみましょう。
トロンボーンで重要な『腹式呼吸』のホントのところ
トロンボーンの吹き方では、スライドの動きやリップスラーに注目されがちですが、腹式呼吸も大事な練習のひとつです。
体に負担をかけずに、トロンボーンの吹き方をステップアップさせるには、昔ながらの腹式呼吸を改めることも視野にいれたいものです。
トロンボーン奏者なら知っておきたい『アレクサンダーテクニーク』とは?
先の動画で解説したホルン奏者のバジル・クリッツァーさんは、アレクサンダーテクニーク教師でもあります。
アレクサンダーテクニークとは、体にかかる極度の緊張や、余計な力をコントロールすることで、心も体も真にリラックスさせるメソッドです。
特にトロンボーンなどの重い楽器では体が常に緊張しがちです。負担を減らし心地よくトロンボーンを練習したいですね。
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まとめ
大型の金管楽器であるトロンボーンは、体にも唇にも力が入りがちです。
吹き方のポイントはどの音もリラックスすることから始まります。
トロンボーンによくある「悩み」も、力を入れないことで解決することが多いものばかりです。
トロンボーンの優しい音色を楽しめるよう、リラックスした吹き方を練習してみてくださいね。
藤加祐子 /
ビギナーズ編集部 ライター
仙台市出身在住。フリーライター・写真家・タティングレース作家。古書店巡りとフルート演奏が趣味。仙台フィルの演奏を聴くのが自分へのご褒美です。